See More Glass

No タイトル 作詞 作曲 編曲 備考
1 サニーデイハッピーエンド 尾崎雄貴 Galileo Galilei,Christopher Chu Galileo Galilei,Christopher Chu  
2 Mrs. Summer 尾崎雄貴 Galileo Galilei,Christopher Chu Galileo Galilei,Christopher Chu  
3 バナナフィッシュの浜辺と黒い虹 with Aimer 尾崎雄貴 Galileo Galilei,Christopher Chu Galileo Galilei,Christopher Chu  
4 山賊と渡り鳥のうた 尾崎雄貴 Galileo Galilei,Christopher Chu Galileo Galilei,Christopher Chu  
5 プレイ! 尾崎雄貴 Galileo Galilei,Christopher Chu Galileo Galilei,Christopher Chu  
6 ブリキと銀とウォルナット 尾崎雄貴 Galileo Galilei,Christopher Chu Galileo Galilei,Christopher Chu  
7 親愛なるきみへ 尾崎雄貴 Galileo Galilei,Christopher Chu Galileo Galilei,Christopher Chu  
          15分15秒から「鳥と鳥」
          24分50秒から「めんどくさ」

リリースデータ

2014年10月1日 初登場23位 売上0.5万枚 Produced by Galileo Galilei POP ETC SME Records

メンバー

Vocal,Guitar,Synthesizer&Programming 尾崎雄貴
Bass,Guitar,Synthesizer&Programming 佐孝仁司
Drums,Guitar,Percussion,Rhythm Machine,Synthesizer&Programming 尾崎和樹

Galileo Galilei3rdミニアルバム。3rdアルバム『ALARMS』より1年ぶり。この間にシングルリリースも無く、全曲新曲。前作に続いてPOP ETCとの共同プロデュース名義となっているが今作では作編曲ではChristopher Chuが個人名で表記された。「親愛なるきみへ」終了後に長い無音を経て15分15秒から「鳥と鳥」、更なる無音を経て24分50秒から「めんどくさ」シークレットトラックとして収録されている(曲名は解散前に公式Twitterで正式に明かされている)。初回盤は2月に行われた渋谷公会堂でのライブから「老人と海」「サークルゲーム」「青い栞」の3曲のライブ映像を収録したDVD付、スリーブケース仕様。前作よりさらにじわりと売上を落とし、メジャーデビュー以降では最低位となるトップ20落ちとなった。

前作に続いて同じ制作体制ではあるが今作ではさらにバンド感が戻り、ギターロック色が初期ほどではないがだいぶ強くなっている。理由はインタビューで色々語っているが、2ndアルバム以降邦ロックを自身の音楽プレイヤーからも消して理想の方向性を目指していたが、今回は既に作っていた50曲を一旦封印して邦ロックを聞いているリスナー層へもう1度訴えかけたかったという事でこの方向性を選択したという事らしい。このやりたい方向性を分かってほしかったというリスナーに対する複雑な思いはややぼかしながらもラストの「親愛なるきみへ」の歌詞で訴えかけているようにも読める。結果ついてきているファンからは2nd『PORTAL』が良かったと不評で、1st『パレード』までのファンはとっくに見切っていて聞きもしない、彼らが訴えかけたかった邦ロックリスナーは基本その時々で新たに注目されている新鋭のバンドへ飛びついていき既にシーンから消えかけている人たちレッテルを貼った以上はやはりろくに聞きもしない、聞き続けている人は聞き続けていて高評価だが、その数が再度増えるなんてそんな簡単にミニアルバム1枚で評判がコロッと上向くはずもない。これでもますます売れなくなっていってしまう。メンバーとしては期待通りに行かなかったのはGalileo Galileiの名前に対する先入観が原因と考えたものと思われ、いよいよこのバンド名に矛先が向いてこの名前での活動に困難を感じて次のアルバムを持って終了(事実上改名して時間を置いて再始動)という事になった…という流れだろうか。

今作は確かに2ndアルバム以降に比べると格段にポップで明るくストレートな雰囲気になってはいるが、Christopher Chuの全面起用による洋楽テイスト、2nd以降培ってきた方向性も融合させているので、あくまで2nd以降に比べればポップでギターロックという感じ。印象的な初期シングルヒット的なメロディーが聞けるかというと正直そこまでではない。いいにはいいんだけど、それこそ目指しているのが邦ロックになってしまっていてJ-ROCKとかインディーロックとかなんとかそういうジャンルとか意識して聞いてない普通の10代や同世代のリスナーには向いていない。これは今作の後のシングルのインタビューでメンバーが今作についてJ-ROCKに寄せたのに反響が無かったとか、ファン層がとっくに入れ替わっているのが分かったとか振り返っていた事からも明らかだが、それはちょっと違うのではないか。そもそもそんなに1stアルバムまでの頃にJ-ROCKのバンドと認知されていたかというともっと普通に若手ロックバンドというイメージじゃなかったっけ。少なくともSMEはJ-ROCKだけで売り出していなかったし、もっと同世代の一般リスナーに向けて広く認知されるように売り出していたはずだ(ジャンルというなら普通にJ-POPのロックバンドという事になるか)。

1stまでのGalileo Galileiの良さというのはそういった特別音楽ファンでもない10代や同世代のリアルタイムな共鳴にあったのではないかと今になって思う。これは意識してやっていた事ではなく、単に彼らが若く、合わせに行かずとも自然と滲み出ていたもので、無自覚にして最大の武器だった。個人的にも邦ロック(J-ROCK)とかインディーロックとかそういった音楽シーンの様子とかよう分からんし、興味も無いし、そこを意識してシーンの今がどうとかで聞いていないので、今作の彼らが想定している邦ロックリスナーが期待しているJ-ROCKに寄せて今までとも融合させてみました感のあるポップさはいかにも玄人的、音楽シーン(実態はロック雑誌で括られる範囲内という狭い枠内)での立ち位置的な考え方に染まっていて中途半端に感じてしまった。そりゃそういう反響を期待をしていたなら期待した反響は無いのは当然だろうなと思ったし、前述のようにそんな簡単にこのミニアルバム1枚で邦ロックリスナーが帰ってきて聞いてくれて再評価してくれるなんて事は無いわけで…。次々興味が移り変わっていってそこに全力で向き合っていく素直な姿勢もいいんだけど、アルバムごとの切り替えの早さは特定のカテゴライズに向けて狙っていくにはちょっと弱点だったのかもしれない。

あと「バナナフィッシュの浜辺と黒い虹 with Aimer」のwith Aimer、withというかAimerへの提供曲みたいになってて思った以上にAimerがガッツリ歌ってて驚いた(『車輪と軸』で尾崎ボーカルバージョンが聞ける)。その気があったならAimerのアニメタイアップシングルとかに本格的に提供していたら作家として当たる(UNISON田淵的な)という道はあったかも?

B00M69J3N8初回盤DVD付  B00M69J2IO通常盤 

印象度★★★☆☆

2020.10.26更新

戻る