daiya-monde

No タイトル 作詞 作曲 備考
1 How?<U.K.mix> Yaiko Yaiko インディーズシングル『Howling』1曲目 最高50位 売上2.7万枚
2 Everything Is In Our Mind Yaiko Yaiko  
3 B'coz I Love You Yaiko Yaiko 1stシングル 最高16位 売上11.8万枚
4 Your Kiss Yaiko Yaiko  
5 My Sweet Darlin' Yaiko Yaiko 2ndシングル 最高8位 売上23.3万枚
6 Girl's Talk Yaiko Yaiko  
7 もしものうた Yaiko Yaiko  
8 ねえ Yaiko Yaiko 1stシングルC/W
9 大阪ジェンヌ Yaiko Yaiko  
10 I like<U.K.mix> Yaiko Yaiko インディーズシングル『Howling』2曲目
11 Nothing Yaiko Yaiko SEESEE シングル 100位圏外 リメイク

リリースデータ

2000年10月25日 初登場1位 売上74.5万枚 Produced by Diamond◆Head 東芝EMI

Diamond◆Head are

Producer,Chorus(7),Additional Guitar(11) 片岡大志
Guitars,All String Instruments,E・Bass(3,4,5,6,11),Programming(11) 西川進
Keyboards,Saxphones(8) 浦清英

矢井田瞳1stアルバム。子供の頃から歌は好きだったがギターを始めたのは大学時代19歳(1997年頃)でギター習得と同時に曲作りにも挑み、出来上がったデモを送って神奈川・千葉ローカルで放送していたミューラス(親会社がバンダイグループのバンプレスト)オーディション番組『ザ・デビュー』に出演したところ優勝。これがきっかけでバンダイが制作に関わっていたテレビ東京系アニメ『魔装機神サイバスター』エンディング「nothing」をSEESEE名義で担当してバンダイから1999年6月にデビューしていた。SEESEE名義は単発契約に終わっており、現在は公式にも掲載されていない。矢井田瞳の才能を原石として高く評価した片岡大志によってクリアスカイコーポレーショングループ会社に新たに青空レコードが設立され、2000年5月に青空レコードからシングル『Howling』でインディーズデビュー7月には東芝EMIから「B'coz I Love You」でメジャーデビューした。順調に人気を伸ばして『my sweet darlin'』で初のトップ10ヒットで本格ブレイクしたタイミングで今作がリリースされいきなり初動27万枚を叩き出して初登場1位、累計70万枚を突破して次回作と並ぶ自身最大のヒット作となった。3シングルから一部C/Wを含む5曲と「nothing」のリメイクを収録。『Howling』からの2曲はミックス変更、「my sweet darlin'」は他の曲に合わせて頭が大文字の「My Sweet Darlin'」に表記変更されており、後のベスト盤でも「My Sweet Darlin'」と表記されている。

作詞作曲はニックネームの"Yaiko"(ヤイコ)名義。2002年まではこの名義でクレジットされ、2003年からは"矢井田瞳"名義に変わり、ベスト盤収録時はこの時期の曲でも"矢井田瞳"に変更されている。片岡大志により専属の制作チーム"Diamond◆Head"が結成され、今作では3人がDiamond◆Headメンバーとしてクレジットされている。これ以外のサポートメンバーはAdditional Musician枠でクレジットされており、唯一参加曲表記なしの全面参加扱いでProgramming,Keyboardsを担当している村田昭は今作当初はメンバーに含まれていなかった(翌年にはメンバーに追記されている)。サポートメンバーには1,7,8,9,10にベースが入っており、ギターの西川進が兼任している曲もあるのでベースに関してはほとんどが生演奏だが、ドラムは4,11、パーカッションが3,5,7,8,10にクレジットされている程度でドラムはほぼ打ち込みの体制となっている。

片岡大志がダイヤモンドの原石を見つけた!とここまで注力してプロデュース体制を築き上げたのも影響していると思われるが(バンド名もそのままだし)、アルバムタイトルも読みはそのまま「ダイヤモンド」、そして"矢井田"を逆から読むと"だいや"でmonde=フランス語で"世界"を意味する事から"矢井田の世界"という意味も込められている。

元々素養はあったと思われ独特の歌声には天性のものがあったようにも思うが、ギター持って曲作り始めたのが19歳というのは驚きだし、その才能を原石として評価してプロの手腕で磨き上げた片岡大志のプロデュースワークも非常にうまく噛み合ったように思う。ただ声の感じがブレイクしたばかりだった椎名林檎に似ていた事から宇多田ヒカルの後の倉木麻衣のように後から似たようなのを出してきたという第一印象が強く、さらに愛称は同じくブレイクしたばかりだったaikoのパロディかというような頭に"Y"をつけたYaikoってなんでそんなブレイクしたばかりの人たちに被せてくるんだろうか…というのは当時あった(名前の「瞳」おいてけぼりだし…まあ「瞳」はそれこそhitomiがいたし、島谷ひとみ、高橋瞳とか続々出てくるけどさ…)。なお同じくなんかやたら女性シンガー界隈で多かった"裸足でライブ"のスタイルもしっかりやっていた。

メジャーデビューと同時に注目を集め「B'coz I Love You」と特に代表曲となった「My Sweet Darlin'」の椎名林檎みが非常に強かったが、全体の作風はだいぶ異なっていて椎名林檎が和風の強烈な世界観なのに対して矢井田瞳はストレートに洋楽っぽさ、無国籍感があるように思う。アルバムまで聞けば似ている感覚はそんなにない。ギター中心のロックナンバーだがドラム打ち込みなので00年代前半特有の少し軽めのサウンドはヘビーになりすぎずに聴きやすくする効能はあったかもしれないが、今となってはやはり普通にライブと同じ編成で基本バンドメンバーは揃えてほしかったなとは思う。完成度としては後年の方が遥かに高いし、もっと洗練されてまとまってくる。それでも"原石"である事を強く打ち出して荒々しさ、初期にしか出せない勢いは今作の大きな魅力になっていると思う。いきなりの大ヒットも納得の1作。

B00005HN49

印象度★★★★☆

2025.5.6更新

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