First Love

No タイトル 作詞 作曲 編曲 備考
1 Automatic-Album Edit- 宇多田ヒカル 宇多田ヒカル 西平彰 1stシングル 8cm盤 最高4位 売上77.2万枚
12cm盤 最高2位 売上129.1万枚
2 Movin' on without you 宇多田ヒカル 宇多田ヒカル 村山晋一郎 2ndシングル 8cm盤 最高5位 売上34.7万枚
12cm盤 最高1位 売上88.0万枚
3 In My Room 宇多田ヒカル 宇多田ヒカル 村山晋一郎  
4 First Love 宇多田ヒカル 宇多田ヒカル 河野圭 3rdシングル(カット) 8cm盤 最高6位 売上30.3万枚
12cm盤 最高2位 売上50.1万枚
5 甘いワナ〜Paint It,Black 宇多田ヒカル
〜Mick Jagger&
Keith Richards
宇多田ヒカル
〜Mick Jagger&
Keith Richards
西平彰 The Rolling Stonesの「Paint It,Black」を一部引用
6 time will tell 宇多田ヒカル 宇多田ヒカル 森俊之、磯村淳 1stシングル両A面曲
7 Never Let Go 宇多田ヒカル 宇多田ヒカル 河野圭  
8 B&C-Album Version- 宇多田ヒカル 宇多田ヒカル 西平彰 2ndシングルC/W
9 Another Chance 宇多田ヒカル 宇多田ヒカル 西平彰  
10 Interlude       16秒のインスト
11 Give Me A Reason 宇多田ヒカル 宇多田ヒカル 西平彰  
Bonus Track
12 Automatic-Johnny Vicious Remix- 宇多田ヒカル 宇多田ヒカル   リミックス 

addtional arrangement by 河野圭(1)
rhythm arrangement by Taka & Speedy(1,8,9)
string arrangement by 河野圭(4)

※シングルは8cmCDと12cmCDで発売されていたが、8cm盤にはカラオケ収録、12cm盤は代わりにリミックスを収録して内容が異なっていた事もあってO社では当時2種を別々に集計ランクインさせていた。後年になると複数商法が常態化したためこの別集計ルールは緩和され、現在歴代ランキングなどを提示する際は合算した数字で扱っている。ただし宇多田ヒカル自体は8cmと12cmの2種発売は3rdまでで辞めており、以降は12cmのみでの発売となった。また00年になると8cmCDは一気に滅亡状態となり総マキシ状態となったが、この1st〜3rdや同時期に同じことを行っていたアーティストでもいずれも12cm盤が大きく売れたため、それを受けて業界全体で一気にマキシへ移行する事になったとも言われている。

リリースデータ

1999年3月10日
2014年3月10日(15th Anniversary Edition)
2022年3月10日(LP)
初登場1位
初登場9位
初登場10位
売上765.1万枚
売上2.2万枚
売上1.8万枚
Produced by 三宅彰, 宇多田Sking照實 東芝EMI

宇多田ヒカル1stアルバム。98年12月に「Automatic」でデビューすると間もなく大ヒットを記録し、続く「Movin' on without you」も大ヒットを記録する中で発売。初動だけで270万枚を突破、2週連続1位、2週連続2位、2週連続1位、2週連続2位、2週連続1位…と1位と2位を綺麗に2週ずつループして合計6週1位(2位もその後2回ランクインして合計6回)となった。当時ほぼ毎年のように更新されていたアルバムの売上記録はB'zが前年に史上初の500万枚突破をベスト盤『Pleasure』で達成したばかりだったが、歴代1位突破、初の600万枚突破、初の700万枚突破と連続で記録をぶち抜き、突破後いずれも破られていないダントツの歴代最高売上を樹立した。当時はO社の集計範囲が100位までで00年頃までは連続ランクイン、そこからは断続的に02年までで合計83週ランクイン、300位までに拡大した03年に2週だけ300位以内へランクインしたため登場週数は85週とされている。このため300位集計だったらもっと爆発的に伸びていたと思われ、実際にEMIは800万枚出荷を突破したと発表している。

