HATA EXPO-The Collaboration Album-
No | タイトル | 名義 | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | ringo | 秦基博×草野マサムネ | 秦基博,草野マサムネ | 秦基博 | トオミヨウ | 11/6先行配信 |
2 | ハローサーリアル | 秦基博×sumika | 秦基博,片岡健太 | 秦基博,sumika | 小川貴之 | 9/4配信シングル |
3 | 青葉 | 秦基博×TOMOO | 秦基博,TOMOO | 秦基博 | 秦基博,トオミヨウ | |
4 | ひとり言 | 秦基博×又吉直樹 | 又吉直樹 | 秦基博 | ||
5 | Into the Blue | 秦基博×リサ・ローブ | 秦基博,Lisa Loeb | 秦基博,Lisa Loeb | 秦基博,トオミヨウ | |
6 | No Where Now Here | 秦基博×ハナレグミ | 秦基博,永積崇 | 秦基博,永積崇 | 河野圭 | 10/9配信シングル |
7 | reunion | back numberと秦基博と小林武史 | 秦基博,清水依与吏 | 秦基博,清水依与吏 | 小林武史 | 2016/12/7配信コラボシングル コンピ盤『Takeshi Kobayashi meets Very Special Music Bloods』収録曲 |
8 | やわらかい気配 | 土岐麻子×秦基博 | 土岐麻子 | 秦基博 | 鈴木正人 | 2011年 土岐麻子ベストアルバム『BEST! 2004-2011』収録曲 |
9 | 灯り | ストレイテナー×秦基博 | ホリエアツシ,秦基博 | ホリエアツシ,秦基博 | 2017年 コラボシングル 最高19位 売上0.6万枚 | |
10 | カサナルキセキ | KAN+秦基博 | KAN+秦基博 | KAN+秦基博 | KAN+秦基博 | 2021/4/23配信コラボシングル KAN「キセキ」+秦基博「カサナル」合体曲 |
Brass Arrangement:村上基(2)
English Lyrics Direction(For HATA):Mas Kimura(5)
初回盤Blu-ray
秦基博×草野マサムネ
クロス・インタビュー
『HATA EXPO-The Collaboration Album-』 Behind the scenes
リリースデータ
2024年11月20日 | 初登場15位 | 売上0.7万枚 | Produced by 秦基博 | オーガスタレコード(ユニバーサル) |
秦基博コラボレーションアルバム。7thアルバム『Paint Like a Child』から1年8ヶ月ぶり。『Paint Like a Child』以降新曲の発表が無かったが8月28日に今作の発売が発表され、9,10,11月に3ヶ月連続で上旬に3曲が順次先行配信された。「ハローサーリアル」「No Where Now Here」は専用ジャケットが用意された配信シングルとしてディスコグラフィーにも掲載され、最後の「ringo」のみアルバムジャケ写が流用されており、ディスコグラフィーにも掲載されていない(先行配信扱い)となる。6曲目までが今作用に新たに制作されたコラボ曲で、7〜10の4曲は過去のコラボ曲となる。今作では全曲の表記が一貫して"秦基博×○○(相手) - △△(曲名)"で統一されていてコラボ名義が先、曲名が後で並んだ表記となっている(公式サイトだと"秦基博×○○ 「曲名」")。
ファンクラブHome
Ground限定盤はEPサイズ透明クリア三方背ケース入り、カード式ブックレット、紙トレイ仕様(1CD+1Blu-ray)、Tシャツ(S/M/L)付属。
初回盤はHome
Ground限定盤の下位互換で草野マサムネとのクロスインタビューとアルバムメイキング映像を収録したBlu-ray付、カード式ブックレット仕様の2点のみが共通している。1曲ごとにバラバラでアートワークと歌詞が表と裏に記載されている仕様で、「ハローサーリアル」「No
Where Now Here」の配信ジャケットは歌詞カードのアートワークと同じものとなっているが、過去コラボ曲である7〜10は今作のデザインに沿った新たなアートワークとなっている。
通常盤はCDのみ。
「reunion」は東京メトロ「Find my Tokyo.」CMソングとして2016年に"back numberと秦基博と小林武史"名義で配信リリースされていた楽曲で2018年の小林武史のコンピ盤『Takeshi Kobayashi meets Very Special Music Bloods』に収録されCD化済みだが、秦基博サイドで取り扱うのは初となる(back numberはまだ取り扱っていない)。
「やわらかい気配」は2011年の土岐麻子のベスト盤『BEST! 2004-2011』に新曲として収録したコラボ2曲のうち秦基博が参加した1曲(もう1曲はさかいゆうだったのでオーガスタと土岐麻子がコラボしていた模様)。今作の中で唯一秦基博サイトでも既に『Signed POP』初回盤BボーナスCDに収録済み。
