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No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | 好きになってもいいですか? | 尾崎雪絵 | 織田哲郎 | 葉山たけし | 4thシングル 最高47位 売上0.1万枚 |
2 | ただ、あなたのそばで | 遠藤直弥 | 遠藤直弥 | 池田大介 | 6thシングル 最高59位 売上0.18万枚 |
3 | シナモンティー | 高橋久美子 | EIGO | 池田大介 | |
4 | Diamond days〜ココロノツバサ〜 | 唐沢美帆 | SHIBU | 川端良征 | 3rdシングル 最高90位 売上0.09万枚 |
5 | もっと!Darling | 上野優華 | あきひろ | 賀佐泰洋 | |
6 | 幸せの帰り路 | 松浦雄太 | 松浦雄太 | 岩永知佳 | 配信限定シングル 初CD化 |
7 | Winter Kiss | EIGO/FUKI | EIGO/FUKI | EIGO | 2ndシングル 最高98位 売上0.1万枚 |
8 | 1cmの片想い | 井筒日美 | UZA | 時乗浩一郎 | |
9 | Dear my hero | 小山哉枝 | 宇津本直紀/ 岩永知佳 |
岩永知佳 | 3rdシングル両A面曲 |
10 | 星たちのモーメント | 沖田津永 | SHIBU | 葉山たけし | 5thシングル 最高56位 売上0.1万枚 |
11 | 旅立ちハイタッチ | MIZUE | すみだしんや | 華原大輔 | |
12 | すだちパッション | 宇津本直紀 | 鈴木静那 | 清水哲平 | 5thシングル通常盤のみC/W |
13 | 君といた空 | 斉藤栞 | 加藤裕介 | 川端良征 | 1stシングル 最高45位 売上0.17万枚 |
14 | あたたかい場所 | 上野優華 | 村下雅俊 | 池田大介 | 6thシングル両A面曲 |
15 | ありがとうを君へ | 宇津本直紀 | 吉木絵里子 | REO | 1stシングルC/W |
リリースデータ
2016年1月20日 | 初登場70位 | 売上0.11万枚 | KING RECORDS |
上野優華1stアルバム。2012年14歳の頃に開催されたキングレコード主催によるドリームボーカルオーディションにてヤングマガジン賞を受賞。このオーディションは明確なグランプリが存在せずオフィシャルサポーターであるViVi、with、ヤングマガジン3誌がそれぞれの賞を授与する形となっており、ViVi賞が塩ノ谷早耶香、with賞が泉沙世子、ヤングマガジン賞が上野優華でどれが1番という事が無く、3人が並列に扱われていた。塩ノ谷早耶香、泉沙世子は2013年1月に2週連続でデビューしたが、上野優華はそれより遅れて13年7月にデビュー。以降6枚のシングル、配信1作をリリースして今作が発売された。6枚のシングルから10曲、配信シングルのCD化と新曲4曲を収録。4th両A面「大切なあなた」、5th両A面「スローモーション」は本編未収録だが、共にカバー曲。初回盤にはこの2曲と他にC/Wで発表していたカバー3曲、新録音カバー2曲を収録した全7曲のカバーミニアルバム、MVやメイキング、ライブダイジェストなどを収録したBlu-ray、40ページのフォトブックが付属する。
15歳でデビューし、今作時点では17歳。正直全く知らなかったが、DEENは関わっていないがDEENに関わった人たちが大量に参加しているらしいという話を聞いて調べたところ、グッデイ退社後にベルウッドレコードに所属している時乗浩一郎が関わっているためらしいという事が判明。時乗浩一郎はDEENの1stアルバムからディレクターとして関わっていて当時はビーイング所属だったようだが、DEENの移籍後もそのまま一緒に事務所グッデイに所属して、藍坊主らグッデイ所属ミュージシャンのプロデュースやディレクションを行っていた。2011年頃を最後に急にDEENや藍坊主で名前を見なくなったがこの頃にグッデイを辞めていたようだ。元からあまりプロデューサーとして主張しない人なのか、今作にしても実質ほとんどプロデューサーだと思うんだけどレコーディングディレクター扱いでスタッフトップにクレジットされている(プロデューサーは不在扱い)。上野優華も事務所がベルウッドレコードなのでその縁でディレクターになったようだ。
