ONE LOVE Anthology

Disc 1
『ONE LOVE』Remix & Remastering 2021
No タイトル 作詞 作曲 編曲 備考
1 ALL STANDARD IS YOU TAKURO TAKURO GLAY,佐久間正英&dj honda  
2 WET DREAM TAKURO TAKURO GLAY&佐久間正英  
3 嫉妬 TAKURO TAKURO GLAY&佐久間正英  
4 HIGHWAY NO.5 JIRO JIRO GLAY&佐久間正英  
5 Fighting Spirit TAKURO TAKURO GLAY&佐久間正英  
6 ひとひらの自由 TAKURO TAKURO GLAY&佐久間正英 24thシングル(限定) 最高1位 売上35.3万枚
7 THINK ABOUT MY DAUGHTER TAKURO TAKURO GLAY&佐久間正英  
8 VIVA VIVA VIVA TAKURO TAKURO GLAY&佐久間正英  
9 Prize HISASHI HISASHI GLAY&佐久間正英  
10 MERMAID TAKURO TAKURO GLAY&佐久間正英 19thシングル 最高1位 売上77.2万枚
11 mister popcorn JIRO JIRO GLAY&佐久間正英  
12 電気イルカ的奇妙ナ嗜好 HISASHI HISASHI GLAY&佐久間正英  
13 STAY TUNED TAKURO TAKURO GLAY&佐久間正英 23rdシングル 最高2位 売上38.4万枚
14 君が見つめた海 TAKURO TAKURO GLAY&佐久間正英  
15 夢遊病 TAKURO TAKURO GLAY&佐久間正英  
16 Christmas Ring TAKURO TAKURO GLAY&佐久間正英  
17 GLOBAL COMMUNICATION TAKURO TAKURO GLAY&佐久間正英 22ndシングル 最高1位 売上49.1万枚
18 ONE LOVE〜ALL STANDARD IS YOU reprise 2021〜   TAKURO HISASHI  

 

Disc 2
『ONE LOVE Anthology』Demo & Remix
No タイトル 備考
1 ALL STANDARD IS YOU Demo デモ
2 WET DREAM Demo デモ
3 嫉妬 Demo デモ
4 HIGHWAY NO.5 Demo デモ
5 Fighting Spirit Demo デモ
6 ひとひらの自由 Demo デモ
7 THINK ABOUT MY DAUGHTER Demo デモ
8 VIVA VIVA VIVA Demo デモ
9 Prize Demo デモ
10 MERMAID Demo デモ
11 mister popcorn Demo デモ
12 電気イルカ的奇妙ナ嗜好 Demo デモ
13 STAY TUNED Demo デモ
14 君が見つめた海 Demo デモ
15 夢遊病 Demo デモ
16 Christmas Ring Demo デモ
17 GLOBAL COMMUNICATION Demo デモ
18 ONE LOVE〜ALL STANDARD IS YOU reprise 2021 ver.2〜 別バージョン
19 SPECIAL THANKS Demo  20thシングル両A面曲 デモ
20 BACK-UP Demo 23rdシングルC/W デモ

 

Disc 3 Blu-ray
No タイトル 備考
Member Meeting for GLAY EXPO 2001 "GLOBAL COMMUNICATION” Document
1   ミーティング映像
2   ミーティング映像
3   ミーティング映像
4   ミーティング映像
Pre-production for GLOBAL COMMUNICATION Document
5   「GLOBAL COMMUNICATION」制作ドキュメント映像
6   「GLOBAL COMMUNICATION」制作ドキュメント映像
7   「GLOBAL COMMUNICATION」制作ドキュメント映像
8   「GLOBAL COMMUNICATION」制作ドキュメント映像
9   「GLOBAL COMMUNICATION」制作ドキュメント映像
ONE LOVE in 北京 Rehearsal & 赤坂BLITZ Live Digest
10   リハーサル映像
11   リハーサル映像
12   ライブ直前
13   ライブダイジェスト
14 GLAY EXPO 2001 Rehearsal Digest リハーサルダイジェスト BGM「ひとひらの自由」
TOWER RECORDS SHIBUYA Presents GLAY FILM EVENT ONE LOVE
15   メンバーコメント映像
16   「Fighting Spirit」Music Video
17   「嫉妬」Music Video
18   TV SPOT(CM映像)
19   JIRO CM(NO MUSIC, NO LIFE.)
20   発売前25thシングル「Way of Difference」フル音源公開(簡易な空の映像)
21   MVメイキング映像
22 ひとひらの自由 Multi Angle 4人それぞれの映像を選択可能な4マルチアングル
Music Video&Making
23 MERMAID Music Video 19thシングル 
24 MERMAID Making メイキング
25 とまどい Music Video 20thシングル
26 とまどい Making メイキング
27 SPECIAL THANKS Music Video 20thシングル両A面曲
28 SPECIAL THANKS Making メイキング
29 ひとひらの自由 Music Video 21stシングル
TV SPOT
30 GLAY EXPO 2001 "GLOBAL COMMUNICATION" performance by TAKURO SPOT CM映像
31 GLAY EXPO 2001 "GLOBAL COMMUNICATION" performance by TAKURO Making CM映像
32 SPECIAL THANKS CM映像
33 MERMAID CM映像
34 STAY TUNED CM映像
35 ONE LOVE ver.1 CM映像
36 ONE LOVE ver.2 CM映像
37 ひとひらの自由 CM映像
38 GLAY EXPO 2001 "GLOBAL COMMUNICATION”LIVE IN HOKKAIDO CM映像

