BADモード
No | タイトル | 作詞作曲 | プロデュース | 備考 |
1 | BADモード | 宇多田ヒカル,Jodi Milliner | 宇多田ヒカル,Floating Points | |
2 | 君に夢中 | 宇多田ヒカル | 宇多田ヒカル,A.G. Cook | 21/11/26配信シングル |
3 | One Last Kiss | 宇多田ヒカル | 宇多田ヒカル,A.G. Cook | EP『One Last Kiss』収録曲 |
4 | PINK BLOOD | 宇多田ヒカル | 宇多田ヒカル,小袋成彬 | 21/6/2配信シングル |
5 | Time | 宇多田ヒカル | 宇多田ヒカル,小袋成彬 | 20/5/8配信シングル |
6 | 気分じゃないの(Not In The Mood) | 宇多田ヒカル,Floating Points | Floating Points,宇多田ヒカル | |
7 | 誰にも言わない | 宇多田ヒカル | 宇多田ヒカル,小袋成彬 | 20/5/29配信シングル |
8 | Find Love | 宇多田ヒカル | 宇多田ヒカル,小袋成彬 | |
9 | Face My Fears(Japanese Version) /宇多田ヒカル & Skrillex |
Skrillex,Poo Bear,宇多田ヒカル | Skrillex,Poo Bear,宇多田ヒカル | 22ndシングル 最高6位 売上3.1万枚 |
10 | Somewhere Near Marseilles-マルセイユ辺り- | 宇多田ヒカル,Floating Points | 宇多田ヒカル,Floating Points | |
Bonus Tracks | ||||
11 | Beautiful World(Da Capo Version) | 宇多田ヒカル | 小袋成彬,宇多田ヒカル | EP『One Last Kiss』収録Ver.、19thシングルのリメイク |
12 | キレイな人(Find Love) | 宇多田ヒカル | 宇多田ヒカル,小袋成彬 | 「Find Love」の日本語バージョン |
13 | Face My Fears(English Version) /Hikaru Utada & Skrillex |
Skrillex,Poo Bear,宇多田ヒカル | Skrillex,Poo Bear,宇多田ヒカル | 22ndシングルC/W 英語バージョン |
14 | Face My Fears(A. G. Cook Remix) | Skrillex,Poo Bear,宇多田ヒカル | A.G. Cook | リミックス |
Strings Arrangement:坂東祐大(11)
リリースデータ
2022年1月19日(配信DL/ST) 2022年2月23日(CD) 2022年4月27日(LP) |
初登場1位 | 売上16.8万枚 | Epic Records |
宇多田ヒカル8thアルバム。前作から3年8ヶ月ぶり。EP『One Last Kiss』からは11ヶ月ぶり。前作以降に発表されていた新曲はEP収録曲含めて全て今作に収録された(EP『One Last Kiss』収録曲で今作に収録されなかった曲は既出曲のリマスター)。活動再開以降シングルCDは出していなかったが19年1月のシングルCD『Face My Fears』は08年以来のシングルCDとなった。これ以外は再度配信シングルとなり、4作の配信シングルをリリース。EP『One Last Kiss』はCDでも発売され、今作にもメイン曲「One Last Kiss」を収録。本編は10曲で、ボーナストラックとしてEP『One Last Kiss』に収録していた「Beautiful World(Da Capo Version)」、全英語詞の「Find Love」の日本語バージョン「キレイな人(Find Love)」、C/Wの「Face My Fears(English Version)」、リミックス音源「Face My Fears(A. G. Cook Remix)」を収録。
初回盤は「Hikaru Utada Live Sessions from Air Studios」12曲と「Behind The Scene "Live Sessions from Air Studios"」、5曲のMV(「Time」「One Last Kiss」「PINK BLOOD」「君に夢中」「BADモード」)を収録したDVD+Blu-ray付。DVD付、Blu-ray付でそれぞれ発売されるのではなく同内容のDVDとBlu-rayが両方付属する仕様。
前作まではCD発売からかなり遅らせてストリーミングを解禁するスタイルだったが(前作は18年6月発売で、19年1月の『Face My Fears』と同時に解禁したので半年以上引っ張った)、今作は逆に1ヶ月前にDL/STを先行配信した。この影響もあってCD売上は前作から一挙半減し初動売上はついに10万枚を割りこむ結果となった。さらにCDから2ヶ月後の4月にはLPでも発売。
今作には英語詞の曲もあり、Utadaと宇多田ヒカルを分けていない初のバイリンガルアルバムとも位置づけられた。日本向け海外向けも意識せずにハイブリッドな感じの音楽が展開していて基本的にはスッキリとした打ち込み中心でスーッと流れていく感じだが、J-POPとは一線を画すような雰囲気。たぶんプロリスナーはみんなJ-POPの枠を越えたとか先を行っているとかさすが宇多田ヒカルだと大絶賛するやつで、実際に最先端な感じはするし凄い気もする。ただ2020年以降どのミュージシャンもしんどい中でせめてリスナーには少しでも明るい気分にという意向で明るめの作風に仕上げる傾向がある中で、ストレートにBADモードである。BADモードとしか言いようがない状態が続く3年目にBADモードである。そりゃ誰もがきっとそうなんだけどBADモードって身も蓋も無い。
別に取り立てて暗い気分になるアルバムではないが、当然明るくもならない。タイトルで思うほどBADな気分にならなかったのは良かったが、典型的ななんかスゲー気がするけど良く分からないタイプのアルバム。これはとにかく革新的で凄いアルバムだとかJ-POPの新たなる歴史が始まる予感がするとか絶賛ムードに乗ってなんとなくそうなんだろうなぁという感じもしてくるのでそんな感じで無難な感想の締めとしようかと思っていたらふとジャケ写が目に入った。「あんた本当に分かってる?」と通常盤ジャケット写真のような顔で真に問いかけられれば言葉に詰まり、すいません分かったフリしてましたァ…良く分かりませんでしたァ!と土下座謝罪するしかなくなるような…そんなジャケット写真である。そういう高度なアルバムだと思う。
前々作がかなり静かに歌い上げる感じで前作はただ地味だった印象が残っているが今作は初期のR&Bと中期のエレクトロを混ぜ合わせてより発展させつつ前作よりは1曲の引っ掛かりは強いかとは思う。あとは歌声の魅力というか引き込まれる要素は以前よりも磨かれているように聞こえるのはボーカルの進化か、バックの音やメロディーがそうさせているのか。
「気分じゃないの(Not In The Mood)」が7分半もあるのも長いが最後を締める「Somewhere Near Marseilles-マルセイユ辺り-」は12分もあってこれはかんりしんどかった。ボーナストラックまで加えると73分の長尺アルバムになってしまうが、ボーナス4曲はどれもの別バージョンなので本編10曲と考えればまあ…といったところか。完全なるリミックス「Face My Fears(A. G. Cook Remix)」だけは無くても良かった気もしなくもないが…(後から単品で配信して限定アナログ盤シングルにでもすればマニアは飛びつくんじゃね?っていう)。
印象度★★★☆☆
2022.3.12更新
※今作はAmazon Musicのみで視聴したためCD(ブックレット)を手に取っていませんが、宇多田クラスになると演奏ミュージシャンどころかエンジニアまで項目作ってwikiにビッシリ掲載されているのでそちらを参照しています。