砂時計
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | 夏の日の恋 | 宇徳敬子 | 宇徳敬子 | 池田大輔 | 1stシングルC/W |
2 | きれいだと言ってくれた | 川島だりあ | 川島だりあ | 池田大輔 | コンピ盤『HOTEL WOMAN Original Soundtrack』収録曲 ニューバージョン |
3 | まぶしい人 | 宇徳敬子 | 栗林誠一郎 | 葉山たけし | 2ndシングル 最高14位 売上20.9万枚 |
4 | どこまでもずっと | 宇徳敬子 | 宇徳敬子 | 明石昌夫 | 4thシングル 最高25位 売上9.8万枚 |
5 | 蒼い時刻 | 宇徳敬子 | 宇徳敬子 | 池田大輔 | |
6 | 愛さずにはいられない | 宇徳敬子 | 多々納好夫 | 池田大輔 | 3rdシングル 最高10位 売上14.7万枚 |
7 | FARAWAY | 宇徳敬子 | 宇徳敬子 | 明石昌夫 | |
8 | 坂道 | 宇徳敬子 | 宇徳敬子 | 池田大輔 | |
9 | Good-by morning | 庄野真代 | 中島薫C.A. | D.N. | 宇徳敬子&近藤房之助 シングル サンディーのカバー ニューバージョン(宇徳敬子ソロVer.) |
10 | あなたの夢の中 そっと忍び込みたい | 宇徳敬子 | 織田哲郎 | 葉山たけし | 1stシングル 最高17位 売上13.5万枚 |
リリースデータ
1994年10月10日 | 初登場1位 | 売上40.6万枚 | Produced by B・M・F | ZAIN RECORDS |
宇徳敬子1stアルバム。1990年にB.B.クィーンズのコーラス担当としてデビュー、翌91年にコーラス隊3人によるMi-Keとしてデビューして活動していたが、91年以降コンピ盤ではソロ名義での楽曲も発表されていた。92年11月のシングル「Good-by morning」は宇徳敬子&近藤房之助でのリリースとなり、93年8月4日に「あなたの夢の中 そっと忍び込みたい」で単独ソロデビューを果たした。一方で所属していたグループのB.B.クィーンズは92年を最後に自然消滅、Mi-Keは同年12月のアルバムを最後に自然消滅となり、ソロデビューと前後してソロ活動へと一本化していった。4シングルとC/W1曲を収録。Mi-Ke以外で初のソロ名義音源だったコンピ盤『HOTEL WOMAN Original Soundtrack』収録曲「きれいだと言ってくれた」、「Good-by morning」はニューバージョンと帯に記載(「Good-by morning」は近藤房之助が消え去っておりソロバージョン)。既にソロの方が売れていてトップ10前後で10〜20万ヒットを飛ばしていたが今作では結果的にソロ唯一の1位を記録して40万越えの自身ダントツ最大ヒットとなった。
池田大輔は池田大介と同一人物だが、誤植されたのをきっかけに宇徳作品では池田大輔名義に通すようになったと言われている。「Good-by morning」の編曲は長戸大幸だったがこの時点で既に引退して名前を隠すようになっていたためか、イニシャルD.N.名義で表記されている。
演奏ミュージシャンはドラムに渡嘉敷祐一、ベースに明石昌夫、岡沢章、岡沢茂、渡辺直樹、アコースティックギターに吉川忠英、エレキギターに増崎孝司、葉山たけし、鈴木英俊、中島正雄、ピアノに富樫春生、中西康晴、難波弘之、サックスに勝田一樹、古村敏比古、コーラングレに槇智子、コーラスに栗林誠一郎、宇徳敬子と一括クレジットされていてどの曲に参加しているかは表記されていない。
1作ごとのパロディ的なコンセプトやアイドル要素が強かったMi-Keとは打って変わってソロでは落ち着いた歌謡ポップス路線。特に今作は落ち着きまくっていて「坂道」だけはそんな中で少し力強さも感じるもののほぼ全編静かなミディアム〜バラードでひたすらゆったり聞かせる。綺麗で温かみのあるボーカルを生かした形ではあるがさすがに起伏が無さすぎてほとんど全部同じような曲に聞こえてきてしまうところもある。ドラム含めてミュージシャンをけっこう集めて生バンド中心に制作しているようで比較的丁寧で上質な音作りはしているように聞こえる。落ち着いた作風なので過度なアーリー90'sなシンセ音なんかは無いとはいえ、やはり今作は90年代前半の歌謡ポップという印象ではある。90年代後半に突入する2nd,3rdで一気に洗練されていくので今作だけは少し方向性が違う感じもする。
またシングル3作までは表題曲は提供曲、C/Wでは作曲も自身で行うという体制だったが4thシングルで自作となり、新曲3曲も自作、これ以降は本格的にシンガーソングライターとなって自作が基本となった。なかなかに強烈なB.B.クィーンズ、Mi-Keという激動のグループ活動を経てシンガーソングライター宇徳敬子が本格的に始まった記念すべき1作でもある。今作では提供曲の歌謡曲的な方向性にまだ引きずられていて独自性を出すには至ってないというのもあったのかも。
しかし今となっては今作がO社1位獲得の大ヒット作品だったというのはかなり意外だ。今作の1位に貢献した人たちはどこから湧いてどこへ行ってしまったのだろう。
印象度★★★☆☆
2021.11.17更新