DEEN LIVE JOY-COUNTDOWN SPECIAL〜ソロ!ソロ!!ソロ!!!〜

リリースデータ

メンバー

DEEN25th映像作品。Blu-ray/DVDでの発売。2017年12月31日に行われたカウントダウンライブ「DEEN LIVE JOY-COUNTDOWN SPECIAL〜ソロ!ソロ!!ソロ!!!〜」の模様を全曲収録。08年の初の日本武道館公演以降は日本武道館ライブとそれが無い年に行われた47都道府県ツアーしか単独映像化されなくなり、それ以外のライブはアルバムの特典映像としてDVD/BD化されていたため、武道館と47ツアー以外のライブ映像が単独発売されるのは『LIVE JOY 2007-2008 JAPAN ROAD 47+6』(Break12を収録)以来となった。2018年3月11日の『DEEN at BUDOKAN FOREVER〜25th Anniversary〜』が先に発売されていたため、発売順が前後し、今作はまだ田川伸治在籍時の3人での作品となる。

Blu-rayは完全生産限定盤となっていて、ソロステージと同じ楽曲のスタジオ録音バージョンを収録したCDが付属する。新録音、NEW MIX含む最新リマスタリングとされているが、山根公路のソロ曲に新録音の記載があるのみで、NEW MIXが施された曲については明記されていない。DVDはCDが付属せずライブ映像のみ。

前3年のカウントダウンライブはマニアックナイトと称してライブで全く披露していないか当時披露したっきりだったレアな曲を並べるというものだったが、今回は初の試みとして3人それぞれのソロステージ5曲ずつ+DEENという構成。各自が披露したソロ曲は既存曲もあったが、初披露の新曲も含まれていた。これら初披露の新曲は25周年ベスト『DEEN The Best FOREVER』FC限定盤のみに付属する特典CD『DEEN The LAST』でCD化された。田川伸治の脱退が絡んだため、『DEEN The LAST』というタイトルとなり3人での最後のオリジナルアルバムと宣伝されたが、、元々はこのライブでのソロ企画を発展させたソロ曲集企画アルバムとして制作されていたものと思われる。

池森ソロ
通常の宮野・HIDEのサポートに加えてキーボードに大平勉、サックスとパーカッションにGary Scottが参加。もう1人サックスでKeisukeという人物がクレジットされているが、Gary Scottがパーカッションに回っている「パッパヤ♪ボクトキミ」「流星」で代わりにサックスを担当している以外には姿を見せず、サポート陣が全員集結した最後の「Dance with my Music」でも彼だけ参加していないのでサポートのサポートといった感じ。ギターは入れていない(アコースティックギターのような音色が聞こえる気がするがたぶん同期)。

いきなり金髪姿で登場(DEENとして登場時には黒髪に戻している)し、近年のDEENよりも大人っぽいステージを展開。「パッパヤ」と紹介された「パッパヤ♪ボクトキミ」だけはじけたノリだけど大人っぽい曲が並んでいるのでこの5曲のステージでは盛り上がりを担っていてそんなにパッパヤな感じではない。というかオリジナルが打ち込みだったのが生演奏、しかもサックスまでついているのでかなり印象が異なって聴き応えがある。近年のパッパヤイメージが覆る久々にカッコいい大人の池森さんのステージだ。

山根ソロ
デビュー前に一緒にバンドを組んでいた古井弘人がキーボードで参加し、自らはギターを演奏。上海ロックスターは別人設定なのでそれ以外のソロナンバーを披露。ライブ時点で入手可能だった曲が「Come on!」しか無かったのでややマニアックな感じに。これまでのソロコーナーでは上海ロックスターのステージが多かったので、こういったソロステージは新鮮だ。旧知の仲である古井弘人の共演というのも見どころとなっていて、2人のトークや想い出話も少しだけMCで聞けるのはレアだ。

