GOLDEN☆BEST 冬のファンタジー/シングル・コレクション
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | 愛なんて信じない | カズン、小林和子 | カズン | 本間昭光 | 1stシングル 100位圏外 |
2 | 傷ついた翼で | カズン | カズン | 本間昭光 | 1stシングルC/W |
3 | ベルが鳴った<Como chan version> | 小林和子 | 小森田実 | 小森田実 | 2ndシングル(リアレンジ、カット) 100位圏外 1stアルバム『彼と彼女の夏』収録曲(編曲:井上鑑)のリアレンジ |
4 | 雨の日も風の日も<Sugi sama version> | 小林和子 | 杉真理 | 杉真理、嶋田陽一 | 2ndシングルC/W(リアレンジ、カット) 1stアルバム『彼と彼女の夏』収録曲(編曲:井上鑑)のリアレンジ |
5 | 冬のファンタジー | カズン、小林和子 | カズン | 本間昭光 | 3rdシングル 最高8位 売上52.2万枚 |
6 | 想い出をつくろう | 小林和子 | 小森田実 | 小森田実 | 4thシングル 最高85位 売上1.1万枚 |
7 | 水曜日に会いましょう | カズン | カズン | 清水信之 | 5thシングル 最高34位 売上6.6万枚 |
8 | 恋する惑星 | 小林和子 | 小森田実 | 小森田実 | 2ndアルバム『ラブ&スマイル』収録曲 |
9 | 夢追いかけて | カズン、小林和子 | 林哲司 | 漆戸啓、本間昭光 | 6thシングル 最高60位 売上2.6万枚 |
10 | サイレント ナイト | カズン、小林和子 | カズン | 漆戸啓、三宅一徳 | 7thシングル 最高87位 売上0.8万枚 |
11 | ふたりのSomeday | カズン、小林和子 | カズン | 漆戸啓、三宅一徳 | 6thシングルC/W |
12 | Happy Rain | カズン | カズン | 漆戸啓 | 7thシングル 100位圏外 |
13 | クレッシェンド | カズン | カズン | 漆戸啓 | 8thシングル 100位圏外 |
14 | あなたに会えてよかった | カズン | カズン | 漆戸啓 | 3rdアルバム『TOMATO BABY』収録曲 |
15 | 泣くのは後にしよう | カズン | カズン | 漆戸啓 | 未発表曲 |
16 | ハッピー・ハッピー | カズン | カズン | 漆戸啓 | 未発表曲 |
コーラスアレンジ:本間昭光,杉真理(1)
リリースデータ
2002年11月20日 | 100位圏外 | ソニー |
メンバー
古賀いずみ |
漆戸啓 |
カズン初のベストアルバム。別々に音楽活動をしていた古賀いずみ(86年にソロデビューしてシングルを1枚リリースしていた)と漆戸啓、母親が姉妹のいとこだった2人は92年に偶然再会し、祖母が亡くなった時に曲を一緒に作った事から「イトコーズ」を結成。ライブを重ねていく中でソニーのオーディションに合格して95年にカズンとしてデビュー。98年までにシングル8枚、アルバム4枚をリリース後、古賀いずみが産休に入り活動休止。01年にテイチクへ移籍して活動を再開し、シングル2枚をリリースしたタイミングで今作がリリースされた。95〜98年ソニー時代のシングル8枚表題曲全てとC/W、アルバムから選曲されている。ラスト2曲はソニー時代の未発表曲。「愛なんて信じない」「ベルが鳴った<Como chan version>」「雨の日も風の日も<Sugi sama version>」「ふたりのSomeday」はそれぞれアルバムには別アレンジで収録されていたため、シングルバージョンはアルバム初収録。
現在はインディーズへ移動して活動を継続しているが、2015年にデビュー20周年を迎えた際は20周年二重唱プロジェクト第1弾としてソニーからレーベルの垣根を越えたオールタイムベスト『カズン 二重唱〜夢色ノート盤』、2016年に第2弾としてオリジナルアルバム『カズン 二重唱〜虹色ノート盤』をリリースしている。『ゴールデン☆ベスト』シリーズは非公認色が強いが今作は公式サイトでも扱われており、『カズン 二重唱〜夢色ノート盤』リリース時には収録曲の重複も多少あったものの"『GOLDEN☆BESTカズン』と一緒に持てば、カズンの積み重ねて来たハーモニー、従姉弟ならではの心地良いハモり満載の文字通り”二重唱”が勢揃い♪未来に繋がる大切なノ―トブックになること間違いなし!!"と書かれるなど公式に推奨されている。
「冬のファンタジー」の1発屋…というイメージだが実際それ以前は100位圏外、その後もタイアップ曲は続いたがほとんどヒットせず、ソニー末期にはまた100位圏外に戻ってしまっている。たまたま他のタイアップで聞いていない限りは90年代の冬の代表的ヒット曲の1つとして知られる「冬のファンタジー」を入口に今作を手に取ることになると思う。
男女ボーカルだが2人はほぼ均等に分け合っている男女デュエットでこれは意外と珍しい。古賀いずみの声は歌のお姉さん的なハッキリした声で、漆戸啓は男性にしてはややマイルドで"僕"イメージ。なので2人のボーカルの雰囲気は年上のお姉ちゃんと年下の弟みたいな感じだが、実際に古賀いずみの方が6歳年上らしい。楽曲はオーソドックスな90年代ポップス。バンドサウンドというよりはキーボードと打ち込み主体で、アレンジで凝るよりも歌詞とメロディーを聞かせる歌重視の楽曲が並ぶ。またシングル3枚目で冬歌でヒットを出したため、冬のイメージを求められたのか、冬にぬくもりを感じるような楽曲が多い印象。暑い時期より寒い時期に聞きたい1作だ。
初期は提供も多いのでバラードイメージだけではないアップテンポな楽曲や小森田実楽曲などはダンサブルな要素もあって多彩。「水曜日に会いましょう」からは漆戸啓がキーボード演奏に関わるようになり、やがて編曲にも参加するようになり、さらに単独編曲になって完全自作体制が完成するので、カズンが完全自作に自立していく様子も追うことができる。自作に至っていく中では落ち着いたポップスが増えていき幅は無くなってくるが、方向性は確立していく印象。
総じて聞きやすくて馴染みやすくていい曲を歌っているポップなデュオで90年代のポップスが好きならまず外さない。普通にいい曲が並んでいる。ただ「冬のファンタジー」がやはり奇跡の名曲といった感じもあって、どれも普通以上にいいにはいいんだけどそれ以上に残ってくる曲もなかなかなく、もう1発が出なかったのもなんとなく分からなくもない。小森田実がSMAPの「SHAKE」をヒットさせるのは96年の秋で、これ以降小森田実節みたいなヒット曲を輩出するようになるが今作で聞ける小森田楽曲はそのコモリタミノルイメージの前身みたいな感じ。本間昭光もプロデュース、アレンジ、作曲でのピークはもう少し後なので、両者ともにカズンがステップアップのきっかけにはなっていそうだけど。
印象度★★★★☆
2018.1.27更新