SPEED POP Anthology
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | SPEED POP(Introduction) | 佐久間正英 | 佐久間正英 | インスト | |
2 | HAPPY SWING | TAKURO | TAKURO | GLAY&佐久間正英 | |
3 | 彼女の“Modern…” | TAKURO | TAKURO | GLAY&佐久間正英 | 3rdシングル 最高45位 売上2.1万枚 |
4 | ずっと2人で… | TAKURO | TAKURO | GLAY&佐久間正英 | 5thシングル(カット) 最高34位 売上4.0万枚 完奏するシングルVer.基準に変更 |
5 | LOVE SLAVE | TAKURO | TAKURO | GLAY&佐久間正英 | |
6 | REGRET | TAKURO | TAKURO | GLAY&佐久間正英 | 4thシングルC/W |
7 | INNOCENCE | TAKURO | TAKURO | GLAY&佐久間正英 | 3rdシングルC/W |
8 | Freeze My Love | TAKURO | TAKURO | GLAY&佐久間正英 | 4thシングル 最高19位 売上7.2万枚 |
9 | 真夏の扉 | TAKURO | TAKURO | GLAY&土屋昌巳 | 2ndシングル 最高24位 売上4.3万枚 |
10 | Life〜遠い空の下で〜 | TAKURO | TAKURO | GLAY&土屋昌巳 | 2ndシングルC/W |
11 | JUNK ART | TAKURO | TAKURO | GLAY&佐久間正英 | |
12 | RAIN | YOSHIKI | YOSHIKI&TAKURO | YOSHIKI | 1stシングル 最高26位 売上10.1万枚 冒頭の雨の音があるシングルVer.基準に変更 |
13 | GONE WITH THE WIND | TAKURO | TAKURO | GLAY&佐久間正英 | 5thシングル両A面曲 |
14 | ACID HEAD | TAKURO& TERU |
TAKURO | GLAY&佐久間正英 | 5thシングルC/W |
Strings Arranged by 佐久間正英、YOSHIKI(12)
No | タイトル | 備考 |
1 | HAPPY SWING | 未発表デモ音源 |
2 | ずっと2人で… | 未発表デモ音源 |
3 | LOVE SLAVE | デモテープ『SPEED POP』収録Ver. |
4 | REGRET | 未発表デモ音源 |
5 | JUNK ART | デモテープ『DANCE VISION』収録Ver. |
6 | 心に雨が | デモテープ『DANCE VISION』収録曲 デビュー以降未発売曲 |
7 | MOON GOLD | デモテープ『DANCE VISION』収録曲 デビュー以降未発売曲 |
8 | SPEED POP(Introduction)(Recording 2014) | インスト 2014年新録音の未発表音源 |
9 | ずっと2人で…(GLORIOUS MILLION DOLLAR NIGHT Vol.2 Ver.) | 2015年7月(25日or26日)のライブ音源 |
10 | LOVE SLAVE(ROCK KIDS 802 Special Acoustic Live Ver.) | オムニバスアルバム『Hit Radio 802』収録Ver. |
11 | RAIN(Miracle Music Hunt Forever Ver.) | 2015年5月31日のYOSHIKIがゲスト参加したライブ音源 |
12 | ACID HEAD(Recording 2009) | 4thベスト『THE GREAT VACATION VOL.2』収録Ver. |
13 | SPEED POPメドレー(GLORIOUS MILLION DOLLAR NIGHT
Ver.) “HAPPY SWING/JUNK ART/REGRET/Freeze My Love” |
2013年7月28日のライブ音源 ライブDVD/Blu-ray『GLAY Special Live 2013 in HAKODATE GLORIOUS MILLION DOLLAR NIGHT Vol.1』収録音源 |
