YUMING BRAND
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 備考 |
1 | あの日にかえりたい | 荒井由実 | 荒井由実 | 6thシングル 最高1位 売上61.5万枚 |
2 | 少しだけ片想い | 荒井由実 | 荒井由実 | 6thシングルC/W(カット) |
3 | やさしさに包まれたなら | 荒井由実 | 荒井由実 | 3rdシングル 100位圏外 |
4 | 魔法の鏡 | 荒井由実 | 荒井由実 | 3rdシングルC/W |
5 | ルージュの伝言 | 荒井由実 | 荒井由実 | 5thシングル 最高45位 売上6.9万枚 |
6 | 12月の雨 | 荒井由実 | 荒井由実 | 4thシングル(アルバム同発) 100位圏外 |
7 | 瞳を閉じて | 荒井由実 | 荒井由実 | 4thシングルC/W(カット) |
8 | きっと言える | 荒井由実 | 荒井由実 | 2ndシングル 100位圏外 |
9 | ベルベット・イースター | 荒井由実 | 荒井由実 | 1stアルバム『ひこうき雲』収録曲 |
10 | 翳りゆく部屋 | 荒井由実 | 荒井由実 | 7thシングル 最高10位 売上25.6万枚 |
リリースデータ
1976年6月20日(LP) 1976年7月5日(CT) 1985年2月25日(初CD化) 1987年2月25日(CD再発) 1989年9月10日(ゴールドCD) 1993年3月21日(CD再発) 1994年7月27日(CD再発) 1998年6月24日(紙ジャケCD) 2000年4月26日(リマスターCD) |
最高1位 最高1位 - - - - - - - |
売上40.5万枚 売上12.9万枚 - - - - - - - |
東芝EMI アルファレコード アルファレコード アルファレコード アルファレコード アルファレコード アルファレコード アルファレコード 東芝EMI |
荒井由実1st公認ベストアルバム。この時点での7枚のシングル、3枚のアルバムからの選曲。「あの日にかえりたい」、「翳りゆく部屋」が連続ヒットしたタイミングでリリースされた。この2曲はオリジナルアルバム未収録となった。「翳りゆく部屋」はalbum mixとされている。また「やさしさに包まれたなら」「魔法の鏡」はシングルバージョンで初収録。カセット版は6曲多い全16曲だったが、CD化の際はLPと同じ構成で発売された。初CD化以降小刻みに再発されているが初CD化以降小刻みに再発されまくったが、現行盤は00年にバーニー・グランドマンによるリマスターで再発された00年盤となる。基本的に荒井時代の他のオリジナルアルバムと同じタイミングで再発され続けてきたが、2013年のオリジナルアルバム一斉廉価再発の際にはスルーされた。また荒井時代に焦点を絞ったベストアルバムのシリーズとして79年、81年にPART.2、PART.3といった続編が発売されているが、2作とも非公認作品であり、94年に再発されたのを最後に廃盤となっている。
ヒット直後なのでベスト盤ということでレコード会社がやる事は昔も今も変わらないが、この後オリジナルアルバム1作で荒井由実時代が終わり、結婚して松任谷由実に変わるため区切りとしてはやや中途半端である。「卒業写真」や「ひこうき雲」も入ってないし…。荒井由実時代にのみ焦点を絞ったベスト盤では唯一発売当時から一貫した公認作にして現存もしている作品になるが、それ自体にあまり意味は無い。非公認作だった96年の『Super Best Of Yumi Arai』もEMIでリマスター再発され公認作へ昇格となっているし、98年に大ヒットした『Neue Musik』は松任谷以降の選曲だったが、その後のベスト盤では荒井・松任谷時代両方からの選曲も実現するようになっている。代表的な曲はそれらで十分網羅できるので現在わざわざ今作を手に取る価値は無いように思っていた。
しかし、オリジナルアルバムを辿っていく場合は今作を聞かないと「あの日にかえりたい」、「翳りゆく部屋」が抜けてしまうということもあるし、何より今作最大のポイントは有名な「やさしさに包まれたなら」シングルバージョンである。ジブリ映画『魔女の宅急便』で脚光を浴びて現在はスタンダードと化したこの曲だが、オリジナルアルバム収録時に大きくアレンジを変更。映画で使用されたのも他のベスト盤に収録されているのも全てアルバムバージョンである。アコギが印象的なアルバムバージョンに対してシングルではピアノを中心にしてややゆったりした雰囲気になっている。これを聞いてみたかった!
ということで今作を手に取ったわけだけど(前置き長すぎ)、他にもどこかで聞いたことがあるような「あの日にかえりたい」「ルージュの伝言」「翳りゆく部屋」を筆頭に、スタンダードな名曲ばかり。飛躍してブレイクしたわけではなく、本当に初期から才能が光っていたのが分かる。シンプルなサウンドも気持ちが良く、11曲で35分という極端に短い構成だが、このシンプルさが実にいい。5分越えも当たり前となっていった00年代、10年代のヒットシーンの大作志向を思うと、やはり過剰なのではないかと思えてくる。シンプルイズベスト。
印象度★★★★☆