発売からピタリ15周年となる2014年3月10日には15th Anniversary Editionとしてリマスター再発された。この際にはボーナストラックの「Automatic-Johnny Vicious Remix-」は本編から削除され、全11曲仕様となった。2種での発売で、「Automatic-Johnny Vicious Remix-」はDVD付の15th Annivesary Editionには未収録となっているがDeluxe EditionのボーナスDISCの1曲目に収録された。

98年のMISIAのヒットという下敷きはあったが、突如現れて大ヒットし、これまでのヒットシーンとは全く異なるクールで洋楽っぽい曲調R&Bと紹介され、ヒットシーンの様相をガラッと変えてしまった。TKブームを強制終了させ、焦ったTKは迷走、ビーイングはGIZAへと移行して倉木麻衣で1年後には対応・便乗、チッチキタカタカとした軽いトラックをバックに歌いあげるR&B調の新人が蔓延し、売れないシンガーだった平井堅はR&Bの男性シンガーのポストがまだ空席だと目をつけて「楽園」でブレイクするなど、様々な影響を与えた。

当時それまでのヒットシーンが好きだったため、強烈な拒否反応を起こし、特に「Automatic」は聞くたびにヒットシーンを変えてしまった元凶として忌み嫌っていたのが個人的な記憶だ。以前のベスト盤の感想や対談レビューでの発言からこのサイトの人は宇多田が嫌いとして認識している古株の読者さんも多いと思われるが、年月は経過している。ベスト盤の感想は一新され、対談レビューもかなり古くなっている。その時点でも嫌い"だった"と過去形であり、嫌いだったというのは99年当時の話だ。現在は特に好きでも嫌いでもない

とにかくなんか凄いらしいという感じでみんな聞いていたが1番好きなアーティストが宇多田ヒカルだという友人は一切おらず、流行っているから聞いておかなくては…でもなく、もう自然に入ってくるので聞いているという感じ。TVに出れば軒並み番組最高視聴率を更新する始末だったが、正直みんな集団催眠にでもかかっているんじゃないか(99年は映画『催眠』がヒットしていたので安直な発想)と割と本気で思っていたそんな当時は中2〜3。カーネル・S・マルオ氏の親もまた765万人の1人という事で発売からしばらくしてカーネル・S・マルオ氏の家の車のカーステレオで流し聞きしたことはあったが、ちゃんと聞くのは発売から17年8ヶ月ほど経過して初めてである。

当時は衝撃だったんだろうけど今は別にそんなに珍しくもないJ-POPとして普通に聞ける。作りこまれたトラックも気合が入っていて洋楽的なカッコよさを適度に感じられつつ、キャッチ―な歌メロもあってするっと聞けてしまう。とにかくクールでカッコいい感じで統一されているので、ファッション感覚的に捉えても何だか宇多田を聞いてる自分センスがあるみたいな優越感に浸れる空気も当時あったと思う。

ただ当時からの疑問の1つでもあったんだけど、凄い凄い言われている割にシングル曲以外話題になってなくね?他のアーティストではよくあるシングル以外で名曲として広く認知されている曲って無くね?っていうところに関しては…コアなファンの間では共通認識で人気曲があるのかもしれないが、シングル以外の人気曲があまり見えてこない。凄いとか衝撃だったとか出現や存在そのものに関する賞賛の声は多いのに。

実際シングル3曲が凄く強く、両A面の「time will tell」でも一段落ちる印象だし、アルバムも全体通してはクールでカッコいい雰囲気だけどこれぞという曲は特にないかなと思う。しかも冒頭2曲がその強いシングル2曲、1曲挟んでシングルカットされたタイトルナンバー「First Love」が出てしまうので、かなり出オチ感が強い典型的なシングルアーティストアルバムだったりする。いくら天才ともてはやされようとも普通に考えれば制作時15〜16歳の少女の1stアルバムという事を考えればまあ当たり前で、実際2nd、3rd、4thと出すたび売上は落ちてもクオリティは上がっていく。あまりに売れすぎてとにかくとんでもないアルバムらしいという先入観ばかり膨らんでしまうけど、今作は別に最高傑作でも何でもないあくまで始まりの1stアルバムでしかない。シングル3曲だけでもインパクトは絶大だ。そう考えれば十分凄い

B00000JAT7   B00H4NUWAO15th Anniversary Deluxe Edition  B00H4NWL6M15th Anniversary Edition  

印象度★★★★☆

2016.12.8更新

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