Disc 3 DVD
"Document of SPEED POP Days"
リースデータ
2015年10月28日 | 初登場7位 | 売上0.8万枚 | Produced by GLAY, 佐久間正英(Disc 1-1〜8,11,13,14,Disc 2-12),土屋昌巳(Disc 1-9,10),YOSHIKI(「RAIN」) |
loversoul music & associates |
メンバー
Guitar | TAKURO |
Guitar | HISASHI |
Bass | JIRO |
Vocal | TERU |
GLAY1stアルバムのアンソロジー。Anthologyシリーズの一般発売では2作目(『GLAY Anthorogy』が2011年にFC&公式通販限定で発売されているので通算では3作目)。『灰とダイヤモンド』に続いて発売20周年を記念しての作品。DISC-1は『SPEED POP』本編12曲の後にシングルカットされた「ずっと2人で…」の両A面曲「GONE WITH THE WIND」とC/W「ACID HEAD」の2曲を追加収録してリミックス&リマスターを施した内容。当時録音とミックスを担当していたMichael Zimmerlingが自らリミックスし、当時はTim Youngが行っていたマスタリング(リマスター)も自ら担当している。DISC-2は当時の未発表デモ音源、デモテープとして発売していた音源や、近年の再録音バージョン、ライブバージョンを収録した内容。DISC-2は山崎翼がマスタリングを担当している。DISC-3はドキュメント映像となっているが、メンバーはTAKUROしか登場していない。
当時の正式メンバーだったドラムのNOBUMASAは今作においてはGuest Musician枠のトップにクレジットされている。ブックレットでも基本4人に編集されているが、何点かNOBUMASAが写っている写真は掲載されている(1ページ丸々の写真では1枚のみ)。ただしNOBUMASAの参加音源がアルバム本編に1曲も無いため、1人だけ演奏参加楽曲表記が無い。またDISC-2の1〜7デモテープ音源に関しては「JUNK ART」「MOON GOLD」がJIROの演奏ではないと注意書きされているものの、サポートミュージシャンの表記が無い。
DISC-1
なんと音量が当時とほぼ同程度。95年のオリジナル盤は近年の作品と比べるとかなり音が小さい。近年の作品どころかDISC-2と比べても音量に差があり、今作には既にベスト盤で迫力あるリマスターを施されていた曲も多くてそっちで完全に慣れてしまっていた事もあって正直最初はしょぼいと感じてしまった。実際にはけっこう綺麗に作り直している感じではあるんだけど、激変した前作の印象が強いと今作の変化は分かりにくい上に物足りなさを感じやすいのは確かだと思う。しかもなんだかリバーブがかった感じもあって若干違和感も…。これはすぐ慣れて気にならなくなったけど、ちょっと期待していたリミックス&リマスターとは異なる音だった。相当聞きこんでいたファンなら感動できるとは思うんだけど、今作に関してはほとんどベスト盤で聞ける曲ばかりなのでアルバム単体で聞くことがほとんどなかった上に、GLAY飛躍前のアルバムといった印象でそんなに好きなアルバムでもなかった。印象が大きく変わるほどの変化ではなかったかなというのが正直なところ。
バラードはともかく「彼女の“Modern…”」なんかはやっぱりもっと迫力あるド派手な音で聞きたいし、マスタリング段階で当時の音量に合わせる必要があったのか…。Michael Zimmerlingにはせめてリミックスだけでマスタリングは別の人にやってもらった方が良かったんじゃないかとは思うけど、佐久間さんの盟友でもありコンビでの仕事が多かったMichael Zimmerlingとしては『SPEED POP』という作品はド迫力な現代の標準的な音圧で攻めるロックなアルバムではなくタイトル通りにポップなイメージだったのかも。
一方で初出であるアルバムでだけフェードアウトで終わっていて、シングルカット以降ベスト盤においても完奏するバージョンになっていた「ずっと2人で…」がここでは完奏するバージョンになっていたり、アルバムではカットされ8センチシングルでしか聞けなかったという冒頭の雨の音が復活した「RAIN」とか、一部の楽曲はロングバージョン(完全版)に差し替えになっているという細かいこだわりは良かった。
