Sea and The Darkness

No タイトル 作詞 作曲 備考
1 Sea and The Darkness 尾崎雄貴 尾崎雄貴&尾崎和樹  
2 カンフーボーイ / Kung Fu Boy 尾崎雄貴 尾崎雄貴  
3 ゴースト / Ghost 尾崎雄貴 尾崎雄貴  
4 ウェンズデイ / Wednesday 尾崎雄貴 尾崎雄貴  
5 ベッド / Love Song 尾崎雄貴 尾崎雄貴  
6 鳥と鳥 / Bird Cage 尾崎雄貴 尾崎雄貴  
7 燃える森と氷河 / Different Kinds 尾崎雄貴 尾崎雄貴  
8 日曜 / Her Surprise 尾崎雄貴 尾崎雄貴&尾崎和樹  
9 恋の寿命 / Limit of Love(re-mix,re-master ver) 尾崎雄貴 尾崎雄貴 8thシングル 最高25位 売上0.3万枚
10 嵐のあとで / After math 尾崎雄貴 尾崎雄貴 9thシングル 最高35位 売上0.2万枚
11 ユニーク / Unique 尾崎雄貴 尾崎雄貴  
12 ブルース / Blues 尾崎雄貴 尾崎雄貴  
13 青い血 / Blue Blood 尾崎雄貴 尾崎雄貴  
14 Sea and The DarknessU(Totally Black) 尾崎雄貴 尾崎雄貴&尾崎和樹  
Bonus Track
15 クライマー(re-master ver) 尾崎雄貴 尾崎雄貴 10thシングル 最高29位 売上0.5万枚
16 ボニーとクライド(re-mix,re-master ver) 尾崎雄貴 尾崎雄貴&佐孝仁司 10thシングルC/W

リリースデータ

2016年1月27日 初登場19位 売上0.7万枚 Produced by Galileo Galilei SME Records

メンバー

Song Writer,Vocal,Guitar,Bass,Keyboard&Programming 尾崎雄貴
Bass,Keyboard 佐孝仁司
Drum,Percussion,Piano&Programming 尾崎和樹

Galileo Galilei4thアルバム。ミニアルバム『See More Glass』から1年3ヶ月ぶり、フルアルバムとしては『ALARMS』以来2年3ヶ月ぶり。前作以降の3シングルとC/W1曲を収録。このうち「クライマー」、「ボニーとクライド」はボーナストラック扱いとなっているほか、「嵐のあとで」以外の「恋の寿命」「ボニーとクライド」にはリミックス&リマスター、「クライマー」はリマスターを行っている旨が表記されている。またタイトル曲とボーナストラックを除いて英語タイトルが併記されている。初回盤は「恋の嵐」「クライマ」のMusic Video、「嵐のあとで」のNeue Vox Session、「カンフーボーイ with POP ETC」を収録したDVD付、スリーブケース仕様。

2016年年明けになって3〜4月のツアーを持ってGalileo Galileiを"終了"するとして解散発表。発売直前に今作が最後のオリジナルアルバムとなる事が判明した。後に6月のベスト盤発売、10月11日にラストライブ「Galileo Galilei Last Live〜車輪の軸〜 at 日本武道館」が発表され、これにて活動を終了した。

解散の理由は音楽性や仲違いではなく、10代でデビューしてついたパブリックイメージと成長して変化していくバンドの実態とがメンバーの中で剥離してしまいGalileo Galileiという名前で続けることに窮屈さを感じたといった内容の事が語られていた。この時点でも音楽活動の継続は当然ながら解散して個々に続けるよりも別の名前で再始動する事をかなりほのめかすような姿勢を取っており、実際に翌2017年には尾崎雄貴のソロプロジェクトとしてwarbearが開始され、そこに尾崎和樹が参加していた。そして2018年にwarbearとしての初ツアーで、元メンバーと共に新バンドBird Bear Hare and Fishを結成すると発表。ソロ活動を挟んで改名しての再始動となったが、この際には同じメンバーでもう1回組む事になるとは考えていなかったと語っている。

