14番目の月
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | さざ波 | 荒井由実 | 荒井由実 | 松任谷正隆 | |
2 | 14番目の月 | 荒井由実 | 荒井由実 | 松任谷正隆 | |
3 | さみしさのゆくえ | 荒井由実 | 荒井由実 | 松任谷正隆 | |
4 | 朝陽の中で微笑んで | 荒井由実 | 荒井由実 | 松任谷正隆 | ハイ・ファイ・セットへの提供曲 セルフカバー |
5 | 中央フリーウェイ | 荒井由実 | 荒井由実 | 松任谷正隆 | |
6 | 何もなかったように | 荒井由実 | 荒井由実 | 松任谷正隆 | |
7 | 天気雨 | 荒井由実 | 荒井由実 | 松任谷正隆 | |
8 | 避暑地の出来事 | 荒井由実 | 荒井由実 | 松任谷正隆 | |
9 | グッド・ラック・アンド・グッドバイ | 荒井由実 | 荒井由実 | 松任谷正隆 | 岡崎友紀への提供曲 セルフカバー |
10 | 晩夏(ひとりの季節) | 荒井由実 | 荒井由実 | 松任谷正隆 |
コーラスアレンジ:山下達郎(9以外)
リリースデータ
1976年11月20日(LP) 1976年12月1日(カセット) 1984年2月(初CD化) 1987年2月25日(CD再発) 1989年9月10日(ゴールドCD) 1993年3月21日(CD再発) 1994年6月29日(CD再発) 1998年6月24日(CD再発) 2000年4月26日(リマスター盤) 2013年10月2日(00年リマスター盤の廉価盤) |
最高1位 最高3位 - - - - - - 最高295位 - |
売上30.7万枚 売上3.0万枚 - - - - - - 売上0.01万枚 - |
Produced by 松任谷正隆 | 東芝EMI アルファレコード アルファレコード アルファレコード アルファレコード アルファレコード アルファレコード アルファレコード 東芝EMI EMI RECORDS |
荒井由実4thアルバム。ベスト盤『YUMING BRAND』を挟んでおり、「あの日にかえりたい」、「翳りゆく部屋」はそちらに収録されてしまったのでオリジナルアルバム未収録となった。それ以降シングルをリリースせずに発売したため、シングル曲が収録されていない。提供曲のセルフカバーが2曲収録されている。今作以降、アレンジだけでなくプロデュースの名義も松任谷正隆となった。今作が荒井由実時代(独身)最後の作品となり、発売直後に松任谷正隆と結婚。当初引退する考えもあったそうだが、77年5月にはシングル「潮風にちぎれて」をリリースし、これ以降は松任谷由実に名義を変更している。初CD化以降小刻みに再発されまくったが、現行盤は00年にバーニー・グランドマンによるリマスターで再発された00年盤となっており、2013年には全作品が廉価盤として期間限定で発売された。
77年は「潮風にちぎれて」「遠い旅路」の2作のシングルを発売後にそれらを収録した2作目のベスト盤『ALBUM』を発売。レコード会社の意向で出したもので本人は自著『ルージュの伝言』にて最大の汚点としており、未だCD化されていないものの、現在は公式サイトにも掲載されていて2作目のベスト盤として公認作扱いとなっている。厄介なのは「潮風にちぎれて」「遠い旅路」は「あの日にかえりたい」、「翳りゆく部屋」と同様に次のアルバムには入らなかったためオリジナルアルバム未収録となった。しかし『YUMING BRAND』と異なり『ALBUM』はCD化されていないので、「潮風にちぎれて」「遠い旅路」は89年6月に8センチシングルとして再発されたのが唯一のCD化となってしまう。「潮風にちぎれて」はバラードベスト『sweet,bitter sweet』と季節ベスト『SEASONS COLOURS -春夏撰曲集-』に収録され、21世紀に入ってようやくアルバム収録され入手しやすくなったが、「遠い旅路」は現在もCDアルバムに収録されていない。C/Wに関しては「潮風にちぎれて」C/Wの「消灯飛行」がアルバム未収録、「遠い旅路」C/Wの「ナビゲイター」はバラードベスト『sweet,bitter sweet』に収録された。このためこの2作の8センチシングルは非常にレア盤となっていると同時にユーミンのシングル曲はA面をコンプリートするだけでも困難を極める状態となっている。
前3作のようなスタンダードナンバーはさすがに無いが今作にも「14番目の月」「中央フリーウェイ」「晩夏(ひとりの季節)」などちょっとベスト盤を聞いてみたり、カバーなどので現在でも頻繁に耳に入るくらいには広く知られた曲が入っている。シングルなしでオリジナルアルバムを出したということは独身時代の集大成、さらには引退前ラストアルバムという意識もあったと思われ、最後が「晩夏(ひとりの季節)」というのも象徴的だ。プロデュースまで松任谷正隆になったせいなのかは分からないが、以前よりももっとバンドサウンドやホーン、ブラス、ストリングスなどでバックを固めていてサウンドに厚みが出ているような気もする。前3作のような衝撃までは無かったが今作も十分にいいアルバムだと思う。しかし今作の前後にリリースされたベスト盤のタイミングは今にしてみればどうにも間が悪すぎ。結果的に入手困難なシングルは生み出してしまうし…。
印象度★★★★☆