参考画像:「彼女の“Modern…”」の波形比較
DISC-2
こちらはマスタリングを山崎翼が担当していて近年の作品と音量がさほど変わらない。このためDISC-1から続けて聞くとはっきりと音がデカい。同じ作品なのにデモ音源集の方が音がデカくなるってのも妙な話で、これじゃDISC入れ替えの際にボリュームも変えないとちょっと聞けたものじゃないぞ…。
今回は完全未発表のデモ音源も収録されている。デモテープとして発売された方の音源はCDデビュー前とはいえ基本的には売り物として販売したものなので荒いながらもバンドになっているけど、未発表のデモ音源に関してはギターと歌だけの文字通りのデモ音源。歌詞が違うとか歌い方が違うとかあるものの、デモとしか言いようが無くあまり面白みは無くコアなファン向け。「心に雨が」「MOON GOLD」の2曲は結局インディーズデビュー以降に作り直される事が無かったのでここで初めて聞いたけど収録されなかっただけあってそんなに印象的な曲ではなかった。謎なのは「SPEED POP(Introduction)」の2014年録音とされたバージョン。佐久間さんが作ったアルバム導入の短い打ち込みインスト曲を佐久間さんが亡くなった後と思われる2014年に一体何故作り直していたのか。追悼の意味合いがあったわけでもなさそうだし…。それ以降はライブ音源が並んでいて97年の『LOVE SLAVE(ROCK KIDS 802 Special Acoustic Live Ver.)』以外はここ5,6年以内のライブ音源、そのうち2作は披露されたばかりのライブ音源となっていて今のGLAYが当時の曲をこんな風にやっていますと提示するような趣き。衰え皆無ながら時の流れを感じられる仕上がりだ。もちろん当時ならではの良さもあるけどパワーアップしているなと感じる。
DISC-3
前作と違って今回はTAKUROと当時関わっていた雑誌のライターなど外部の人間へのインタビュー形式(それぞれ単独)で当時を振り返りながら、当時のMVなどもちょっとずつ流すといった構成。前作のようにレア映像を出したり、それを見てメンバーがコメントするのとは異なり、思い出話中心になっているので前作より話自体はまとまっていて見やすいものの、貴重映像みたいなのはほとんど出てこない。また外部の人間の話は基本的に売れる前だけどGLAYの才能は凄かったみたいな褒めの一辺倒で別に面白いものではないし、メンバー3人が全く出てこなくてTAKUROだけというのは気になるところ。後半はToshi
Nagaiのインタビューも出てくるけど彼は『SPEED
POP』リリース後のツアーから参加した人物で、DISC-2後半のライブ音源のドラムは彼だけど、『SPEED POP』の制作には参加していない。今に至るまで関わっている重要なサポートメンバーで、今作リリース後のツアーまで含めて『SPEED
POP』の一連の流れであると考えれば的外れではないものの、当時を振り返るドキュメントなのにアルバム制作に関わった人が結局TAKURO1人になってしまっているだけに、次回作以降なら絶対必要だけど今回呼ぶ人選じゃなかったのではないかという気はする。
興味深かったのはNOBUMASAの最終参加ライブとなる映像が出た際にそれを見ながらTAKUROがさらっと当時のドラマーには辞めてもらったと発言したところ。直接NOBUMASAの名前は出していないものの(名前を出したけど編集で細かく削っているようにも見えるが気のせいだろうか)、AKIRA、NOBUMASAといった当事者それぞれが自身が辞めた経緯を綴った著書以外でGLAYメンバーがオフィシャルにNOBUMASAに対して「辞めてもらった」としたのは初めてではないだろうか。今作のブックレットに掲載されている当時の雑誌のインタビュー抜粋の中ではNOBUMASA側から辞めたことと脱退後も友人として仲がいい事をアピールする当時のメンバーのインタビュー記事も載っていたりするんだけど…。
激変した前作に比べると今回は思ったほど『SPEED POP』に対する印象が変わらなかった。「他のメンバーはあまり興味が無いのかこのアンソロジーシリーズは自分が中心になってやっている」というTAKUROのコメントがDVDにも収録されているが、TAKUROはこのシリーズにけっこう前向きっぽいのでたぶん次もあるんだろう。次回作以降の方が楽しみ。
印象度★★★☆☆