ON THE STREET CORNER 1
No | タイトル | クレジット | 編曲 | 備考 |
1 | YOU BELONG TO ME ユー・ビロング・トゥー・ミー |
CHILTON PRICE-PEE WEE KING -REDD STEWART |
山下達郎 | ジョー・スタックフォード(1952年) |
2 | CLOSE YOUR EYES クローズ・ユア・アイズ |
CHUCK WILLIS | 山下達郎 | ファイヴ・キーズ(1955年) |
3 | SPANISH HARLEM スパニッシュ・ハーレム |
JERRY LEIBER-PHIL SPECTOR | 山下達郎 | ベン・E・キング(1961年) |
4 | ALONE アローン |
MORTY KRAFT-SELME KRAFT | 山下達郎 | シェパード・シスターズ(1957年)、フォア・シーズンズ(1964年) |
5 | MOST OF ALL モースト・オブ・オール |
ALAN FREED-HARVEY FUQUA | 山下達郎 | ムーングロウズ(1955年) 86年盤で再録音 |
6 | GEE [Bonus Track] ジー [ボーナス・トラック] |
WILLIAM DAVIS-MORRIS LEVY | 山下達郎 | クロウズ(1954年) 00年盤追加収録(80年当時のストック) |
7 | CLOSE YOUR EYES(ALL TATSURO VERSION)[Bonus Track] クローズ・ユア・アイズ(オール・タツロー・ヴァージョン) [ボーナス・トラック] |
CHUCK WILLIS | 山下達郎 | 00年盤追加収録(92年CM用に制作した音源) |
8 | REMEMBER ME BABY リメンバー・ミー・ベイビー |
BARRY MANN-CYNTHIA WEIL | 山下達郎 | アールズ(1965年) |
9 | BLUE VELVET ブルー・ベルベット |
BERNIE WAYNE-LEE MORRIS | 山下達郎 | トニー・ベネット(1951年)、クローヴァーズ(1955年) |
10 | THE WIND ザ・ウィンド |
NOLAN STRONG-QUENTEN EUBANKS- JUAN GUTIERREZ-WILLIE HUNTER -BOB EDWARDS |
山下達郎 | ノーラン・ストロング&ダイアブロズ(1954年) |
11 | DRIP DROP ドリップ・ドロップ |
JERRY LEIBER-MIKE STOLLER | 山下達郎 | ドリフターズ(1958年)、ディオン(1963年) |
12 | THAT'S MY DESIRE ザッツ・マイ・ディザイアー |
HELMY KRESA-CARROLL LOVEDAY | 山下達郎 | スタンダード(1931年)、フランキー・レイン(1947年) |
リリースデータ
1980年12月5日(限定LP) 1980年12月5日(限定CT) 1986年10月25日(LP再発) 1986年10月25日(CT再発) 1986年11月10日(初CD化) 2000年1月26日(リマスターCD) |
最高13位 最高46位 最高16位 最高22位 最高5位 初登場18位 |
売上6.6万枚 売上2.2万枚 売上3.7万枚 売上1.4万枚 売上4.4万枚 売上4.0万枚 |
Produced by 山下達郎 | AIR AIR MOON MOON MOON MOON |
山下達郎1stアカペラカバーアルバム。50〜60年代のドゥー・ワップの楽曲を1人多重録音のアカペラでカバーした企画作品。「CLOSE YOUR EYES」で吉田美奈子とボーカルの掛け合い、「SPANISH HARLEM」でピアニカを演奏し、若干のパーカッション、そして手拍子や足踏みには本人以外のスタッフ(エンジニアの吉田保や竹内まりやなどが担当)も参加しているが、基本的には1人でボーカルを重ねている。『RIDE ON TIME』から3ヵ月足らずでのリリースで当時はLP/CTで10万枚の限定生産で発売された。当時はタイトルに『1』が含まれず『ON THE STREET CORNER』というタイトルだった。
86年の続編『ON THE STREET CORNER 2』発売直前に再発され、初CD化もされた。この際に80年当時の技術的な問題からトラックダウンを全面的にやり直し、マスターの劣化により「MOST OF ALL」は再録音されるなどニュー・リミックス盤として発売された。『2』が発売されることで今作のタイトルには『1』が加えられ、以降『ON THE STREET CORNER 1』となった。
99年11月25日の更なる続編『ON THE STREET CORNER 3』発売から少し遅れた年明け00年には『2』と共にリマスター再発された。00年リマスター盤にはボーナストラックが新たに2曲追加されたが、ラストは「THAT'S MY DESIRE」のままで締めたいという意向から、レコードにおけるA面、B面の境である中間部に2曲が追加されている。「GEE」は80年当時のストック曲。「CLOSE YOUR EYES(ALL TATSURO VERSION)」はオリジナルでは吉田美奈子が参加していたが92年にCM用として全パートを本人が担当したバージョン。00年盤のブックレットには80年、86年、00年それぞれの時代の本人コメントが記載されているほか、1曲ごとの解説も記載されている。
再発のタイミングに必然性があり、なおかつ追加収録やリミックス、リマスターなどが行われ、音源そのままの再発をしていないためか、LP/CT/CT/再発盤の全てが当時のO社にランクインしている。またAIR/RVCで発売された作品だったが、再発の際は当時在籍していたムーン/ワーナーへ移動させて発売しており、このような作品は今作のみである(他のAIR/RVC時代の作品は再発の際もそのままAIR/RVC(のちBMGのちソニー)が発売している)。
ドゥワップというとラッツ&スター(シャネルズ)のイメージが個人的には強い。80年2月にシャネルズはデビューするなり大ブレイクしていたので、同年12月に今作が発売されたならばドゥワップというスタイルも徐々に知られつつあったと思うんだけど、山下達郎本人の00年(99年執筆)のライナーによると80年当時の日本ではアカペラもドゥー・ワップもほとんど知られていなかった、としている。シャネルズがブレイクしたばかりなのでまだ知られていなかったという事なのか、あれはあくまで大衆音楽としてヒットしていたので、本場のドゥー・ワップとは違うという考えだったのか…。
いずれにせよ今作は山下達郎の声が満載のアルバムである。ドゥー・ワップとアカペラという特殊なスタイルでのオールディーズのカバーとなると馴染みのある曲は皆無ではあるが、なんだかんだノリのいい側面もあるし、30分台で終わる短さもあって聞きやすいことは聞きやすい。『RIDE ON TIME』のヒットの直後にまた随分マニアックな企画だなとも思ったけど、むしろ売れたからやりたかった事がやれたという事なのかも。
印象度★★★☆☆
2017.11.11更新