TUBEst
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | ベストセラー・サマー | 三浦徳子 | 鈴木キサブロー | 武部聡志 鈴木キサブロー |
1stシングル 最高13位 売上11.4万枚 |
2 | センチメンタルに首ったけ | 三浦徳子 | 鈴木キサブロー | 長戸大幸 | 2ndシングル 最高64位 売上0.9万枚 |
3 | シーズン・イン・ザ・サン | 亜蘭知子 | 織田哲郎 | 織田哲郎 | 3rdシングル 最高6位 売上31.0万枚 |
4 | ビコーズ・アイ・ラブ・ユー | 亜蘭知子 | 長戸大幸 西村麻志 |
長戸大幸 | 4thシングル 最高13位 売上9.1万枚 |
5 | SUMMER DREAM | 亜蘭知子 | 織田哲郎 | 織田哲郎 | 5thシングル 最高3位 売上21.9万枚 |
6 | ダンス・ウィズ・ユー | 亜蘭知子 | 栗林誠一郎 | 長戸大幸 | 6thシングル 最高3位 売上11.4万枚 |
7 | ビーチ タイム | 亜蘭知子 | 織田哲郎 | 織田哲郎 | 7thシングル 最高4位 売上17.7万枚 |
8 | Remember Me | 前田亘輝 | 栗林誠一郎 | 明石昌夫 | 8thシングル 最高12位 売上6.3万枚 |
9 | SUMMER CITY | 前田亘輝 | 前田亘輝 | 和泉一弥 | 9thシングル 最高12位 売上11.3万枚 |
10 | Stories | 前田亘輝 | 春畑道哉 | チューブ | 10thシングル 最高21位 売上3.7万枚 |
11 | 渚のMerry Boys | 亜蘭知子 | 織田哲郎 | 織田哲郎 | 渚のオールスターズ 1stアルバム『渚のカセットVol.1』収録曲 |
12 | Be My Venus | 亜蘭知子 | 織田哲郎 | 織田哲郎 | 渚のオールスターズ 1stシングル(カット) 最高54位 売上2.3万枚 |
13 | DAY IN VACATION | 亜蘭知子 | 織田哲郎 | 織田哲郎 | 渚のオールスターズ 2ndシングル(アルバム同発) 最高35位 売上2.3万枚 |
渚のオールスターズとは?
TUBEメンバーと織田哲郎、亜蘭知子、栗林誠一郎、伊藤一義ら当時TUBE制作に関与していた作家やプレイヤーで構成されたグループ。アルバムごとに一部参加メンバーは入れ替わっていた。2作のシングルと1作の12インチシングルと3作のアルバムを87〜89年の3年間にリリースして自然消滅した。91年にはベストアルバムも発売。ボーカルは前田に限らないため、今回収録された3曲でも前田以外のボーカルが入っている。
リリースデータ
1989年12月21日 2003年5月2日(再発) |
初登場5位 | 売上62.7万枚 | Produced by 長戸大幸 | CBSソニー Sony Music Associated Records |
メンバー
ボーカル | 前田亘輝 |
ギター | 春畑道哉 |
ベース | 角野秀行 |
ドラムス | 松本玲二 |
TUBE1stベストアルバム。ここまでの10枚のシングルと渚のオールスターズ名義の3曲を収録。20日前にリリースされた「Stories」はアルバム初収録でオリジナルアルバムには未収録。デビューから88年まではオリジナルアルバムを夏と冬に2枚リリースしていたが、この年はオリジナルアルバムではなく代わりに今作がリリースされ、これを最後に冬のアルバム発売は無くなり夏のみに特化するようになった。年末発売というのもあって初動は4万枚程度だったが、その後のTUBEが夏のみの活動に特化してセールス全盛期を迎えていったこともあり、毎年夏が来ると今作が再浮上。94年までは毎年10週以上ランクインしており、最終ランクインは95年(1週のみ)、100位以内登場週数は92週となり、TUBE史上ダントツのロングヒット作品となった。
当時CBSソニーだったので品番はCSCLで、91年のSRCL品番での再発ラインナップからは外れたが、03年にSony Music Associatedにレーベル移動した際にAICLに品番を変更してそこまでの全アルバムが一斉再発された際には今作も一緒に再発された。単に品番が変わったのみで音源はそのまま、リマスターはされていない。
提供曲を多く歌っていた初期のTUBEのシングルを一挙網羅できる1作。デビュー当初からメンバー4人全員が作詞作曲編曲に関与しており、アルバムでの自作採用はあったものの、なかなか採用されず、「SUMMER CITY」でついに自作採用、「Stories」が初の"作詞:前田亘輝、作曲:春畑道哉、編曲:TUBE"という以降の基本編成によるシングルだった。このためこの時期は自作のバンドとして自立するまでの修業時代・アイドル時代とも言われている。
またシングル1枚につきアルバム1枚、しかも夏と冬に毎年アルバム2枚発売、終盤には渚のオールスターズと前田・春畑のソロ活動まで同時進行という殺人的なまでの過密スケジュールで超ハイペースだった。既に9作ものアルバムが出ていただけに10枚のシングルが一挙に聞けるという非常にありがたい1作。織田哲郎が作曲した曲が綺麗に売上トップ3となったが、実際現在でも代表曲になっているくらい、爽やかで非常に耳に残る。また最初に耳に残るのは織田哲郎ナンバーだが、それ以外の曲も馴染んでくるとけっこう良く思えてくるし、けっこうミディアムやバラードなど幅広くやっていたのが分かる。冒頭2曲の外部作家の曲はさすがにノリが独特すぎて面食らうところもあるが、これは派手な路線のサザンオールスターズの線を狙っていたのだろうか。
一方で一切のリマスターがされていないこともあって90年代半ば以降のCDの感覚で聞くと音は貧弱。ボリュームを上げて聞いても「シーズン・イン・ザ・サン」なんかはTVで聞いていたイメージよりも随分と音が絞られて聞こえてしまう。ただこれはリマスターされてないからというより、時代的なものもあって元々そういうアレンジや録音だっただけのようで「ビーチ タイム」辺りでようやくバンド感がもう少し前に出てくるような音作りになっている。
90年代になるとヒット曲を連発するようになったので、90年代当時はこの時期のシングルというと徐々に「シーズン・イン・ザ・サン」以外はそんなに…という知名度になりつつあったので、今作を聞くのはまず「シーズン・イン・ザ・サン」目当てという感覚が強かった。実際『TUBEstV』が出た頃に一気にシリーズ3作を聞いた時も今作はまず「シーズン・イン・ザ・サン」だけ聞いたことがあって、一通り聞いて初期2曲の強いインパクトと「Remember Me」、「SUMMER DREAM」「Beach Time」辺りが次に残ってくるような感じだった。しかし2010年代以降になると「シーズン・イン・ザ・サン」「あー夏休み」がTV出演時の鉄板披露曲になり、これに続くのは90年代のヒット曲より「SUMMER DREAM」や「ビーチ・タイム」という事が多くなってくるなど、徐々に傾向に変化が見られるようになってきた。近年は再び今作を最初の1作に選ぶのもアリになってきたかも…?
なお『Best of TUBEst』ではリマスターされた音源を聞く事ができるのが、10枚のシングルのうち「ビコーズ・アイ・ラブ・ユー」「SUMMER CITY」は未収録となっているので注意。
印象度★★★☆☆
2019.8.22修正