spilt milk
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | Shake it | 矢作萌夏 | 矢作萌夏 | 宗本康兵/矢作萌夏 | |
2 | Don't stop the music | 矢作萌夏 | 矢作萌夏 | 宗本康兵/矢作萌夏 | 7/5配信シングル |
3 | Be My Self | 矢作萌夏 | 矢作萌夏 | 宗本康兵/矢作萌夏 | |
4 | ピーターパン | 矢作萌夏 | 矢作萌夏 | 宗本康兵/矢作萌夏 | |
5 | 夏のソーダ | 矢作萌夏 | 矢作萌夏 | 宗本康兵/矢作萌夏 | |
6 | 恋のスパイス | 矢作萌夏 | 矢作萌夏 | 宗本康兵/矢作萌夏 | |
7 | アンコール | 矢作萌夏 | 矢作萌夏 | 宗本康兵/矢作萌夏 |
リリースデータ
2023年10月25日 | 初登場85位 | 売上0.08万枚 | ポニーキャニオン |
矢作萌夏1stEP。2018年1月に開催された『第3回AKB48グループドラフト会議』でAKB48に加入、同年12月には正規メンバーに昇格し、同時期のシングル『NO WAY MAN』Type-DのみC/W「最強ツインテール」(U-16選抜2018名義)でいきなりセンターに抜擢されると2019年1月には最速でソロコンサートを開催。2019年3月のシングル『ジワるDAYS』で初選抜、Type-BのみC/W「初恋ドア」(坂道AKB)にも選抜され、劇場盤のみC/W「屋上から叫ぶ」(Sucheese)では自身の当時の口癖からユニット名がつけられてセンター、2019年9月のシングル『サステナブル』では表題曲センター、同時期に開催されていた『第2回 AKB48グループ 歌唱力No.1決定戦』では優勝をかっさらい、猛烈な勢いで出世街道を爆走したが直後にまさかの卒業を発表。歌唱力No.1決定戦の優勝特典となるはずだったソロ曲は準備すらされないままに立ち消えになるという異例の事態となった。
翌2020年にはエイベックス所属になった事が発表されたが、世は自粛まっしぐらの世界へと変異しており、これといった活動が無いまま2021年10月にエイベックスから離脱。以降は引退状態となり姿を見せていなかったが、『歌唱力No.1決定戦』時点で審査員だった井上ヨシマサやゴスペラーズ黒沢薫らから音楽活動の継続を強く勧められており、とくに井上ヨシマサは自らの機材を譲ったり自宅まで来て曲作りのノウハウを伝授してくれたという。旅館での住み込みのバイトをしたりしながらも曲作りを学習していき、2023年5月に21歳の誕生日となる7月5日にライブを行う事を発表。当日に公式サイトがオープンし、「Don't stop the music」が配信されてソロでの音楽活動を開始した。今作が最初のCD作品となる。全曲の作詞作曲編曲を担当。編曲は宗本康兵との共同名義。
初回盤は「Shake
it」、「Don't stop the music 」のMVやアルバムメイキング、1stライブドキュメント&ライブ映像をのNeSTREAM
LIVE、フォトブック付。NeSTREAM LIVEはDVDやBlu-rayではなくストリーミング再生で視聴できるシステムで2026年10月25日までの期間限定となっている。
通常盤はCDのみ。
AKB48では史上最大の猛プッシュで一気に売り出そうとしていたように逸材っぽさはあっただけに即卒業は衝撃だった。合計5曲(3シングル)しか参加しなかったセンター経験者なんて前代未聞だし、5曲のうち3曲がセンターというのも凄い…。正直あまり印象は良くなかったし、素行が悪いのかと思っていたが、自分をしっかり持っている人だったという事か。井上ヨシマサがそこまで尽力して機材譲ったり教えたりしていたほどなので、単に歌唱力があるというだけでない才能を感じたものと思われる。実際数年の間に曲作りをマスターするどころか、弾き語りレベルではなくアレンジを構築するところまで習得していたようだ。歌手志望と言っていた全盛期のAKB48メンバーでも曲作りはおろか歌手活動の継続すらできずに撤退していき、48グループ出身で最も有名なシンガーソングライターとなった山本彩でも編曲の領域には達していない。
同時期にリリースされ挑発的な歌詞による炎上商法で話題を呼び込んでソロ始動した岡田奈々がトップ10ヒットに持ち込んだのに対して今作は1週ポッキリランクインで大低迷(販促イベントを体調不良で延期したのも響いたようで12月にイベントが行われると再浮上して合計3週へ伸ばした)、あまり話題にもなっていないようだが、たまたまインタビューを見かけたらイメージが大きく変わったので急遽聞いてみた。地に足をつけて準備をしてきた事が伺えるのと、この人は世間にケンカを売ったり挑発してまで我を貫こうとするのではなく、ファンに向けた自分の武器と見せ方をちゃんと分かっている人なんだなという印象も改めて持った。
作風は基本的にバンド路線で爽やかなポップロック系が並ぶ。AKB48時代に残されたわずか5曲ではどんな歌声だったのかなんて把握できないし、「歌唱力No.1決定戦」で優勝する頃にはもう卒業発表後で撤収状態だったためソロ曲も残されていなかったのでこんなに歌がしっかりしていたのも初めて聞いた。突き抜けたリード曲的な1曲は無いが、元アイドルというよりも総じて可能性を感じさせる期待の大物新人シンガーソングライターといった佇まいだと思う。女性シンガーソングライターでは比較的珍しい編曲まで早くも習得しているというのは只者ではない。インタビューでは打ち込み系もやりたいと語っているので、作風がガラッと変わりそうだしついていけくなる可能性もありそうだけど、今後が楽しみな新人シンガーソングライターだ。
印象度★★★★☆
※今作はAmazon Musicのみで視聴したためCD(ブックレット)を手に取っていません。