Ballads in Blue The greatest hits of DEEN

No	タイトル	作詞	作曲	編曲	投票順位・備考
1	Blue eyes～Introduction～		山根公路	DEEN	新曲「Blue eyes」のインスト
2	いつか僕の腕の中で～Ballads in Blue style～	池森秀一	山根公路	池田大介	5thシングル『瞳そらさないで』C/W　新録音
3	このまま君だけを奪い去りたい	上杉昇	織田哲郎	葉山たけし	1stシングル　最高2位　売上129.3万枚
4	君の心に帰りたい	池森秀一	山根公路	古井弘人	2ndアルバム『I wish』収録曲
5	翼を広げて	坂井泉水	織田哲郎	葉山たけし	2ndシングル　最高5位　売上57.1万枚
6	君がいない夏	小松未歩	小松未歩	池田大介	12thシングル　最高10位　売上13.9万枚
7	夢であるように	池森秀一	DEEN	池田大介	13thシングル　最高13位　売上23.2万枚
8	Teenage dream	坂井泉水	栗林誠一郎	葉山たけし	6thシングル　最高2位　売上51.5万枚
9	JUST ONE	池森秀一	池森秀一	DEEN	18thシングル　最高19位　売上3.3万枚
10	MY LOVE	池森秀一	山根公路＆宇津本直紀	DEEN	19thシングル　最高21位　売上3.4万枚 4thアルバム『'need love』収録Ver.
11	哀しみの向こう側	池森秀一	池森秀一＆山根公路	DEEN	21stシングル　最高20位　売上3.6万枚
12	少年	池森秀一	山根公路＆田川伸治	古井弘人	8thシングル両A面曲　最高4位　売上26.3万枚
13	蒼い戦士たち	池森秀一	田川伸治	DEEN	4thアルバム『'need love』収録曲
14	日曜日～Ballads in Blue style～	池森秀一	池森秀一	池田大介	9thシングル『ひとりじゃない』C/W　新録音
15	瞳そらさないで～Smooth Blue Mix～ /featuring Vocal 7th Beat	坂井泉水	織田哲郎	DEEN	5thシングル　リメイク
16	Blue eyes	池森秀一	山根公路	DEEN	新曲

DEEN2ndベストアルバム。初のバラードベスト。特設サイト(現在消滅)でファン投票を行い上位13曲と「瞳そらさないで」のリアレンジ、新曲を加えた内容。投票はあらかじめバラードだと指定された楽曲30曲のみが対象となっていてその中から選択する方式だった。特設サイト(現在消滅)では投票結果も公表されていた(下記参照)。アルバム初収録となるC/Wの「いつか僕の腕の中で」「日曜日」の2曲はアレンジは変えていないがボーカルやリズムトラックの差し替えなどの再録音をしている。「瞳そらさないで」はアレンジも変更された完全なリメイクとなる。「哀しみの向こう側」がアルバム初収録でオリジナルアルバム未収録となった。

初回限定3大特典はスペシャルパッケージ、メモリアル・グリーティングカード封入、キャンペーン応募券封入。スペシャルパッケージは透明ブルーのスリーブケース入り（帯なし）。通常盤は帯付の普通のプラケース。『'need love』を上回り、現在のところ最後の10万枚越えのヒット作となっている。2011年の11thアルバム『Graduation』初回盤には今作の続編となる『Ballads in BlueⅡ』が付属している。そちらはファン投票を行っていない。

個人的には「LOVE FOREVER」「遠い遠い未来へ」に投票したのだが振るわなくて残念だったのも思い出。全編通してバラードが続くが、力強い歌声、確かなメロディーの良さと適度に盛り上がるバンドサウンドもあって飽きない1作。バラードというと秋冬のイメージが強いが、今作はブルーを基調にしていて夏の曲も多いので、パッケージ全体でも初夏の装いを前面に出していて初夏を彩るバラード集といった趣きもある。前半にヒット曲が集中しているが「JUST ONE」「MY LOVE」「哀しみの向こう側」など自作以降の楽曲も初期のヒット曲に劣っていないと改めて感じられ、この時点までのDEENバラードの旨みが今作には詰まっていると思う。そして結果的にこれまでとの区切りの1作にもなった。

変化の兆しとして新曲と新録音曲はこれまでとはかなり様子が異なる。「いつか僕の腕の中で」「日曜日」の2曲はアレンジャーがそのままになっているようにアレンジ自体は同じだが全面再録音によりドラムがチッチキタカタカとした当時はやっていたR&B調の乾いた音色に変更。新曲「Blue eyes」は平井堅(当時のR&B男性シンガーの典型イメージ)かというようなR&B風味になっていて驚いた。同時期に池森が正体を隠してSHUとしてリリースしたシングル「ANOTHER LIFE」はさらにR&Bだったが、新たな方向性として考えていたのだろうか。結局これっきりにはなったが…。

今作は池森のボーカルスタイルに関しても激変への過渡期でもあった。「いつか僕の腕の中で」のサビでは原曲では声を張っていたがファルセットを使用。「Blue Eyes」でもファルセットを連発し、「日曜日」はサビの高音部も張り上げてはいるが、共通して今までのような力強い歌声ではなくやや力を抜いた細めの声になっているのが特徴的だ。この年は今作とSHU以外にはTUBEの『Soul Surfin' Crew』にゲスト参加してデュエットしているがそこでも今作のようなやや細めの歌声だった。ツアーも行わないという沈黙の1年だったが、前年のロングツアーを経て喉に異変があったのだろうか。02年以降はこれ以前の曲のほとんどをキー下げで歌うようになり、ボーカルスタイルもガラッと変わってしまった。当時はいつもと違う歌い方をあえてしているのか、R&B路線なのでファルセット多用にしているだけかと思ったが、02年以降になってみると変化へ対応するための過渡期だったのかなと思うようになった。この時何があったのかについては一切明かされていない。

特設サイトでの投票結果
※インターネットアーカイブより
1位　夢であるように
2位　このまま君だけを奪い去りたい
3位　君の心に帰りたい
4位　哀しみの向こう側
5位　日曜日
6位　翼を広げて
7位　少年
8位　いつか僕の腕の中で
9位　JUST ONE
10位　MY LOVE
11位　Teenage dream
12位　蒼い戦士たち
13位　君がいない夏
-----------------収録ボーダー--------------------
14位　海の見える街～Indigo days～
15位　VOYAGE
16位　思いきり笑って
17位　愛しい人
18位　永遠をあずけてくれ
19位　銀色の夢～All over the world～
20位　LOVE FOREVER
21位　ありったけの笑顔
22位　素顔で笑っていたい
23位　Long Distance
24位　さよなら
25位　遠い遠い未来へ
26位　もう一度…
27位　ONE DAY
28位　逢いにゆくよ
29位　さよならも言わないで～Rain～
30位　GUILTY～消えることのない罪～

この手のファン投票モノは結果が公開されない事が多いが、今作はなんと対象30曲をビリまで堂々公開していた(2010年のライブベスト時は一転して結果は一切公開されていない)。これ以外にも応募キャンペーンがあり、応募者による予想順位まで同時に公開していた(予想順位での1位は「このまま～」で、「夢であるように」は2位だった)。

どう考えてもバラードじゃないのは「銀色の夢～All over the world～」。「LOVE FOREVER」も出だしがバラードなだけなので微妙なところだ。その一方でここまでの曲の中では「風の中に…」「go with you」は明らかにバラードだと思われるが最初から対象外にされているなど指定30曲のラインナップには一部謎もあった。