宇宙図書館(初回盤)
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | 宇宙図書館 | Yuming | Yuming | 松任谷正隆 | |
2 | 残火 | Yuming | Yuming | 松任谷正隆 | 8th配信シングル |
3 | Sillage〜シアージュ | Yuming | Yuming | 松任谷正隆 | |
4 | AVALON | Yuming | Yuming | 松任谷正隆 | |
5 | あなたに会う旅 | Yuming | Yuming | 松任谷正隆 | |
6 | 星になったふたり | Yuming | Yuming | 松任谷正隆 | |
7 | 月までひとっ飛び | Yuming | Yuming | DAN HIGGINS | |
8 | Smile for me | Yuming | Yuming | 松任谷正隆 | |
9 | 私の心の中の地図 | Yuming | Yuming | 松任谷正隆 | |
10 | 君(と僕)のBIRTHDAY | Yuming | Yuming | 松任谷正隆 | |
11 | 気づかず過ぎた初恋(Extra Winter Version) | Yuming | Yuming | 松任谷正隆 | 40周年ベスト『日本の恋とユーミンと。-GOLD
DISC Edition-』追加収録Ver. 7th配信シングル(オリジナルアレンジは未CD化) |
12 | GREY | Yuming | Yuming | 松任谷正隆 | 小林麻美へ提供(87年) セルフカバー |
No | タイトル |
1 | 「宇宙図書館」Music Video |
リリースデータ
2016年11月2日 | 初登場1位 | 売上10.8万枚 | Produced by 松任谷正隆 | ユニバーサル |
松任谷由実38thアルバム。3年ぶりのオリジナルアルバム。間にシングルCDのリリースは無かった。2015年に配信でリリースされた「気づかず過ぎた初恋」は直後にベストアルバム『日本の恋とユーミンと。』のGOLD DISC Editionに追加収録された際にリアレンジされたExtra Winter Versionで収録された。このためオリジナルバージョンは未CD化のままとなった。「残火」は映画『真田十勇士』主題歌となり、映画公開に合わせて9月に先行配信されており、こちらはそのままCD化されている。「GREY」は87年に小林麻美へ提供した楽曲のセルフカバー。「Smile for me」は発売時に放送中だったドラマ『Chef〜三ツ星の給食〜』主題歌に起用された。ドラマでは主演の天海祐希とデュエットしたバージョンも使用されていたがそちらは商品化されていない。このほか「AVALON」「あなたに会う旅」「月までひとっ飛び」「私の心の中の地図」にはそれぞれCMタイアップがついた。
初回盤は「宇宙図書館」MVを収録したDVD付。
豪華完全限定盤はBlu-rayとLPが付属。Blu-rayは初回盤DVDと同じ「宇宙図書館」MVに加えて、特典映像「Dialogue of Biblioteca Espacial」、アルバムのハイレゾ音源が収録されている(USBやDLではなく容量の大きいBlu-rayにハイレゾ音源も一緒に収録する形)。またLPでの発売は89年の『LOVE WARS』以来となった。
前作より売上は下がったものの、敵がいない週だったため1位を獲得。1位自体は2012年のベストアルバム『日本の恋とユーミンと。』以来、それ以前には01年のバラードベスト、98年のベスト…と98年以降の3度の1位は全てベスト盤で獲得していた。オリジナルアルバムでの1位獲得は97年の『Cowgirl Dreamin'』以来となった。
キャッチコピーは「宇宙図書館には、ユーミンからの"答え"がある」。本人コメントでは「印象派の絵画のように、瞬間を切り取ったアルバム」とされ、宇宙図書館というのは人々の過去の記憶や思いが眠っている場所で人々の心と繋がっているというような意味合いがあるようだ。これまで以上にコンセプト色が強く、このためポップスターと歌っていた前作とはけっこう対極にあるような重厚な印象のアルバム。基本的にバラードが多く1曲1曲をじっくり聞かせる内容だが、電子音で攻めたり、ジャズ調だったり、打ち込みも生も生かしつつ曲調はそれなりに幅があり、聞きごたえがある。「残火」なんかは久々にヒットシングルっぽい風格もあるような…。全体に声に衰えを感じてしまうというか、率直にボーカルの随所におばあちゃん感(?)が出てきてしまったところはあるんだけど今作ではそれすらも味わい深さの1つとなっている。むしろ変に取り繕うよりユーミンの今を堂々出してきたような勢いと自信が感じられる。最新作としてユーミンのアルバムをちゃんと聞くのは今作がようやく初めてとなった…というのもあるがここに来てまだ出るのかという貫禄の傑作だと思う。
今作ではスタッフクレジットのところで文字が大きくなっているのが松任谷夫妻以外に、同じ大きさでミックスエンジニアのAl SchmittとGoh Hotoda、マスタリングエンジニアのBernie Grundmanとなっている。ミックスエンジニアに関しては特に各楽曲の演奏クレジットのところの1番下、アレンジャー表記の下にAl SchmittかGoh Hotodaが書かれており目立つ。ちょっとここはさりげに強調しておきたいかのようになっている。Al Schmittは前作にも参加していて気心が知れていると思われ、実際手掛けた楽曲は王道アレンジのものが多い。Goh Hotodaは「気づかず過ぎた初恋(Extra Winter Version)」で初参加となった人物(そしてレベッカNOKKOの夫であるため、彼のスタジオ名に「NOKKO」の表記があったり、ユーミンのラジオにNOKKOがゲストで出たのもこの縁と思われる)。Goh Hotodaに関しては松任谷正隆は新鮮な感触があったらしく、実際Goh Hotodaがミックスした曲はちょっと攻めたアレンジのものが多い。この辺り、もっと分かる人ほど掘り下げがいのある部分なのかも。
初回盤DVDに関しては…こんだけ?っていう。ジャケットやブックレットのアートワークで展開しているものがそのまま動画になったようなアートな世界観のMVなんだけど、このユーミン、1歩間違えると昭和のSFに出てくるような宇宙人の王女みたいにも見えてくる(火星人か金星人かっていう)。アートって難しい。DVDが1曲ポッキリというのはなんとも味気なく、せめて完全限定盤の方に入っている特典映像「Dialogue of Biblioteca Espacial」まではDVDにも入れてほしかった。限定盤はハイレゾ&LPっていう十分すぎる目的があるんだし…。
印象度★★★★☆
2016.12.21更新