「灯り」は2017年にシングルCDとしてリリースされていた楽曲で今作の中で唯一シングルCDで発売されていた楽曲となる。ストレイテナー側(EMI)からのリリースだったため秦基博サイドで取り扱うのは初となる。
「カサナルキセキ」は過去のコラボ曲の中で唯一現在のディスコグラフィーに掲載されている2021年の配信シングル。2020年11月のKANのアルバム『23』で"Special Guest Guitar Solo:秦基博"と秦基博をゲストプレイヤーとして招いた扱いで発表していた「キセキ」、秦基博が2021年1月朝ドラ主題歌のシングル『泣き笑いのエピソード』C/Wとしてひっそり収録していた「カサナル」、この2曲が実は同時再生できるコラボ楽曲だったと2021年4月に明かして配信リリースした楽曲。KANはこの後新作発表が無いまま2023年に病死したため生前最後の新曲となった。10月30日のKANのベストアルバム『IDEASV 〜the very best of KAN〜』にて一足先にCD化されていた。
曲によりけりではあるけど、近年の寡作&地味な作風からするとかなり開いた作風になり、大いに持ち直した印象で秦基博のファン以外でも楽しめる良コラボ作が並ぶ。「ringo」はスピッツ草野正宗と作詞を共作しただけだが、草野が共作するのは初(KREVAとのコラボの時は歌っただけ)、しかも近年の薄味アレンジの要であるトオミヨウがアレンジという事でバンドサウンド未満の地味な幻想的ミディアムナンバーになりそうなところ驚きのキラキラポップ。『ハチミツ』頃のキラキラなスピッツを意識して作曲や編曲したのだろうか。続く「ハローサーリアル」もsumikaらしい勢いのあるアップテンポナンバーでこれも秦基博の近年の作風には無い勢いで驚き。そういえば福耳に提供した「Swing Swing Sing」も妙に明るくウキウキした曲調だったが、こういうコラボの機会になると普段ソロではやらないようなはじけた明るい曲を作る人なんだろうか。「青葉」は近年の作風に沿った薄味アレンジのミディアム、「ひとり言」は弾き語り。又吉直樹は歌えないので単独作詞と単独作曲の形でのコラボ+音源には冒頭の朗読(記載なし)で参加している。文学的な感じはするけど朗読→弾き語りの構成はここだけ毛色が違う。「Into the Blue」は全編英語詞で洋楽っぽいし人選からして意外性の強い1曲。「No Where Now Here」はトオミヨウになる前の王道的バンドサウンドのバラードを改めてやってみた感じだろうか。新録音6曲のコラボはトータルで色彩鮮やかで久々にバランスのいい曲調が揃ったように思う。
後半4曲は過去コラボ音源を集めたもので曲によって制作状況も違うのでコラボのコンピ盤っぽい感じ。この中だと当時も好印象だった「灯り」が1つ抜けて名ロックバラードで良コラボだったなと改めて思った。「カサナルキセキ」は2曲の演奏が同じで違う歌詞とメロディーをそれぞれが歌っているというもので、もっとメロディーが重なったり繋がったりするイメージでいたら(2012年につんくと大久保薫が作り上げたBerryz工房「Because happiness」+℃‐ute「幸せの途中」=「超HAPPY SONG」のイメージだった)、思いのほか違う2曲が同時再生している感じでゴチャゴチャしていて、結局どっちのメロディーも追いきれずに全く耳に残らなかった。楽しめる人はこの同時進行感を"カサナルキセキ"として楽しめるのかもしれないが、個人的には同じ演奏の上で2人がそれぞれバラバラに曲を歌っている(時々"カサナリカケル")感じで、重ねて1つの曲になったとは思えずあまり気持ちの良いものではなかった。
初回盤Blu-ray
「秦基博×草野マサムネ クロス・インタビュー」は文字通り2人の対談形式でのインタビューで出会いの思い出話や互いの印象、今回の曲の制作模様を語るという内容。特典にするより期待を煽るプロモーションインタビュー映像として公開した方が良かったのではないかというような内容。実際これをそのまま文字起こしすれば一般的な作品リリース後のインタビュー記事になるだろうし。そしてこの曲のみ実際のレコーディング現場映像が無い。
逆に残りの新規制作5曲は「『HATA EXPO-The Collaboration Album-』 Behind the scenes」で1曲ずつ制作ドキュメント映像が収録されていて、大まかな制作の様子を伺う事ができる。対談インタビューは無くともこれでも概ねどのように作られたか分かるようになっているので全く問題はない。時期の違うラスト4曲はさすがに触れられていない。
近年オーガスタはFC囲い込み商法が目立ち、一般リスナーをおざなりにしがちな傾向になってきているが、今作はさすがにコラボ作で相手のファンも聞くだろう内容であるためか、一般発売の初回盤にBlu-ray付を残してFC盤はグッズ付と正しくコアファン向けになっていたのは好印象だった。スキマスイッチもこのくらいに戻してくれ…FC盤にはTシャツかアクリルスタンドでもつけて無駄にでっかいBOX仕様にでもなんでもしておけばいいんだよ…一般発売には映像付初回とコンパクトな保管前提の形態で出してくれ頼むから。
印象度★★★★☆
2024.12.26更新