A GIRL IN SUMMER
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | Blue Planet | 松任谷由実 | 松任谷由実 | 松任谷正隆 | |
2 | 海に来て | 松任谷由実 | 松任谷由実 | 松任谷正隆 | |
3 | 哀しみのルート16 | 松任谷由実 | 松任谷由実 | 松任谷正隆 | |
4 | もうここには何もない | 松任谷由実 | 松任谷由実 | 松任谷正隆 | |
5 | あなたに届くように(Album Version) | 松任谷由実 | 松任谷由実 | 松任谷正隆 | 37thシングルC/W 一部歌詞変更(庭のサクラ→今年のサクラ) |
6 | Many is the time | 松任谷由実 | 松任谷由実 | 松任谷正隆 | |
7 | 虹の下のどしゃ降りで | 松任谷由実 | 松任谷由実 | 松任谷正隆 | 38thシングル 最高22位 売上1.4万枚 |
8 | Escape | 松任谷由実 | 松任谷由実 | 松任谷正隆 | |
9 | Forgiveness | 松任谷由実 | 松任谷由実 | 松任谷正隆 | |
10 | ついてゆくわ(Album Version) | 松任谷由実 | 松任谷由実 | 松任谷正隆 | 37thシングル 最高13位 売上3.2万枚 歌詞全面変更 |
11 | 時空のダンス | 松任谷由実 | 松任谷由実 | 松任谷正隆 | |
BONUS TRACK | |||||
12 | Smile Again(Yuming Version) | 松任谷由実 | 松任谷由実 | 松任谷正隆 | 「松任谷由実 with Friends Of Love The Earth」名義 配信シングル、38thシングルC/W 単独でのセルフカバー |
Horn Arrangement:Jerry Hey(4,6,8)
リリースデータ
2006年5月24日 2013年10月9日(廉価再発) |
初登場3位 - |
売上12.5万枚 - |
All Songs Produced by 松任谷正隆 | 東芝EMI EMI RECORDS |
松任谷由実34thアルバム。前作から1年半ぶり。前作以降にリリースされた2シングルからC/W含めて4曲とも収録しているが、「虹の下のどしゃ降りで」以外はシングル時とは異なるバージョンで収録されている。「ついてゆくわ」はタイアップ先ドラマに合わせて親子をテーマにした歌詞だったが、今作では男女のラブソングとして歌詞が全面的に変更され、実質的な別歌詞バージョンとなっている。「あなたに届くように」は歌詞の一節"庭のサクラ"が"今年のサクラ"に変更された。「Smile Again」は05年に開催された愛・地球博のテーマ曲でDick Lee(シンガポール)、Xu Ke(中国)、amin(中国)、Lim Hyung Joo(韓国)と松任谷由実 with Friends Of Love The Earthとして配信限定でリリースしていた楽曲。05年のNHK紅白歌合戦にも出演し、年明けに38thシングルC/Wとして初CD化されていたが、今作にはユーミン単独のセルフカバーでボーナストラック扱いで収録されている。オリジナルアルバム最高売上を記録した94年の『THE DANCING SUN』以降ベスト・企画作を除くオリジナルアルバム売上は出すたびに下がる一方だったが、今作の売上は『THE DANCING SUN』以降初めて前作をわずかに上回った。2013年10月2日にのオリジナルアルバムが一斉廉価再発された際は何故か今作のみ1週遅れて発売された。
00年代になってから夏のリリースもするようになっていたが、今作は海と夏をテーマにしていてこれまで以上に夏を意識したアルバムになっている。といっても人がたくさんいるギラギラした真夏のビーチとかリゾートのイメージでは無く、むしろ真逆。実際に歌われている内容は切ない事ばかりではないんだけど、全体通してジャケットのような曇天で1人海辺にたたずんでいるような切なさや感傷が漂ってくる。いい意味で年齢を重ねた渋みが程よく滲み出た貫禄のサマーアルバムといった印象だ。この頃には落ち目ムードもようやく払しょくされ(というかもう「落ち目」とかいちいち言われなくなってセールス無関係で大物オーラを漂わせる存在、いわゆる「大御所化」した)、今なお聞き続けているリスナーであればたぶん概ね満足だし、久々に聞いてみたら今のユーミンも今は今でいいじゃないかと素直に思える状況にはなっていたのかなと。
前作と違いシングルもリリースされたが、往年の名曲と肩を並べるといった感じはあまりないし、正直インパクトはそんなにない。「Smile Again」での紅白出場も愛・地球博があったとはいえ、当時は配信で出ただけで今以上に配信が下に見られていた当時、この曲がそんなに浸透していた気はしないし、紅白で歌っていた時も凄い大物オーラはあるけど曲はなんか…そんな凄くないんじゃないか…と当時正直思ったし、全く記憶に残っていなかった。改めて聞くといい曲ではあるんだけど。
そんな感じで1曲1曲は強くないけどそれでもアルバム全体の統一感は秀逸だ。序盤と終盤には波音のSEを挿入する演出も手伝って、夏の海の感傷に浸る事ができる。海で騒いだりするよりも、ただ1人佇んでいるような雰囲気、それがなんだか妙に心地いい。
印象度★★★★☆
2016.5.24更新