Ballads in Love The greatest love songs of DEEN(初回盤)
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 原曲、セルフカバー回数 |
1 | MY LOVE〜Introduction〜 | 山根公路・ 宇津本直紀 |
山根公路 | 新録音Instrumental | |
2 | 夢であるように | 池森秀一 | DEEN | 侑音 | 13thシングル 3回目(※) ※テイルズバージョンとその再録Ver.除く |
3 | もう泣かないで | 池森秀一・ 川島だりあ |
山根公路 | 侑音 | 41stシングル 初 |
4 | このまま君だけを奪い去りたい | 上杉昇 | 織田哲郎 | 侑音 | 1stシングル 4回目 |
5 | 君がいない夏 | 小松未歩 | 小松未歩 | 侑音 | 12thシングル 2回目 |
6 | 君の心に帰りたい | 池森秀一 | 山根公路 | 侑音 | 2ndアルバム『I wish』収録曲 初 |
7 | Celebrate | 池森秀一 | 山根公路 | 侑音 | 35thシングル 初 |
8 | 星の雫 | 池森秀一 | 山根公路 | 侑音 | 6thアルバム『UTOPIA』収録曲 初 |
9 | 心から君が好き〜マリアージュ〜 | 樹林伸・ 池森秀一 |
田川伸治 | 侑音 | 39thシングル 初 |
10 | Blue eyes | 池森秀一 | 山根公路 | 侑音 | 1stバラードベスト『Ballads in Blue』収録曲 2回目 |
11 | MY LOVE | 池森秀一 | 山根公路・ 宇津本直紀 |
侑音 | 19thシングル 初 |
No | タイトル | 担当楽器 | 原曲 |
1 | 夢であるように featuring 佐々木史郎 | Flugelhorn & Trumpet | 13thシングル |
2 | もう泣かないで featuring 勝田一樹 | Alto Saxphone | 41stシングル |
3 | このまま君だけを奪い去りたい featuring ダイスケ | Acoustic Guitar | 1stシングル |
4 | 君がいない夏 featuring 名渡山遼 | Ukulele | 12thシングル |
5 | 君の心に帰りたい featuring 下川美帆 | Violin | 2ndアルバム『I wish』収録曲 |
6 | Celebrate featuring 佐々木史郎 | Flugelhorn | 35thシングル |
7 | 星の雫 featuring 勝田一樹 | Tenor Saxphone | 6thアルバム『UTOPIA』収録曲 |
8 | 心から君が好き〜マリアージュ〜 featuring 浜崎香帆 | Acoustic Piano | 39thシングル |
9 | Blue eyes featuring 侑音 | Electric Guitar | 1stバラードベスト『Ballads in Blue』収録曲 |
10 | MY LOVE featuring ダイスケ | Acoustic Guitar | 19thシングル 配信版では本編12曲目に追加収録 |
リリースデータ
2019年11月6日 | 初登場21位 | 売上0.4万枚 | Produced by DEEN | Epic Records |
メンバー
Vocal | 池森秀一 |
Keyboards&Back-up Vocals | 山根公路 |
DEENセルフカバーラブソングベストアルバム。7月1日に「ラヴソング」をテーマにした全曲新録音のセルフカバーアルバム『Ballads in Love』をリリースすると告知し、池森秀一のVocalと山根公路のPianoにStringsを加えた編成と先に発表。、その収録曲を決める『あなたの想い出に残るDEENのラヴソング投票』として楽曲リクエストとその楽曲にまつわるエピソードの募集が特設サイトにて行われた。募集は特にバラード縛りではなかったが、タイトルが『Ballads in Love』と先に公表されていたため、実質バラードのラブソングを募集するような形となっていた。9月9日から毎日1曲ずつ収録曲が発表され、10曲全てバラード系の楽曲が選出された。発表順と収録順が投票順位なのかは明言されておらず、順位も不明だがゲスト出演したラジオにて池森秀一が「Blue eyes」が1位だったとコメントしている。また同時に募集したエピソードは後に収録曲公開時やプロモーション用映像の中で紹介された。
