ZONEトリビュート〜君がくれたもの〜(期間限定生産盤)

DISC1-tribute side-
No タイトル 作詞 作曲 編曲 備考・原曲
1 true blue/ClariS 町田紀彦 町田紀彦
・吉松隆
湯浅篤 9thシングル
2 夢ノカケラ…/Tomato n' Pine 千空,
n machida
町田紀彦 玉井健二、
飛内将大
5thシングル
3 白い花/中川翔子 町田紀彦 町田紀彦 松隈ケンタ 8thシングル
4 secret base〜君がくれたもの〜/SCANDAL 町田紀彦 町田紀彦 宮永治郎 カバーミニアルバム『R-GIRL's ROCK!』収録曲
3rdシングル
5 証/ステレオポニー 町田紀彦 町田紀彦 ステレオポニー&
BOND×ippei
7thシングル
6 卒業/bump.y 町田紀彦 町田紀彦 Nao Tanaka 12thシングル
7 僕の手紙/東京女子流 町田紀彦 町田紀彦 松井寛 11thシングル
8 glory clolors/スフィア 渡辺なつみ、
渡辺未来
渡辺未来 古川貴浩 14thシングル
9 一雫/やなぎなぎ 町田紀彦 羽岡佳 玉井健二、
飛内将大
6thシングル
10 GOOD DAYS/PEACEFUL たくや 原一博 小森雄壱 1stシングル
bonus track(期間限定生産盤のみ)
11 secret base〜君がくれたもの〜(10 years after Ver.)
/あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。
(本間芽衣子(茅野愛衣)、安藤鳴子(戸松遥)、鶴知里子(早見沙織)
町田紀彦 町田紀彦 とく シングル 最高10位 売上4.9万枚
スペシャルパッケージ盤シングル 最高28位 売上1.1万枚
3rdシングル

※「true blue」作詞は町田紀彦単独のはずだが、クレジットでは作詞作曲が「町田紀彦・吉松隆」に誤表記

期間限定生産盤のみDISC 2-original best side-
No タイトル 作詞 作曲 編曲 備考
1 白い花 町田紀彦 町田紀彦 大坪直樹 8thシングル 最高3位 売上7.7万枚
2 H・A・N・A・B・I〜君がいた夏〜 町田紀彦 町田紀彦 ha-j 10thシングル(限定生産) 最高3位 売上7.7万枚
3 僕の手紙 町田紀彦 町田紀彦 山原一浩 11thシングル 最高2位 売上7.1万枚
4 glory colors〜風のトビラ〜 渡辺なつみ・
渡辺未来
渡辺未来 山原一浩 14thシングル 最高7位 売上4.6万枚
5 大爆発No.1 和田勝彦 和田克比古 彦磨呂 2ndシングル 最高33位 売上1.2万枚
6 一雫 町田紀彦 羽岡佳 長岡成貢 6thシングル 最高3位 売上10.4万枚
7 一緒にいたかった 櫻井真一 櫻井真一 高橋KATSU 6thシングルC/W
8 愛花 町田紀彦 町田紀彦 genepool 15thシングルC/W
9 世界のほんの片隅から 一色そらん KAIDO KAIDO,
JIN NAKAMURA
4thシングル 最高8位 売上11.8万枚
10 卒業 町田紀彦 町田紀彦 ha-j 12thシングル 最高5位 売上6.1万枚
11 太陽のKiss 町田紀彦 町田紀彦 山原一浩 13thシングル 最高8位 売上5.1万枚
12 笑顔日和 MIYU 町田紀彦 山原一浩 15thシングル 最高7位 売上4.7万枚
13 secret base〜君がくれたもの〜 町田紀彦 町田紀彦 虎じろう 3rdシングル 最高2位 売上74.4万枚
14 約束〜August,10years later〜 ZONE ha-j ha-j 新曲

リリースデータ

2011年8月10日 初登場5位 売上6.1万枚 Sony Records

ZONEメンバー

Vocal&Guitar MIYU
Vocal&Bass MAIKO
Vocal,Guitar&Keyboards TOMOKA(4、10〜12、14)
再結成不参加メンバー
Vocal&Guitar TAKAYO(1〜3、5〜7、9、13)
Vocal&Drums MIZUHO(1〜13)

