DEEP RIVER
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | SAKURAドロップス | 宇多田ヒカル | 宇多田ヒカル | 宇多田ヒカル&河野圭 | 11thシングル 最高1位 売上68.7万枚 |
2 | traveling | 宇多田ヒカル | 宇多田ヒカル | 河野圭&宇多田ヒカル | 9thシングル 最高1位 売上85.6万枚 |
3 | 幸せになろう | 宇多田ヒカル | 宇多田ヒカル | 河野圭&宇多田ヒカル | |
4 | Deep River | 宇多田ヒカル | 宇多田ヒカル | 河野圭&宇多田ヒカル | |
5 | Letters | 宇多田ヒカル | 宇多田ヒカル | 河野圭&宇多田ヒカル | 11thシングル両A面曲 |
6 | プレイ・ボール | 宇多田ヒカル | 宇多田ヒカル | 河野圭&宇多田ヒカル | |
7 | 東京NIGHTS | 宇多田ヒカル | 宇多田ヒカル | 河野圭&宇多田ヒカル | |
8 | A.S.A.P. | 宇多田ヒカル | 宇多田ヒカル | 本田Larry優一郎 | |
9 | 嘘みたいなI Love You | 宇多田ヒカル | 宇多田ヒカル | 河野圭&宇多田ヒカル | |
10 | FINAL DISTANCE | 宇多田ヒカル | 宇多田ヒカル | 河野圭&宇多田ヒカル | 8thシングル(リメイクカット) 最高2位 売上58.2万枚 2ndアルバム『Distance』収録曲「DISTANCE」のリメイク |
11 | Bridge(Interlude) | 宇多田ヒカル | 河野圭&宇多田ヒカル | インスト | |
12 | 光 | 宇多田ヒカル | 宇多田ヒカル | 河野圭&宇多田ヒカル | 10thシングル 最高1位 売上59.8万枚 |
additional rhythm arrangemet:河野圭&宇多田ヒカル(8)
Strings Arrangemet:河野圭(7)、本田Larry優一郎(8)、斎藤ネコ(10)
リリースデータ
2002年6月19日 2022年3月10日(LP) |
初登場1位 初登場13位 |
売上360.5万枚 売上0.6万枚 |
Produced by 三宅彰, 宇多田ヒカル&宇多田Sking照實(2,3,4,5,6,,8,9,10,12) | 東芝EMI |
宇多田ヒカル3rdアルバム。前作以降の4シングルA面5曲を収録。「FINAL DISTANCE」は前作収録曲をリアレンジしてのシングルカットだったが、大幅なリアレンジが施されタイトルも変更されてのリメイクだったためか普通に収録された。4シングルのC/Wは全てリミックス(と8thには「DISTANCE」原曲のシングルカット)で新曲が無かったので今回はC/Wの収録はない。1ヵ月前の先行シングル「SAKURAドロップス/Letters」の発売直前に、4月に良性の卵巣腫瘍の手術を受けていた事、その薬の副作用が予想以上に酷かったため休養を取ると発表された。このため以降のシングルのプロモーションは中止となり、今作に関しては発売延期はされなかったが本人稼働によるプロモーションは全く行われなかった。休養発表翌日には「笑っていいとも!」のテレフォンショッキング出演を控えていたが、父の照實が代わりに出演。そのままライブやCDリリースは03年1月まで無かったが、今作発売3ヶ月後の9月には「FINAL DISTANCE」以降のMVを担当していた紀里谷和明との結婚を発表した。
前2作には及ばなかったものの、急速にCDが売れなくなりCCCD導入へとレコード会社が焦りを見せ始め、ミリオンセラーすら激減する中で余裕の300万枚突破という異次元の売上を記録。なお東芝EMIは積極的にCCCDを導入する姿勢を取っていたが、宇多田照實が実際に聞き比べたところ音質が劣化したとしてCCCD採用を拒否し続け、宇多田ヒカルの作品においてはCCCDは1度も採用されることはなかった。この時点でも一部ミュージシャンによるCCCDの音質への影響は懸念されていたが宇多田ヒカルが(正確にはプロデューサーである父親が)CCCDの音質劣化を早い段階で明言したことは大きなトピックとなり、当時増えていたCCCDの問題点を追及するサイト等でも積極的に取り上げられる案件となった。CCCDへ疑問を投げかけたり、初めて問題点に気づくアーティストやプロデューサーも増えていった。
今作では全面的に河野圭と共同で宇多田ヒカル本人がアレンジに参加。Basic Programmingというクレジットもされていて、前作では一部に留まっていたプログラミング、アレンジへさらに本格的に関与するようになった。これに伴ってかプロデュースにも名前が入るようになった。未だ最初の衝撃と宇多田=R&Bというイメージは強く、完全に払拭するほどでは無かったとはいえ、今作ではR&Bに捉われず独自の音楽性を発展させていっているような印象。活動休止により本人不在のような状態で発売されたのとジャケットからブックレットまで全部モノクロなのが重なってこれじゃ遺影みたいだという声もあったが(不謹慎)、そのせいばかりではなく全体通してやや暗め。明るい「traveling」が少し浮いているくらいの勢いでシリアス度が高い。
相変わらずシングル始まりな上にアルバム曲でリードするような曲が無い印象で全体に地味なアルバムだとは思う。ただリアルタイムではまだ宇多田苦手意識が強かった中でも「SAKURAドロップス」とか「光」はそんなマイナス印象の状態でもいい曲だと思えたくらい何かが変わってきた感じはあった。独特の影というか味というか、宇多田ヒカル特有の聞き手の心に訴えかけるような不思議な空気は前2作よりも強まり、1つの高みに到達したようにも感じられる。
印象度★★★★☆
2017.1.3更新