リリースデータ

2021年4月28日 初登場9位 売上0.7万枚 Produced by GLAY、佐久間正英(DISC-1) LSG(ポニーキャニオン)

メンバー

Guitar,Piano TAKURO
Guitar HISASHI
Bass JIRO
Vocal TERU

GLAY6thアルバムのアンソロジー。Anthologyシリーズの一般発売では7作目(『GLAY Anthorogy』が2011年にFC&公式通販限定で発売されているので通算では8作目)。発売20周年に合わせてのリリースとなったが、11月の発売より7ヵ月前の発売となった。下がる一方だったアンソロジーシリーズの売上だったが、現存するファンは今作以降の方が思い入れが強かったのか前作より好調な売上を記録した。

前作までは別バージョンを除いて同時期のオリジナルアルバム未収録シングルA面、C/Wは基本的に全て追加収録しており、未収録になったのは前作での「It's dying It's not dying」のみだったが、今作では本編に追加収録する余地が残っていなかったのとそもそも該当時期の未収録シングルが多すぎたため、「ROCK ICON」(19thC/W)、「とまどい」「SPECIAL THANKS」「Good Bye Bye Sunday」(20th全曲)、「Missing You」「TIME」「WHY DON'T WE MAKE YOU HAPPY」「Surf Rider」(21st全曲)、「GOOD MORNING N.Y.C」(22ndC/W)、「BACK-UP」「Super Ball 425」(23rdC/W)11曲が未収録となった。11曲のうち「SPECIAL THANKS」「BACK-UP」はDISC-2にデモ音源のみ収録、「とまどい」「SPECIAL THANKS」はDISC-3にMVという形で収録されている。

DISC-1本編18曲をリミックス&リマスターで収録。今回は元々フルボリュームだったため追加収録の余地が無く、オリジナルのままの曲目となっているが、当時バージョン名がついていた「嫉妬(KURID/PHANTOM mix)」「ひとひらの自由(johnny the peace mix)」は新たなミックスであるためバージョン名が破棄されている。今作以降エンジニアが変わったため、5作連続でリミックス&リマスターを担当していたMichael Zimmerlingも降板となり(1曲だけ制作時期が異なる「MERMAID」は当時録音ミックスを手掛けていたが今作では恒例の記載ミスにより記載されていない)、本来であれば当時のエンジニアJohn Smithにリミックスを依頼するところだったがJohn Smithが消息不明になっていたため、現在もGLAYを手掛けていて、99年より佐久間正英のスタジオにアシスタントとして入っていて当時メインではなかったがJohn不在時にレコーディングを担当することもあったという競紀行がリミックスを担当。リマスターはDISC-2含めて前田康二が担当した。また「ONE LOVE〜ALL STANDARD IS YOU reprise 2021〜」のみ当時原曲の編曲にも名前が入っていたdj hondaによるリミックスとなっていてこの曲のみサブタイトルに2021が加えられるなど完全な別音源となっている。

DISC-2はデモ音源を収録。今回は全18曲そのまま1デモずつ収録された。「ONE LOVE〜ALL STANDARD IS YOU reprise 2021 ver.2〜」のみデモではなく、dj hondaによるリミックスの別バージョンとなっている。またアルバム未収録の同時期のシングルの中から「SPECIAL THANKS」と「BAKC-UP」のデモが追加収録されている。