当初の予告通り、ボーカル、ピアノとストリングス(Violin(1st,2nd),Viola2名,Cello2名)のみで構成されており、ギター、ベース、ドラムだけでなく、プログラミング(打ち込み)も使用されていない。最終的に発表されたタイトルと初回盤のパッケージデザインは01年のバラードベスト『Ballads in Blue〜The greatest hits of DEEN〜』初回盤を踏襲したものとなり、スリーブケースのデザインも色違いとなっている。帯が新たに付属している点は異なる。
「このまま君だけを奪い去りたい」は今作のバージョンで新たにMVが制作された。これは05年の2度目のセルフカバー版(31stシングル)のMVを踏襲した内容となっており、当時出演した永岡佑が14年ぶりに再度出演し、同じロケ地で撮影されている。
初回盤はDEENとゆかりのあるアーティストと共に録音したCD『Premium
Instrumental Album』が付属する。これは今作のセルフカバーアレンジから池森のボーカルパートを抜いてfeaturingアーティストの演奏による楽器がメインメロディーを奏でるという編成のインストアルバム。
ファンクラブ限定盤は2019年7月27日にBillboard
Live TOKYOで行われた『AOR NIGHT CRUISIN'〜4th Groove〜』から「i...」のライブ音源を本編12曲目に追加収録。
通常盤は同公演から「五番街のセレナーデ」のライブ音源を本編12曲目に追加収録。3種で収録内容が異なる3パターン複数商法となった。
※これまで内容違いがある場合は全種入手してきたが今回は切り捨てて初回盤のみの入手。
また配信版は何故か通常盤準拠(「五番街のセレナーデ」ライブ音源)ではなく、12曲目に初回盤『Premium Instrumental Album』の「MY LOVE featuring ダイスケ」を追加収録した仕様となっている。
今回は初セルフカバーの楽曲が半数を越えた。「JUST ONE」入らなかったか…というのはあるけど、概ね大多数のファンが納得しそうな人気バラードが選ばれたのかなと思う。「君がいない夏」や「星の雫」などライブでの扱いが長年不遇を極めていながらも好きだという人が多い印象があった楽曲がきちんと収録されている辺りもファン投票っぽい。ただまさかここにきてこの編成でも原曲キー復活のままとはファンでも思っていなかっただろうから、原曲キーで歌うならもうちょっと昔の曲に投票してたよ…っていう人も少なくないかも(個人的にはラブソング縛りでエピソード投稿だったので投票には参加しなかった)。
相変わらずメンバーの人気曲感覚ちょっとズレてるなと思ったのは池森さんがラジオ出演時に意外だった選曲はありますか?と聞かれて確か聞いた限り2回「君の心に帰りたい」を挙げてシングルでもない古いアルバム曲が人気なのが意外だったみたいにコメント。しかし「君の心に帰りたい」は01年の『Ballads in Blue』ファン投票堂々の3位で収録を果たした超人気曲。人気の割にあまりライブでやっていなかったので投票対象のライブリストにこの曲がほとんど無い状態だったが2010年にファン投票で収録曲を決めたライブ盤『ALL TIME LIVE BEST』でも見事アコースティックでのライブ音源というほぼピンポイントで選曲されるなど人気は変わっていなかった。そしてファン投票ではない2013年の20周年ベスト『DEENAGE MEMORY』にも収録されている。
今作に選曲された10曲の中では、当時出演した映画主題歌となりMV制作のアルバムリード曲になったものの『ALL TIME LIVE BEST』不選出(この曲の選択肢がそもそも1つしかなかった)、2ndバラードベストに無視され、2014年の『マニアックナイト』で披露される扱いまでレア曲化していた「星の雫」が選曲された事の方が意外なのでは…。なお「Blue eyes」に関しては以前から人気であることを把握している発言をしていた。