既出シングルのリミックスはともかくリマスターというのはアルバム全体にマスタリングを施しているので自動的にリマスターされているはずだが、いちいち強調して表記し、「嵐のあとで」だけ表記が無いので、普通にマスタリングする以上に変化が出るくらいのマスタリング作業を行った…という事なのか。マスタリングエンジニアはGreg Calbiとなっている。

ミニアルバム『See More Glass』でギターロックに寄せたのに反響が無く、もう客層は入れ替わっていると判断してある程度自由にはなったようだが、結局葛藤は続いていてGalileo Galileiを"終了"する決断を下しての制作となった今作。終了を前提にしたせいか、特にこれという方向性を持たせず、特に"ギターロック"、"インディーロック"、"シンセ"といったここまでやってきた方向性のいずれにも傾かないように自由に作って最後になってこれこそがGalileo Galileiだというのを確立したようなそんなイメージの1作。全体にはとにかくギターを鳴らし過ぎず、ふわふわとしたシンセを入れ過ぎずといった感じで割と隙間のある3人のバンド演奏を軸にした作風。隙間がある感じがするのはこの隙間をギターをかき鳴らして埋めることもシンセで埋めることもしていないからだろう。

インタビューを見るに正直このバンドはあまりにもパブリックイメージとかカテゴラズを気にしすぎていて、自分達で勝手にこう思われていると決め込んでいつまでもそのイメージ持たれるのは本意ではないとか自分で自分の首を絞めて窮屈になっている側面もちょっとあった印象も否めない。今作でも冒頭の「Sea and The Darkness」について今回のアルバムではギターロックのアルバムとかシンセのアルバムとか最初にそういうイメージを持たずに聞いてほしくて入れたとかこの期に及んでもまだイメージを気にしていて相当ナイーブになっているなという感じもする。じゃあ実際どう思われたかったのかというところは正直ハッキリしてなくて、こう思われたくないという事ばかり目立ってしまった。結局こういうのは発言するよりやりたいことを貫いて音で納得させるのが1番だったのではないか。いずれにせよ長い葛藤があったためか今作では今まで入れてこなかった内面を反映させた結果、暗めの歌詞になっているのでダークな感じはする。しかし暗黒な重さではないし、元々そんなに明るくもなかった。なんだかんだ今まで全部ひっくるめたGalileo Galileiの集大成は今作、当然完成度も今作がMAXの最高傑作という事にはなるんじゃないかとは思った。

ただ1曲1曲はけっこう淡々としていて地味めなので曲単位では印象に残りにくく、完成度の高さは感じるが好みでは正直あまりなかった「恋の寿命」はそんな中で初期の作風を今の作風で昇華させた強い1曲だったと思うし、先行3シングルだと前作以上にもう少しギターを中心としたロックサウンドでまとめてくるかのようにも思えたが、そうでもなかったのはシングル3作はアニメタイアップ続きで求められるものに応えて多少はシングル&アニメタイアップ用に派手に仕上げていたという事だったのかもしれない。

SMEが持ってくるのは音楽性が激変しても最後までアニメタイアップばかりだった。これだけパブリックイメージを終始気にしながら活動していたメンバーだけに、当然アニソンバンドと思われているだろう事は感じていたはず。というかシングル10作中7作がアニメタイアップだったので一般的にはインディーロックだシンセだギターロックだというイメージ以上に総じて"アニメタイアップバンド"が1番パブリックイメージだったんじゃないかという気も(わずか7枚差だが最高売上はシングル「青い栞」で2番目が1stアルバム『パレード』、3番目がシングル「サークルゲーム」、4番目に2ndアルバム『PORTAL』となり、特に『あの花』アニメタイアップヒットが際立った)。そのイメージについてはどうだったんだろうか。そこに触れると間違いなく大炎上するだろうからあえてそのアニソンイメージには言及しなかったのか…。

B019CVFTY4初回盤DVD付   B019CVFTXU通常盤    

印象度★★★★☆

2020.11.2更新

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