DISC-3は当時のミーティング映像やライブ映像、ドキュメント、リハーサル映像、ライブ映像、MV、TV-SPOT映像など当時の様々な素材映像を収録したBlu-ray。

 

当時21世紀を迎えてこれまでとは違う新たなGLAYのロックバンドとしての魅力を引き出すためにMichael ZimmerlingからJohn Smithにエンジニアを交代していたので、果たしてアンソロジーシリーズとしても同じく交代となるのか、そのまま続投となるのか気になっていたが無事にマイケル降板となって一安心。正直マイケルは専門外のリマスターはあんまりやる気ないし、当時からほとんど音量変えないもんだから初期作品ほど音が小さくて1st、2ndアルバム辺りはデモ音源の方が音がデカいというワケ分からん事になってるし、リミックスも変な音足したり、勝手に消したり、やりたい放題な一方でイマイチ一貫性が無くてどう新しくしたいのか見えにくかった。回を追うごとに目的不明でただ何か変えなきゃなって感じが高まっていたので、自身が関わっていない今作できっちり交代になって良かった。今回のエンジニアは当時はアシスタントだったとはいえ、間近でレコーディング現場を見ていて現在のGLAYを担当している競紀行なのでGLAYを分かっている人物だし、インタビューでしっかりと1曲ごとに目的も語ってくれているのでオリジナルとの好みの差はあれども理解しやすい。例えば最近のライブとオリジナルのプレイがあまり変わらないので下手に違うテイクは持ってこれないとか、遊ぶ余地が無い曲なのであまり変えないとか色々考慮している事を語っているがマイケルはずっとGLAYとやってきているわけではないのでそういうところまでは把握していなかったと思う。しかも唯一のマイケルミックスである「MERMAID」は完璧だったのであまりいじらなかったとちゃんと敬意まで示している。というか当時のマイケルのミックスが完璧だったというのはこれまでのアンソロジーを聞く限り確かにそうだったと思うし、なんか変えなくていいところまで無理に変えている感じがずっと漂っていたのはそういう事だったのかなと。

また競紀行は領分を分かっていてリミックスまでしかやらず、リマスターは前田康二にしっかりお任せ。前田康二は『REVIEWU』DISC-2でマイケルリミックスのアンソロジー音源をリマスターしてアルバムごとにバラバラだった音量を1枚のアルバムで聞けるように整えた実績もあるので(BUMPの『RAY』で音圧勝負しすぎてぶっ叩かれたのに代表されるように波形分析官界隈にはあまり評価されていないが…)、今までよりも安心して聞けた。

というわけで今作のリミックスはマイケルのように何か大きく変えなければと無理矢理に変えたりはしていないので、これまでよりも違いが分かりにくくほとんど変わってないように聞こえる曲も多い。全体には音の粒立ちが良くなって違和感なくクリアに色々聞ける。無理に変えていないので違和感が無いというのが個人的にマイケルとの大きな違いだった。実はギターのテイクを差し替えていたりするのもあるようだけどインタビューを見ないと聞き逃してしまいそうで、今回はインタビューがあったのも本当に良かった。あと今作のリミックスで最も特徴的なのはサビで盛り上がるような演奏になっている曲の場合はそのメリハリをつけるために静かな部分をかなり小さく絞っていて盛り上がる部分での爆音っぷりを強調。「ALL STANDARD IS YOU」で早速それが炸裂しているが、音が小さいと思ってボリュームを上げてしまうとサビで耳が死ぬので注意が必要だ。インタビューによればこれくらいのメリハリは欲しいとしてそうしたようだけど、ちょっと強調しすぎに感じた。その強弱のつけ方が極端なところ以外は基本的に原曲の持ち味を生かしたまま音の分離を良くしたり、ブラッシュアップしたような原曲を理解してリスペクトしている丁寧な仕事ぶりが好印象。この方向性で前作までのマイケルリミックス&リマスターをやり直せないものなのか…。改めていいアルバムだったなと思ったし、適度な新鮮さと音のブラッシュアップが良かったのか今作に対するとにかく長すぎるという印象が当時よりも和らいだ。

