リボン(初回盤)
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 備考 |
1 | リアル | 北川悠仁 | 北川悠仁 | |
2 | もうすぐ30才 | 北川悠仁 | 北川悠仁 | |
3 | 冷めたコーヒー | 岩沢厚治 | 岩沢厚治 | |
4 | 超特急 | 岩沢厚治 | 岩沢厚治 | 22ndシングル 最高2位 売上13.4万枚 |
5 | しんしん | 北川悠仁 | 北川悠仁 | |
6 | ニンジン | 北川悠仁 | 北川悠仁 | |
7 | ヒーロー見参 | 岩沢厚治 | 岩沢厚治 | |
8 | チェリートレイン | 北川悠仁 | 北川悠仁 | |
9 | ダスティンホフマン | 北川悠仁 | 北川悠仁 | |
10 | 夕立ち | 岩沢厚治 | 岩沢厚治 | |
11 | 陽はまた昇る | 北川悠仁 | 北川悠仁 | 22ndシングル両A面曲 |
12 | 一っ端 | 岩沢厚治 | 岩沢厚治 | |
13 | 女神 | 北川悠仁 | 北川悠仁 |
Arranged by 吉俣良(5)
Strings Arranged by 弦一徹(5)、阿部雅士(10,13)
Brass Arranged by 山本拓夫(4,8,11)
初回盤DVD
「リボン」の世界〜メイキング・オブ・リボン〜
リリースデータ
2006年1月18日 | 初登場1位 | 売上25.6万枚 | A&R Producer稲葉晃士 Produced by 寺岡呼人&ゆず |
セーニャ・アンド・カンパニー(TOY'S FACTORY) |
メンバー
Vocal,Acoustic Guitar,Tambourine | 北川悠仁 |
Vocal,Acoustic Guitar,Harp | 岩沢厚治 |
ゆず7thアルバム。オリジナルアルバムとしては1年4ヵ月ぶりでベスト盤からは7ヶ月でのリリース。11月に発売されたシングル1作2曲を収録。両A面の2曲目はこれまで過去3度アルバム未収録になるパターンが続いていたが今回初めて両A面2曲目がアルバムに収録された。メンバーが20代で制作された最後のアルバムで、制作中に岩沢が29歳、発売直前に北川が29歳を迎えた。初回盤は特殊ジャケット仕様、寺岡呼人によるライナーノーツ(全曲解説)、アルバムドキュメント『「リボン」の世界〜メイキング・オブ・リボン〜』を収録したDVD付。シングルアルバム含めて初のDVD付属となった。
今作発売当時、親がゆずの良さに目覚めて購入していたので当時から家に置いてあって聞きもしたんだけど、安定以上の印象も無く、感想を書かずにそのまま放置していた。今回1stから順番に聞いていく試みの中で久々に引っ張り出して聞いたら随分印象が変わった。
当時ベスト盤を区切りにするとメンバーは語っており、「超特急」はこれからのゆず、まだまだ止まらないという宣言のような意味合いがあったようだ。今作も「もうすぐ30才」を迎えたゆずが描く「リアル」、等身大の思いがストレートに綴られた曲が目立ち、ゆずのニュースタンダードみたいな意気込みで制作されているように思う。迷いの時期を抜けて2人とも非常にいい状態で制作されたんだろうなと思うんだけど、基本的にはこれまでのゆずを生かしつつ、冒頭「リアル」でいきなり打ち込みを駆使したり、ありそうでなかった新しいゆず、今のゆずを存分に示しながら、最終的には無理が無い、実にゆずらしいというそんな集大成にして進化形のようなアルバムだ。
ただ前述のようにこれまでの作品を聞いているとそんな風に感じるんだけど、『ゆずえん』を数回聞いて、ベスト盤聞いただけだった当時はまあド安定のいつものゆず。「超特急」にしてもド王道で、タイアップが『あいのり』だった事もあってむしろ「始まりの場所」に比べるとマンネリのようにさえ思えてしまっていた。これまでの作品を聞いてきて今作を聞く場合と、飛び飛びで聞いてきて今作を聞く場合で印象が分かれてくるところなのかも。
実際のところ翌年の10周年でアルバム曲のみで選曲した『ゆずのね 1997-2007』で改めてこれまでを総括した2人は、寺岡呼人を離れて新たなアレンジャーと組むという試みへ向かって、明確なまでに新境地を切り開いた。それはこれまでの進化や変化など些細なものだったと思えるほど大胆なもので、結果的に今作はベスト盤を経ての新たなゆずというよりかは寺岡呼人と組んできたゆずの集大成という、これまで寄りの立ち位置になっていると思う。ソングライターとしての2人がほぼ平等に近いバランスだったのも寺岡呼人体制の終焉と共に終わっていく事になるので本当に今作までがゆずの第1期だったのかなという気がする。
それにしても寺岡呼人と全面的に組んだアルバムが今作で最後になるとは思わなかった。今作における寺岡呼人はライナーノーツで熱い想いを綴っていたり、初回盤DVDのドキュメントではインタビュアー役を務めているなど2人との良好な関係が伺えるし、しかも先生、指導者、先導者的なプロデューサーというよりもいい兄貴といった関係性に見えるので、これからも続いていくものだと思っていた。
印象度★★★★☆
2016.5.29更新