田川ソロ
ゲストプレイヤーは無しで、サポートは宮野・HIDEのみ。ここ5年くらい派手なロックサウンドをやらなくなっていて、落ち着いた雰囲気のギターを奏でるようになっていたが、そんな近年の志向が強く出ていて、聞きやすいオシャレな感じのインスト曲が並んでいて「UTOPIA」はやや派手ではあるが、以前のようなバリバリのロックはやっていない。志向が変わったのか、DEENで激しいロックをやっても意味が無いと考えが変わったのかは不明だが、脱退が決定していたであろうこのライブ、何を思ってDEENとしての最後のソロコーナーを演奏していたのか…。この後のDEENでのカウントダウン後のMCでも田川さんだけ新年の挨拶が観客へ向けていい1年になるようにという話とカウントダウンにきっちり合わせたここまでのライブ進行を無事に予定通り済ませた事のみ語っていて(池森さんは25周年を迎える話、山根さんは今後も作品を出していく意向などを語っている)脱退が決まっていたけどまだ発表になっていないという微妙な状況が出ていたのかなぁと思った(その後のMCで武道館で会いましょう的な話はしている)。

DEEN
カウントダウンまでは17thアルバム『PARADE』収録曲を連続フル披露。47ツアー中にリリースしたのに「君へのパレード♪」「キズナ」「サマーソング」しか披露しなかったため、冒頭2曲がライブ初披露。さらにこのアルバムはベースドラムが全面打ち込みだったため、ベースドラムの入ったバンドでの披露は5曲全て初披露。加えて3月の武道館では「君へのパレード♪」は47ツアー同様に3人だけで披露したため、「キズナ」でしかバンドで演奏しておらず、これで田川脱退となったため、このバンドバージョンでの演奏はここでしか見れない・聞けない貴重な映像になったと思う。どの曲もCDより明らかに躍動感があっていい。改めて『PARADE』というアルバムは3人+打ち込みで制作せずにいつものバンド編成で作り上げてほしかった…。

後半はロックメドレー。振付系に何かと寄りがちな近年だが、初期の定番シングルも出してこないこういう割と硬派な感じのロックメドレーは意外とレアかも。最後は振付路線が始まった時期の振付ソング「Dance with my Music」で全員集合で締め。マニアックナイトではないものの、ド定番初期ヒットシングルを出してこないという新鮮なステージだった。

そんなわけでソロもDEEN(前半)も大半のスタジオ音源が打ち込みだったので、ベースドラムを入れたバンド演奏というだけでかなり新鮮に聞こえる上に明らかにライブの方がいいというなかなか面白いライブだった。

Studio Recording CD
最近はライブCD付属が続いていたが、今回はライブ音源ではなく、ソロ15曲のスタジオ音源を引っ張ってきた編集盤。FC予約限定だったので発売前に入手不可になった『DEEN The LAST』から一部の曲の入手が可能になったほか、FC限定山根公路ソロアルバム『COZZY』はさらに入手困難なのでここで聞けるようになったのは嬉しい。この山根ソロのみ新録音が行われているのもポイントだが元の音源知らないので違いが分からん…。NEW MIXは良く分からないが「SHA LA LA LA LOVE YOU」はリマスターにより音がデカくなった以上に何か聞こえ方が違うような気はする。また大半の曲が打ち込みで制作されているため、ライブ映像を見た後だとやや簡易な仕上がりに聞こえてしまうところもある。いずれにせよ同じ曲でもライブとはだいぶ印象が違うので聞き比べも楽しめる。

かなりファン向けではあるけどマンネリのない試みとしてマニアックナイトに続いて面白いソロ企画だったと思う。直後に田川脱退が来てしまったため、脱退直前で何でこういう企画になったのか意味不明になってしまったのと(後から急に脱退が決まったという事か)、本来このライブの延長企画だったはずのソロ曲集アルバムが、3人で最後のオリジナルアルバムと称されて『DEEN The LAST』なんて題されたせいで違和感だらけの微妙な立ち位置になってしまったのは残念だった。

完全生産限定盤Blu-ray　　DVD　

印象度★★★★☆

2018.12.31更新

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