あと唯一dj hondaに任せた「ONE LOVE〜ALL STANDARD IS YOU reprise 2021〜」はdj hondaがアンソロジーシリーズの流れを無視してミックス変更の意味合いではないDJ系のトラック加工のリミックスを普通に新規に行ったためオリジナルとはまるで違う音源に変貌。ていうかインストだったのに普通にボーカルメインになってるし、アルバムを締める余韻みたいな存在だったのにこれは毛色が違いすぎた。

DISC-2
全曲のデモ+かろうじて2曲収録でギリギリオーバーの80分30秒。弾き語りよりももう少しアレンジを進めたバンドサウンドでのデモが並ぶ(一部TAKUROボーカルデモもある)。完成版との聞き比べは楽しいが収録内容がギリギリだけに無理して全部入れなくても何曲かは省いて別の音源を収録しても…というところはある。以前はもう少し取捨選択しながら色々な音源を収録していたのに随分機械的になってしまったような…。「GLOBAL COMMUNICATION」だけは何故かやたらと歌詞がテキトーで笑える。これはBlu-rayの方でもこのふざけた歌詞を真面目に歌っている場面を見ることができるがデモ音源の中でも異彩を放ちすぎ。また「ONE LOVE〜ALL STANDARD IS YOU reprise 2021 ver.2〜」は相変わらずここだけデモでもなんでもない完全新規リミックス。dj honda氏、このシリーズがどういうものなのか全く理解せずに好き放題にリミックス作って提出したのでは…。

Blu-ray
前作同様に当時の様々な映像を収録。前半はミーティングやシングル「GLOBAL COMMUNICATION」制作ドキュメント映像、ライブのリハーサル映像が続く。貴重な映像ではあるものの、何の説明も無く垂れ流しで収録されているため、編集した方のインタビューを見てからの方がいいかも。ミーティングとかリハとかダイジェストは個人的にはあまり面白いものではなかったが、「GLOBAL COMMUNICATION」制作ドキュメントはその中では割と面白かった。ドラムのToshi Nagai氏とメンバーでスタジオで演奏しながらアレンジをしている様子が長めに出てくるが、その後プロデューサー佐久間正英が合流してのレコーディングスタジオで完成に近づいていく様子は短め。佐久間さんが合流してどんなアイデアを出したのかなどはほとんど分からないし、DISC-2で聞けるヤバすぎるデモ歌詞がいつ改善されたのかもちょっと曖昧と惜しい部分はあるものの、けっこうギリギリまで日本中の駅名ならいつでも言えるだのお酒は20歳だのジョビナジョビナだのジョビジョビでだのとヤバい歌詞のままアレンジを進めている様子が映し出されていてシュールだ。

「TOWER RECORDS SHIBUYA Presents GLAY FILM EVENT ONE LOVE」はフィルムイベントの映像でMV枠に曲名が無かったものの今作のリード曲として制作した「Fighting Spirit」→「嫉妬」の連作MVはここに収録されている。このイベントでは『あいのり』主題歌になっていたので音源だけは先にあった次のシングル「Way of Difference」を先行して流していたようだがMVはまだ作っていないので空の映像と歌詞テロップのみ。イベント映像そのまま放り込んだっぽいけど必要な部分だけ編集して分かりやすくした方が良かったのでは。メニューから「Fighting Spirit」「嫉妬」のMV選べないし(頭出しはされているのでスキップしていけば見れる)、「Way of Difference」は次のアルバムの曲になるわけだし…。

MV枠では「とまどい」「SPECIAL THANKS」が謎に収録されたものの、「Missing You」「GLOBAL COMMUNICATION」「STAY TUNED」はスルーという収録基準が良く分からない。「ひとひらの自由」もマルチアングルがあるのに改めて本MVも収録しているがこんなのは本MV+4人ソロ映像の5切り替えのマルチアングルでまとめて収録は出来なかったのだろうか…などどうも素材のチョイスや編集の雑さが随所で気になる。

今回は現在のメンバーインタビューは一切無く、当時の作品に対するメンバーインタビューも乏しい(タワレコイベントのコメントとかその程度)ので、メンバーが当時自信作と語っていた今作のその自信に対する当時の思いもあまり伺えず、20年経った現在どう思うかは一切出てこないという点でちょっと物足りなさがあった。『BEAT out! Anthology』は当時のライブだけだったし、『pure soul Anthology』も当時のライブとドキュメントだけだったので現在のメンバーが登場しないのはシリーズ3度目ではあるんだけど、今作に関しては今のインタビューは聞きたかったな…。

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印象度★★★★☆

2021.5.29更新

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