これまでのDEENのアコースティック系のセルフカバーは基本的に田川伸治主導によるアコースティックギターメインのアレンジが施されていたものがほとんどで、メンバーだけと言いながらも同期を多用したものも多かった。ピアノとストリングスのみの演奏となった今作は意外にもやった事が無い方向性であり、打ち込みも無しなので思っていたよりも新鮮に聞ける。大胆にイメージを変えた曲は無いが、より歌とメロディーを生かし、さらに原曲の印象的な間奏のフレーズなんかはピアノかストリングスで再現するなど、原曲のイメージを保ちながらも新しく聞ける仕上がり。原曲キーのままの歌声は当時とは違うものの、力強さが戻っていて感動的だ。声変わりの過渡期だった「Blue eyes」、古い曲のキーを最も下げていた頃の「星の雫」なんかは特に違いが出ていると思う。ここで「星の雫」がまた聞けたのは本当に嬉しいな…。
一方驚きなのがアレンジ侑音に丸投げ。ピアノ+ストリングス編成なら確実に山根さんの担当分野と思われるが(ストリングスアレンジも以前からやっていた)、新たなサポートギタリストにまさかギターの入ってないピアノ+ストリングス編成のアレンジまで丸投げで任せてしまうとは思わなかった。いくら何でもこれは荷が重すぎたんじゃないだろうか…。結局ピアノの演奏とか原曲とあまり変わってない部分もあるし、今作が今までのセルフカバーに比べるとかなり原曲尊重のアレンジになっているのは、そういったところも影響したのかもしれない。
いずれにせよアコースティック編成でのライブは大半がアコースティックギター主体のアレンジで非常に脱退した田川色が強かっただけに、2012年のTriangle Cover Albumでのアレンジにしてもアコースティックコーナーで披露してきた数々のアレンジにしても大半が破棄か大幅変更を余儀なくされ、ピアノ主体としたこの方向性でのアレンジでの披露は今後増えそうなので割と今後の基礎になりそうなアルバムなのかなとも思う。
Premium Instrumental
Album
"DEENとのゆかり"は概ね以下の通り。
佐々木史郎、勝田一樹→初期からレコーディングに参加
ダイスケ→2016年に池森が新曲をプロデュース、前アルバム『NEWJOURNEY』収録の「Aloha<Album
Version>」ではアコースティックギターと一部ボーカルで参加。
名渡山遼→2009年リゾートライブの逗子公演でウクレレでゲスト参加、翌2010年の『クロール』収録の「瞳そらさないで〜'09+Ukulele
Style〜」にウクレレ追加録音で参加。
下川美帆→99年以降のライブ・レコーディングでストリングスを入れる際にはほぼ全てに参加、今作本編にも1st
Violinで参加。ただし今作を引っ提げての東北ツアー+東京追加公演では今作で2nd
Violinで参加している加藤大貴が帯同しての3人編成だったそう。
浜崎香帆→東京パフォーマンスドールのメンバー。ピアノ演奏ではこれがデビュー作。池森と父親が古くからの友人同士だったため、娘の香帆が幼い頃から面識があったらしく、東京パフォーマンスドールとはレコード会社が同じEpicだったという偶然もあって参加。
侑音→田川伸治脱退後のサポートギター兼メインアレンジャー。今作でも本編インスト以外の全曲のアレンジを担当。
古くから継続して参加し続けている面々とここ数年で参加した面々が並んでいて、初交流から今作までやや期間が空いているのは名渡山遼くらい(この人は昔からDEENファンだったと公言していた)。知り合いの娘採用というのはミラクルにしても10曲10人とは行かず、佐々木史郎、勝田一樹、ダイスケは2曲参加となるなど、これまで多数のコラボを展開してきただけにちょっと人選が寂しい気も。一応サックスは種類を変え、Flugelhorn単独と、FlugelhornとTrumpetを重ねているので、完全に楽器編成が被っているのはダイスケのアコースティックギターだけとはいえ、各楽器がボーカルの代わりにメインメロディーを奏でるというこの企画自体がどうにも微妙…。改めてメロディーの良さに浸ってくださいみたいな事を池森さんがラジオでコメントしていたが、ピアノストリングスというシンプル編成の本編がまさにそういう仕上がりになっていたため、同じアレンジでゲストプレイヤーの楽器がメインメロディーなのをもう1回聞かされてもな…となってしまうところはある。こういう企画に走った辺りからしてもギタリストが脱退してどう展開していくかは思った以上に苦心しているのかもしれない。
そういえばこれまで特典で付属する企画ベストを除けばメインでリリースしたベスト盤、企画ベスト、セルフカバーには必ず1〜2曲まっさらな新曲が収録されていたが今作は新曲が無いというベスト史上初の事態となっているのは少し気になった。
印象度★★★★☆
2019.12.15更新