カントリー娘。 メガベスト

リリースデータ

メンバー

カントリー娘。ベストアルバム。8作一斉発売された『メガベスト』シリーズの1作。01年の『カントリー娘。大全集�@』、06年の『カントリー娘。大全集�A』に続く3作目のアルバム(過去2作もほぼそこまでのベストアルバム)で『カントリー娘。大全集�A』以来となる作品。全シングルとカントリー娘。に石川梨華(モーニング娘。)での未発表曲で『プッチベスト3』に収録されていた「新しい恋の初デート」、最後の新曲となった『カントリー娘。大全集�A』収録の「革命チックKISS」、里田まい with 藤岡藤巻でリリースされた「オヤジの心に灯った小さな火〜デュエットバージョン〜」を収録。DVDにはMVの無い「二人の北海道」「雪景色」「新しい恋の初デート」はカットされ、「革命チックKISS」は当時のライブ映像が収録された。現役時代にリリースされた唯一のMV集DVD『カントリー娘。シングルVクリップス�@』は「初めてのハッピーバースディ!」〜「先輩〜LOVE AGAIN〜」までの収録だったため、全シングルを網羅する形でのMV集は初となった。ジャケットは歴代参加者のうち1作目のみ参加の小林梓と柳原尋美以外の6人の当時の写真を組み合わせたものとなっている。

元々は田中義剛プロデュースで北海道の花畑牧場(生キャラメルで有名になる前)で働きながら東京に来て芸能活動をする半農半芸をコンセプトとしており、普段は牧場で仕事をしていた。楽曲制作つんくをはじめとした事務所アップフロント勢が担当していた(なので同事務所で産休に入って音楽活動を停止する前後の時期の森高千里が初期の作詞を担当)。しかしデビューシングル発売直前に花畑牧場に向かうために自身で運転していた柳原尋美が操縦ミスによる単独事故で死亡、続けて小林梓が心労を理由に脱退してしまい、戸田鈴音(りんね)1人となってしまった。1人でシングル2作を出した後に中卒で花畑牧場に就職していたあさみが加入して2人組となる。歴代メンバーでオーディションを経ずに花畑牧場職員からメンバー入りしたのはあさみのみである(といっても4月の就職から5月末には加入している)。主演映画「カントリー・ガール北海道牧場物語」を制作するなどしていたが、メジャーデビューの際はモーニング娘。からレンタル移籍という形で当時加入したばかりの石川梨華を参加させ、石川梨華をセンターに置いた石川梨華中心の編成"カントリー娘。に石川梨華(モーニング娘。)"名義でのデビューとなった。この時代にりんねが脱退、里田まいが加入した。なお当時野球やサッカーに例えて助っ人、レンタル移籍という表現を使って説明していたものの、当然レンタル料金は発生しておらず、実際には移籍でもなくモーニング娘。との兼任であった。

02年7月のハローマゲドンにより、カントリー娘。のレンタル体制も一新され、石川梨華のレンタル移籍は終了、モーニング娘。6期オーディションで落選していたみうなが加入して紺野あさ美と藤本美貴が新たにレンタル移籍して"カントリー娘。に紺野と藤本(モーニング娘。)"として5人での活動を開始した。また03年より半農スタイルを無くし、田中義剛や花畑牧場との関係は無くなった。よってこの直後に加入したみうなは歴代のメンバーで唯一花畑牧場勤務をしていない。

04年の「シャイニング 愛しき貴方」がシングルとしては最後となり、一足先に紺野あさ美と藤本美貴の参加する体制が自然消滅、06年8月の『カントリー娘。大全集�A』に収録された唯一の新曲「革命チックKISS」はあさみ、里田まい、みうなの3人によるカントリー娘。単独での楽曲だったが、11月末にあさみ、みうなが年明けのハロプロ卒業を発表。メンバーは里田まい1人だけとなったが里田まいがグループの存続を強く希望したためグループ名は残す形となったが、カントリー娘。としての作品は途絶えた。

その後、里田まいは単独タレントとして活動するようになり出演した『クイズ!ヘキサゴン�U』での珍回答からおバカイジリでおバカタレントとして知名度を上昇させた。そのタイミングで里田まい with 藤岡藤巻として「オヤジの心に灯った小さな火〜デュエットバージョン〜」をリリース。今作にはそれしか収録されていないが、里田まいはその後もヘキサゴン関連ではいくつかのユニットに参加してヒットを飛ばしていた。2009年にはハロプロを卒業、2012年には田中将大との結婚を発表、結婚後は特に芸能活動も停止状態となっていた。2014年にカントリー・ガールズとして改名して再始動する際には里田まいはスーパーバイザーに就任という形がとられ形式的な関与は継続した。

デビュー当初の悲劇は当時はけっこう大きな話題となり、1人になってしまった戸田鈴音への同情的な見方が多かった。「二人の北海道」は牧場を舞台にした元気なアイドルソングという半農半芸を地で行くコンセプトの楽曲だったが、ソロになってしまってからははグループ名に近いカントリー感のあるソロシンガー系の路線に変更。あさみも牧場職員からの加入だったので、半農半芸のコンセプトも改めて徹底されていたが、メジャーデビューの際の扱いと大幅路線変更はかわいそうだという声も多かったように記憶している。北海道の雄大な自然をイメージしたフォーク的なのどかなポップス路線でりんねもアコースティックギターを弾きながら歌っていたのが、石川梨華参加後は石川梨華を生かしたぶりっ子全開アイドル路線となり、最早別物。当時もぶりっ子すぎてきつかったが、改めて見るとりんね、あさみはマジで頑張っているなぁ…というのと、こんなんメンバー同士仕事と割り切らないと絶対仲良くなれないな…とも思った。ぶりっ子路線2曲の後に今度は突如過剰なセクシー路線「色っぽい女〜SEXY BABY〜」となってしまい、これでそのまま当時聞くのを止めてしまったが、どうやら本来は「新しい恋の初デート」をシングルとして用意していたっぽい。明らかにジャケット撮影の段階までは「色っぽい女〜SEXY BABY〜」なんてタイトルの曲が来るとは思えないような爽やかな写真になっているし、レコーディングとジャケ写撮影まで済ませてから急に気が変わって差し替えたのではないか。「新しい恋の初デート」→「BYE BYE 最後の夜」となっていれば流れも自然だったのになんで急にこんな…。

紺野と藤本(モーニング娘。)が参加してからは牧場勤務も無くなり、完全に都会のアイドルダンスビート路線になってしまい、カントリーとは名ばかりに。紺野あさ美がイマイチ目立たないので活躍の場をという事で加入させたものと思われるが、元々ソロだった藤本美貴の貫禄が凄く、実力が高かったのもあるけど完全に藤本美貴と愉快な仲間達状態になってしまった感が否めない。

結局最後に残った里田まいが妙にグループに愛着を見せて最後まで守り抜こうとしたのは印象的だったが、里田まいは当時としては割と途中加入イメージが強かった。一応加入時は半農時代の終盤だったので牧場勤務も少しは経験していたものと思われるが、最初期からの苦労人りんね、最初期以外を知る最も参加作が多いあさみが引退してしまったので自分が守るしかないという意識もあったのかもしれない。

一応「カントリー娘。」のベストアルバムなんだけど、数曲ごとにまるっきり路線が変わって別メンバーになっていくというなかなか激動なアルバムでもあった。改めて振り返ると1番リアルタイムで知ってる時期(石川梨華の時期)が1番苦手でそれ以外の方がいいんだよな…。

印象度★★★☆☆

2022.6.16更新

戻る