で、出てきているのは上記のように織田哲郎、葉山たけし、池田大介といった90年代ビーイングの筆頭作家陣。さらに元DEENの宇津本直紀も作詞作曲で参加(ドラムはやっていない)しているほか、元チャットモンチーの高橋久美子やソロシンガーとして00年代初頭にヒットを飛ばしたことのある唐沢美帆の名前も。そして演奏陣では多くの楽曲でドラムを担当している小林秀樹はHIDEとして長年DEENのサポートドラマーを担当している。さらに「Dear my hero」でドラムを担当している藤沼啓二は宇津本直紀脱退後のDEENの00年の作品『'need love』やその後のツアーでサポートを担当していたドラマーだ。元DEENのドラマー宇津本直紀の作曲参加した曲のドラムを後任ドラマーの藤沼啓二が担当というのも凄いが、さらにその後任のHIDEが他の曲でドラムを担当(宇津本が作詞した曲は打ち込み)。何でこんな何の関係もなさそうな17歳の女子高生シンガーの1stアルバムにDEENの歴代ドラマーが3人も集結しているのか。
さらに小林秀樹のドラムとほぼセットで参加しているベースの森口翔太。彼はDEENギター田川伸治のソロライブに当時専門学校在学中に見出されて参加し、小林秀樹と共に田川伸治のソロプロジェクトインストバンドTHE SONIC TRICKのメンバーになっていた人物。残念ながらTHE SONIC TRICKは間もなく活動が無くなってしまい、DEENのベーシストは固定で別の人物だったため、彼だけDEENとの接点が無くなってしまって長い年月が経過してしまっていたが、今作への参加は時乗浩一郎人脈からのTHE SONIC TRICK繋がりだったと思われる。
そんなわけで今作の参加メンバーが個人的に何か凄い、ということで聞いてみた。どうやら宇津本直紀は初期から関わっていたようだが、時乗浩一郎人脈が本格的に炸裂したのは4thシングル辺りからだったようで、1st〜3rdシングルまではアレンジャーがギター弾いているだけみたいな全面打ち込み。4thシングル以降は前述の面々が参加した生バンド演奏になっている。作風は通してオーソドックスな90年代ポップス。やや似たようなバラードが多めではあるが、適度に明るい曲や、アイドルポップ風なのもあるので幅は広い。教室主体のラブソングとか夢追いとかキラキラした等身大っぽい10代っぽさが前面に出ている辺りも王道的。ボーカル自体はさすがにボーカルオーディション勝ち抜いただけあって非常に上手で落ち着いているので、アイドルというよりガールポップ風味でもあり、年齢を重ねればそのまま聞かせる系の女性シンガーに移行していけそうでもある。
総じていいにはいいんだけど、個人的には盛り上がりのピークは制作陣と演奏陣の名前を見た時で来てしまい、正直彼らが参加しているから問答無用で名曲になるというわけでもなく、当然普通にはいいんだけど物凄く残る曲があるというほどでは無かったのが正直なところ。現代というよりかは一昔前の王道ガールポップっぽいところもあり、新人なのになんか懐かしいというかもっと2016年よりも遥かに昔の作品を聞いているような感じにもなった。
またどうにも何者なのかがつかみどころが無い。アイドル的な売り出し方が目立つが、アイドルなのかシンガーなのかというより、アイドルなのか声優アイドルなのかっていう。本人声優活動もしているようだけど、女優活動、グラビア活動もやっていて、しかしジャケットの感じとかいかにもバリバリの声優アイドルっぽい。しかし作風は一昔前のガールポップっぽくてアイドルノリは総じて弱め…と、作風と打ち出しているイメージが中途半端で立ち位置が良く分からない事になっているような…。
印象度★★★☆☆
2018.4.2更新