ZONEトリビュートアルバム。期間生産限定盤は加えてベストアルバム付属。2001年8月8日発売だった「secret base〜君がくれたもの〜」の歌詞にある"10年後の8月"が2011年8月ということで、8月限定で3人でのZONE再結成を受けてソニーが企画。ZONEを聞いていた若手世代のガールズグループ中心の人選となっているが、実質的にはソニー系列のアーティストで固まっており(PEACEFULは事務所ランタイム枠でレコード会社未所属)、東京女子流(エイベックス)、スフィア(ランティス)(スフィアのソロは4人ともソニー所属)の2組が外部からとなっている。SCANDALは2010年にリリースしていたカバーミニアルバムからの音源をそのまま収録。4月にアニメでカバーされてヒットした「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」とは便乗に近い状態でコラボしており、限定生産盤のジャケットにはカバーを歌っている3人のキャラクターが描かれている。あの花カバーの声優3人のうちの1人である戸松遥はスフィアのメンバーでもあるため1人だけ2曲参加している。「白い花」にはMAIKOがコーラス参加しており、DISC1におけるZONEメンバーの関与はこれのみである。またClariSとPEACEFULは事務所の後輩。PEACEFULは結成されたばかりで事務所レーベルからシングル1枚を出していたが、結局2012年7月に突如解散してしまったため、これが最後の音源となる。

期間生産限定盤には当初予定になかった「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」による『secret base〜君がくれたもの〜(10 years after Ver.)』が追加収録された。またDISC2が付属。これはZONEセレクトによるオリジナル音源のベスト盤となっていてトリビュート盤の選曲とは関係がない。MIYU→MAIKO→TOMOKAの順に4曲ずつセレクトし、それぞれ4曲ずつ時系列に並べた後に、「secret base〜君がくれたもの〜」、新曲「約束〜August,10years later〜」を収録している。DUOケースで、「あの花」仕様のイラストスリーブケース付。
通常盤DISC-1のトリビュート10曲のみZONEのベスト盤や新曲は期間生産限定盤でしか聞けないという謎の仕様になっている。

再結成には解散時のメンバーだったMIZUHOは参加を打診されながらも結婚して子供もいてドラムも叩けないことを理由に断ったことが明かされているがTAKAYOに関しては一切言及されていない。ブックレットでは選曲者の1曲ずつのコメント、「secret base」はZONE名義のコメントが記載されている(新曲はクレジットのみ)。

DISC-1
バンドではなく、アイドルとしてのZONEのトリビュートアルバム。見事にアイドル/アニメ系ばかりになっており、同じソニー系でもねごと、後輩だけど年上世代のチャットモンチーといった女性バンドも参加していない。よってバンドであるSCANDAL、ステレオポニー以外はほとんどが軽い打ち込みアイドルダンスポップになってしまっており、とてもではないが原曲を越えるどころか違う解釈で大化けしたという曲もほとんどなく、アイドルポップとして新世代がカバーしているなぁという感じ。ZONEリスナーとしてはちょっと軽すぎるしアイドルポップ解釈ばかりなのは正直違う気がしてしまう。

各曲の印象

ClariS…無難なClariS王道のスッキリ打ち込みポップ。ボーカルはいいのだが音の薄さが…。★★★☆☆

Tomato n' Pine…なんちゃってPerfume的なテクノ風ポップ。かなり軽い…。★★★☆☆

中川翔子…唯一メンバーが関与しておりMAIKOがコーラス参加。今作の参加者の中では年配でありメンバーよりもわずかに年上という事もあってアレンジも歌唱も比較的しっかりしていてオリジナルにも近い雰囲気。★★★☆☆

SCANDAL…最年長のHARUNAは実はZONE最年少のMIYUと同い年。比較的雰囲気が似ていて、原曲に忠実なアレンジなので外しようが無いが、原曲に相当気を遣った感がありSCANDALらしさはあまりない。★★★☆☆

ステレオポニー…パンク風な強烈なロックサウンドでガツンと気合が入っている渾身のロックナンバー。アイドル路線の今作の中では逆に浮きまくり。そもそもこのメンツの中で並んでいる事自体が間違っていたんじゃないかというちょい場違い気味な状況に…。せめてねごとも参加してバンドが3組あれば…。★★★★☆

bump.y…超絶に薄〜く軽〜いアレンジ。★★☆☆☆

東京女子流…打ち込みながら無駄に凝りまくったフュージョン系サウンドを展開。明らかに異色であり、正直「僕の手紙」という曲には全く合っていない怪カバーではあるが、東京女子流らしく松井寛サウンドが全開。★★★★☆

