This Is The One

No タイトル クレジット 備考
1 On And On Utada,S.Hall,C.Stewart  
2 Merry Christmas Mr. Lawrence -FYI Composed by Ryuichi Sakamoto 坂本龍一の「Merry Christmas Mr. Lawrence」を引用した新曲(カバーではない)
3 Apple And Cinnamon Utada,M.S.Eriksen,T.E.Hermansen  
4 Taking My Money Back Utada,C.Stewart  
5 This One(Crying Like A Child) Utada,M.S.Eriksen,T.E.Hermansen  
6 Automatic Part U Utada,S.Hall,C.Stewart  
7 Dirty Desire Utada,C.Stewart  
8 Poppin' Utada,M.S.Eriksen,T.E.Hermansen  
9 Come Back To Me Utada,M.S.Eriksen,T.E.Hermansen 先行配信シングル
10 Me Muero Utada,M.S.Eriksen,T.E.Hermansen  
extra remix tracks for this disc only(日本盤限定ボーナストラック)
11 Come Back To Me
(Seamus Haji & Paul Emanuel Radio Edit)
Remix by Seamus Haji & Paul Emanuel リミックス
12 Come Back To Me
(Quentin Harris Radio Edit)
Remix by Quentin Harris リミックス

リリースデータ

2009年3月14日(日本)
2009年3月24日(海外配信)
2009年5月12日(海外CD)
初登場3位 売上24.3万枚 ユニバーサル

Utada2ndアルバム。『Exodus』以来4年半ぶりのアルバム。08年に宇多田ヒカルとしてリリースした『HEART STATION』からは1年ぶり。先行配信シングルとして「Come Back To Me」が日本では発売1週間前に、アメリカでは2月に発売された。シングルはCDでの発売は無く配信のみ。今作は日本では配信・CD同時発売だったが海外では10日遅れて配信でのみリリースされ、2ヵ月近く経過してからCDで発売されている。海外盤は曲順が異なるほか、ボーナストラックにはシングル「COLORS」C/Wで元々英語詞だった「Simple And Clean」、ゲーム「キングダム ハーツ」シリーズで使用されていたので海外で知名度が高かった「Sanctuary」(シングル「Passion」C/Wに収録されていた「Paassion」の英語バージョン)を収録している。

前作時、全米デビューを大々的に騒ぐも結果が思わしくなかったためか、今作発売時は国内でもそこまで大きく騒がれなかった。このためかアルバムで初めて1位を逃し前作初動の半分以下、前年の宇多田ヒカルの『HEART STATION』の1/4程度の売上に留まった。非公認ベスト『Utada The Best』と『First Love』の15周年盤を除くと宇多田ヒカル、Utadaの全アルバムで今作がワースト売上となっている。一方で配信リリース時にはアメリカのiTunes Store Album Chartで総合部門19位、ポップス部門2位を記録した。またビルボードでは配信のみで178位を記録し、CD発売後には69位を記録するなど、海外では前作を上回る結果を残した

前作が騒ぎ過ぎだったというのもあるが比較的淡々と発売され、国内ではあまりヒットしなかった印象のある今作。発売日が土曜日だったので集計が不利だったのを差し引いても最終的な累計売上でもこの週の1位であるレミオロメン『レミオベスト』に数万及ばず、2位のRADWIMPS『アルトコロニーの定理』と翌週の1位であるDREAMS COME TRUE『DO YOU DREAMS COME TRUE?』を数万上回る程度なのでどっちみち1位は逃していたと思われる。さらに前作では気合の入ったライナーや本人参加の対談まで封入されていたのに、今作は妙に淡々としており、単に日本語訳が掲載されたブックレットが付属するのみで解説無し。輸入盤に比べて高いのに日本盤で解説も無いとかかなり味気ない。しかも結局今回も単発でこれ1作で海外展開がまた終わってしまったので(今度は人間活動宣言で音楽活動自体を止めてしまったわけだけど)、なんか今回も失敗したみたいなイメージが勝手に独り歩きしてしまい、前回よりは全米のチャートで結果を残したという事もあまり知られていない始末。

そんな今作だが、前作よりも好感触。細かいところやジャンルは分からないが、シンプルなR&B調といった感じで、宇多田ヒカルよりやはりクールでいかにも洋楽といった感じはするんだけど、スッキリとした味わい。今作を聞くと前作って随分こねくり回していたんだなと改めて感じる。日本語で言う「戦場のメリークリスマス」を引用した「Merry Christmas Mr. Lawrence -FYI」は東洋の神秘という感じがして、もっとこういう東洋っぽさを打ち出した曲があってもいいのになとは思ったけど個人的にはCubic Uも含めて洋楽3作の中では最も聞きやすくていいと思えた。また「Automatic Part U」なんていう「Automatic」の続編を思わせる曲もあるが、メロディーにしてもアレンジにしても「Automatic」とは似ても似つかない感じでなんでこれがパート2なんだろうという気は正直した。

This Is The One日本盤  This Is The One海外盤 

印象度★★★☆☆

2017.1.27更新

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