W-NAO

No タイトル 作詞 作曲 編曲 B'z原曲 備考
1 君の中で踊りたい 稲葉浩志 松本孝弘 池田大介 2ndシングル 3rdシングル 100位圏外
2 太陽のKomachi Angel 稲葉浩志 松本孝弘 池田大介 5thシングル 2ndシングル 100位圏外
3 ALONE 稲葉浩志 松本孝弘 増田隆宣 9thシングル  
4 VAMPIRE WOMAN 稲葉浩志 松本孝弘 増田隆宣 4thアルバム『RISKY』収録曲 3rdシングルC/W
5 LADY NAVIGATION 稲葉浩志 松本孝弘 増田隆宣 8thシングル  
6 今では…今なら…今も… 稲葉浩志 松本孝弘 大堀薫 3rdアルバム『BREAK THROUGH』収録曲  
7 HEY BROTHER 稲葉浩志 松本孝弘 大堀薫 3rdアルバム『BREAK THROUGH』収録曲  
8 孤独のRunaway 稲葉浩志 松本孝弘 池田大介 3rdミニアルバム『MARS』収録曲 1stシングル 最高97位 売上0.2万枚
9 HOT FASHION〜流行過多〜 稲葉浩志 松本孝弘 池田大介 4thアルバム『RISKY』収録曲 2ndシングルC/W
10 HURRY UP! 稲葉浩志 松本孝弘 池田大介 2ndアルバム『OFF THE LOCK』収録曲 1stシングルC/W
11 もう一度キスしたかった 稲葉浩志 松本孝弘 大堀薫 5thアルバム『IN THE LIFE』収録曲  

リリースデータ

1992年7月22日 100位圏外 Produced by 長戸大幸 Bi-ta-ming(テイチク)

メンバー

網浜直子
飯島直子

W-NAO唯一のアルバム。92年3月にデビュー。全曲B'zカバーで活動しており、シングル3枚リリース後に今作が発売された。3シングル6曲全て新たなB'zカバー5曲を収録。活動開始前年である1991年までのB'z楽曲がカバーされており、1992年になってからの最新曲は取り上げていなかった。1stシングルがギリギリでランクインした以外は100位圏外となり、今作も100位圏外。結果的にB'zカバー企画は今作で終了した。W-NAOの活動は1994年は何もなく、1995年にビーイング制作のまま日本コロムビア(B-C)に移籍してオリジナルシングル「Rescue me」をリリースしたがそのまま自然消滅した。

同じ名前の2人は当時同じ事務所(ビーイング系のオフィス・フットワークス)で同じ1968年生まれ。飯島が2月生まれ、網浜が8月生まれなので学年は飯島が1つ上、1stシングルから今作までの間は網浜23歳、飯島24歳であった。同い年ながらキャリアは網浜の方が遥かに長く85年デビュー、85〜87年にかけてアイドルソロシンガーとしてレコードもリリースしていた。飯島も88年にタレントデビューは果たしていたが俳優デビューしたのはオフィス・フットワークスに移籍していた前年1991年であり、俳優としては新人であった。しかし飯島はこの後90年代後半以降に連ドラ主演級の人気俳優へと上り詰めた。2000年に飯島が内村光良と主演だった月9ドラマ『バスストップ』には網浜もサブで出演していて共演している。

W-NAOを知ったのも中原薫や七緒香と同様で2003年のコンピ盤『vocal compilation 90's hits vol.2〜female〜 at the BEING studio』で、B'zカバーだけやっていたという謎の活動形態と飯島直子が過去にそんな活動をしていたのに驚いた。網浜直子はあまり意識してドラマで見た事が無く知らなかったが、90年代後半〜00年代前半に小学校高学年〜高校生が直撃した世代にとっては飯島直子は連ドラ常連の主演級人気俳優であり(30歳前後の頃)、割と誰もが知っている存在だったので過去にB'zカバーユニットなんてやっていた事に驚いた次第。

1991〜92年当時のB'zはブレイクしてミリオン常連のトップミュージシャンへと駆け上がった時期だったが、そんな時期に元アイドル歌手上がり俳優と売り出し始めたばかりの俳優を同い年で同じ名前だからとそのままなW-NAOとしてB'zカバー専門の歌手活動をさせるとはプロデューサーの慧眼もなかなかありえないところを突いている。結果だけ見ると大失敗であり、思い付きでやってみただけの珍企画の1つになってしまったのは否めない。90年代はとにかく凄かった事が語られているがそれは今なお生き残った成功者が語っているものであってプロデューサーの慧眼も毎回大当たりというわけではなかったのだ。松本孝弘のキャッチーなメロディーは歌い手が変わっても通じるというのと、それでもやはり稲葉浩志のボーカルがあってさらに輝くという事、明石昌夫のアレンジを気に入ったプロデューサーが他のアレンジャーにも明石のアレンジを参考にしろと言っていたらしいのでまさにそれをそのままここで3人のアレンジャーに実践させたという点では価値はあったのかもしれない。

ほぼ原曲イメージを崩さないアレンジにそのまま乗っかる2人のボーカルは2人とも割とパワフル姉御系。大黒摩季やMANISHへ通じていく系統で(今作には坪倉唯子、大黒摩季、牧穂エミがコーラス参加)、当時のプロデューサーはこういう姉御気質なボーカルを好んでいたのだろうか。KANONJI以降とはだいぶ声質の好みも変わっているような…あかさらまな顔採用っぽくなる。そんなわけで悪くはないのだが姉御2人の超高級プロオケによる贅沢B'zカラオケ(2000年代前半頃までのカラオケは現代のような生音仕様ではなくチープなMIDI音源だった)と言ってしまえばそれまででもある珍作。こういう遊び心で本格的に歌手デビューさせてしまえる時代ではなくなり、やりたいなら「歌ってみた」で済ませてしまうようになった現代だからこそ、ここまで商品として体裁整えてこんな作品が形として残っている事には価値があるし、面白いと思う。

B00005GCBF 

印象度★★★☆☆

2022.10.6更新

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