スフィア…さりげなくバンド2組以外で唯一生ドラムを使用。原曲に忠実なわりかし厚みのあるサウンドに、コーラスワークを加えてレインボーな雰囲気に。東京女子流、ステレオポニーに続く好印象。★★★★☆

やなぎなぎ…動画サイト発で初音ミクを駆使していたクリエイターsupersellがメジャーデビューした際に招いた女性ボーカリストだが、超シンプルな歌を全面に出したアコースティックアレンジ。曲の雰囲気には合っていて解釈としてはアリだけど少々線が細すぎて印象は薄い。★★☆☆☆

PEACEFUL…事務所ランタイムが北海道アイドルプロジェクトで発掘した7人組。完全なねじ込み枠。にぎやかだけどスカスカに軽い打ち込みアレンジに素人集団のようなユニゾンボーカルでクオリティがあからさまに低い。プロジェクト自体が空中分解したのか翌年には突如解散してしまうし、ちょっとねじ込みが過ぎたのでは。★☆☆☆☆

あの花…なんかアニメ主題歌カバーとしてヒットしていると聞いた時はフツーにカバーしている印象しか無かったが、最後にこれが来るとなかなかに名カバーに思えた。★★★☆☆

期間生産限定盤DISC-2
ZONEリスナーにとってメインは今作だがなぜかオマケ的な影の扱いになり、ジャケットも「あの花」仕様で完全に便乗しているし…。最後の1年(シングル4作)しか参加してないTOMOKAがいることもあって、後期寄りの選曲になっている。「secret base」に続くヒット作でトリビュートもされた「夢ノカケラ…」「true blue」「証」を選ばないというなかなか攻めた選曲。まあシングルは全て『E〜Complete A side Singles〜』に収録されているので、あくまで改めて10年後の8月に今メンバーが振り返って聞きたい曲という事でまあそんなところかなぁと。MAIKOだけ「愛花」とか「一緒にいたかった」とかC/Wを選んでいるがMAIKO自体がメインで起用される場が表題曲で「一雫」しかなかったのでC/Wやアルバム曲に愛着があったのかも。

新曲「約束〜August,10years later〜」は過去の楽曲名を歌詞にちりばめて、10年後の再会目前までを描いている。今回の再結成にはメンバー2人がいない状態な上にZONE楽曲最大の功労者である町田紀彦も参加していないため、正直なところ勝手にアンサーソングという感も否めない。その辺りを考慮しての期間限定盤のみの収録、再会を明確には描かないという事なのかもしれない。作曲はアレンジャーとして当時も参加していたha-jが担当。イメージを損なわず、成長を感じさせる現在のZONEを強く感じる1曲になっている。ただ歌い方がちょっと気取りすぎというか全員変に大人になってかっこつけすぎな印象もある。TOMOKAはライブでロックな曲では比較的こういう歌い方をしていたけど、MIYUやMAIKOまで揃ってそういう歌い方っていうのは…。やはり10代から歌っていると20代半ばでも成長で声は変わってしまうのか。

驚いたのは新曲だけ演奏クレジットが出ちゃっていることである。現役時代は一切の演奏クレジットが無く(=スタジオミュージシャン表記なし)、建前上レコーディングでは弾いているとも弾いてないとも明言せずに曖昧な立場を貫いていた(ライブでは生演奏)。今回は堂々とha-jがギターベースプログラミングと表記され、加えてスタジオミュージシャンのドラマーという演奏クレジットがされており、メンバーが演奏のレコーディングに参加してないことが明らかとなった。現役時代に演奏しているとは思っていなかったが、まさかあっさりクレジットしちゃうとは…。そこは無表記にしておいて欲しかった。

B00534RM4A期間生産限定盤(あの花カバー+DISC2付)  B00534RLK0通常盤(DISC1の10曲のみ) 

印象度★★★★☆(期間限定生産盤)
★★★☆☆(通常盤)

2021.8.29修正

戻る