Yuming Compositions: FACES(初回盤)
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 原曲、備考 |
1 | オーシャン・ブルー(ocean version) | 松任谷由実 | 松任谷由実 | Ricky Peterson | 稲垣潤一(84年) |
2 | 日付変更線 | 松任谷由実 | 南佳孝 | Ricky Peterson | 南佳孝(78年) 歌詞提供 |
3 | 雨音はショパンの調べ | Gazebo | Pierluigi Giombini | 松任谷正隆 | 小林麻美(84年) 日本語詞提供 |
4 | 瞳はダイアモンド | 松本隆 | 呉田軽穂 | Ricky Peterson | 松田聖子(83年) 曲提供 |
5 | あの頃のまま | 呉田軽穂 | 呉田軽穂 | Ricky Peterson | ブレッド&バター(79年) |
6 | 「いちご白書」をもう一度 | 荒井由実 | 荒井由実 | 松任谷正隆 | バンバン(75年) |
7 | Woman”Wの悲劇”より | 松本隆 | 呉田軽穂 | Ricky Peterson | 薬師丸ひろ子(84年) 曲提供 |
8 | やさしさに包まれたなら(Yumi Matsutoya with Yumi Arai) | 荒井由実 | 荒井由実 | 松任谷正隆 | 3rdシングル 当時のボーカル(シングルVer.)とのデュエット |
9 | 星のクライマー | 松任谷由実 | REIMY | 松任谷正隆 | 麗美(84年) 歌詞提供 |
10 | ベルベット・イースター(beyond 30years) | 荒井由実 | 荒井由実 | Ricky Peterson | 1stアルバム『ひこうき雲』収録曲 セルフカバー |
Bonus Track(初回盤のみ) | |||||
11 | オーシャン・ブルー(blue version) | 松任谷由実 | 松任谷由実 | Ricky Peterson | 稲垣潤一(84年) 別アレンジ |
日本語詞:松任谷由実(3)
Horn Arrangement:Ricky Peterson(1,2)、Michael B.Nelson(4,5,7)
Orchestraion:David Campbell(6,8,9
リリースデータ
2003年12月17日 2013年10月2日(廉価再発/通常盤仕様) |
初登場3位 | 売上19.2万枚 | Produced by 松任谷正隆 | 東芝EMI EMIミュージック・ジャパン |
松任谷由実セルフカバーアルバム。デビュー30周年記念作。他者への提供曲のセルフカバー8曲、自身の楽曲のセルフカバー2曲で構成。提供曲のセルフカバー自体はこれまでもオリジナルアルバム内で発表していたが、セルフカバーのみで構成した企画アルバムは今作が初で唯一となっている。自身の楽曲2曲は30周年ということで1stアルバムから「ベルベット・イースター」がセルフカバーされ、「やさしさに包まれたなら」は当時のシングルバージョンのボーカル音源と現在の歌声のデュエットという変則的なセルフカバーとなっている。初回盤にはボーナストラックとして別アレンジの「オーシャン・ブルー(blue version)」が追加収録され,、初回特典としてスリーブケース仕様、別冊でバイオグラフィー&ディスコグラフィー冊子が付属する。今回は『Neue Musik』『sweet,bitter sweet』とは異なり、初回盤と通常盤の品番が異なっている。2013年にオリジナルアルバムが一斉に廉価盤して再発された際には一緒にラインナップに入って再発されたが、そちらは通常盤準拠のため全10曲となる。
「卒業写真」とか「まちぶせ」とかこの時点で既にオリジナルよりユーミンのイメージが強くなってしまった有名なセルフカバーもあるが、この時点でセルフカバーしていなかった曲から比較的有名な曲が選曲されているようだ。とはいえ7,80年代のヒット曲中心なので個人的には知らないか、懐古系歌番組で断片的に聞いただけみたいな曲ばかりでそこまで原曲との違いを楽しめるまではいかなかった。提供曲8曲のうちハッキリ知っていたのは「あの頃のまま」と「「いちご白書」をもう一度」の2曲だけだったし、「あの頃のまま」もこの1年後の04年のSomething ELseのカバーで知った曲だったのでブレッド&バターのバージョンはちゃんと聞いたことが無かった。やはり当時オリジナルをリアルタイムで耳にしていた世代の方が楽しめるところはあると思う。
今作がいつもと違うのはアレンジプロデュースをRicky Petersonにも任せている点で(アルバム全体のプロデュースは松任谷正隆単独扱い)、そこまでいつもと大きく違うわけでは無いんだけど、アッパーでダンサブルな「オーシャン・ブルー(ocean version)」なんかはかなり異色だし、少し新風は感じられる。アレンジ云々よりもなんか急に音圧戦争に真っ向勝負!みたいな音のデカさになっているようにも感じられるが…。
面白かったのは当時のボーカルとデュエットした「やさしさに包まれたなら」で、リアレンジはされているんだけど当時のボーカルというのが『魔女の宅急便』でも有名なアルバムバージョン(アコースティックギターメイン)ではなく、公式盤では『YUMING BRAND』にしか収録していないシングルバージョン(アルバムよりゆったりしていてキーボードメイン)から取っているようで、リアレンジもシングルバージョンのアレンジ基調になっている。まさかここにきてそっちを使うとは思わなかったので驚いた。若い頃からあんまり若々しいボーカルでは無かったので、あからさまに年取ったなぁ…ということはあまり感じなかったが、なんだかんだ2つの歌声が並ぶと30年の歳月を感じる。
初回盤付属の冊子にはバイオグラフィー&ディスコグラフィーが掲載されているが、CD化されていない2作目のベスト盤『ALBUM』は掲載はしているが写真なし、非公認ベストは全て非掲載、公認作へ事実上昇格して公式サイトにも現在は掲載している『Super Best of Yumi Arai』も非掲載となっている。また提供曲リスト、タイアップリスト、全曲のあいうえお順掲載(収録アルバム併記)など公式のデータブックとして充実した内容。一方でジャケ写含めたアートワークはかなり斬新で異国人になりきった珍妙なコスプレというインパクト溢れる写真が連発される。ナニコレ…。
印象度★★★★☆
2016.5.1更新