脈打つ感情

Type-A　Blu-ray
日向坂46 「Happy Train Tour 2023」 in 大阪城ホール＜前編＞

Type-B　Blu-ray
日向坂46 「Happy Train Tour 2023」 in 大阪城ホール＜後編＞

リリースデータ

メンバー

日向坂46、2ndアルバム。けやき坂46時代含めて通算3作目。前作から3年2ヶ月ぶり。前作以降のシングル6曲とC/Wから19曲、ライブ音源3曲、新曲5曲の33曲がType-A,B,通常盤の3種に分散収録された。新曲5曲は前年の櫻坂46と同数で3坂道でのアルバム新曲数最少記録タイとなる。リード曲として共通新曲「君は0から1になれ」は10月8日にMV公開、11月1日に先行配信された。2022年後半頃より乃木坂46、櫻坂46も含めてシングル初回盤Blu-rayのMV収録を廃止する方針となり、MVはYouTube公開のみとなり、今作にも「君は0から1になれ」MVは収録されていない。

8月25日に腰痛治療のための休養に入った丹生明里は今作には不参加となり、「君は0から1になれ」、2期生新曲「自販機と主体性」、ライブ音源3曲には不参加で今作のジャケ写やフォトブック、生写真にも含まれていないが既出シングルには全て参加している。

岸帆夏は体調不良によりツアーを欠席していて正式に10月9日より休業しているが今作の4期生曲「ロッククライミング」(※)やジャケ写・フォトブックには参加しており結果的に最終参加作となった。その後12月7日に突如ブログで体調不良を理由に活動辞退を発表。卒業ではなく「活動辞退」扱いとなり、日向坂46では初。乃木坂46では2期生のみ研究生として扱われた時期がありその間に辞めた2名が活動辞退扱いだった事がある。欅坂46では冠番組開始でメンバーとして紹介されてからCDデビュー前に辞めた者が活動辞退扱いされており、坂道研究生にも1人活動辞退がいた。よって4期生は正規メンバーではなく研究生に順ずるデビュー前メンバー扱いであったという事に…。
(※特設サイトで公開された「ロッククライミング」フォーメーションは休業発表後だったためか既に岸が外されているが通常盤CDブックレットには「ロッククライミング」歌唱メンバーに岸も入っている。4期生が参加しているライブ音源2曲では不参加の岸の名前が外されているので誤植ではないと思われる)。

小坂菜緒は体調不良で休養していたため6thシングルには不参加。

4期生は2022年9月に加入、直後の8thシングルから4期生曲が用意されていたが今作まで一貫して4期生曲のみの参加となっていて1〜3期生との合流はないままとなっている。ライブでは序盤や終盤に全員で出てきて披露する曲は数曲あり、「誰よりも高く跳べ!2020(Live from Happy Train Tour 2023)」「JOYFUL LOVE(Live from Happy Train Tour 2023)」には4期生も一緒に表記されている(ツアーに参加していないので岸は外されている)。

卒業した渡邉美穂(2期生)、宮田愛萌(2期生)は7thシングルまで、影山優佳(1期生)は9thシングルまで参加している。今作発売告知直後に卒業を発表した潮紗理菜は今作が最終参加作。「君は0から1になれ」と1期生曲「最初の白夜」が最終参加曲となり、「最初の白夜」はラストセンター曲となる。

Type-Aは「日向坂46 「Happy Train Tour 2023」 in 大阪城ホール＜前編＞」収録Blu-ray付。26cm×26cmの豪華BOX仕様、豪華フォトブック、両面絵柄四つ折りポスター付属。応募特典シリアルナンバー、メンバー生写真(各形態別30種より1枚ランダム封入)封入。
Type-Bは「日向坂46 「Happy Train Tour 2023」 in 大阪城ホール＜後編＞」収録Blu-ray付。20cm×20cmの豪華BOX仕様、ポストカードブック付属。応募特典シリアルナンバー、メンバー生写真(各形態別30種より1枚ランダム封入)封入。
通常盤はCDのみ。初回仕様は応募特典シリアルナンバーのみ付属。
配信限定Complete Editionは全33曲を収録。圧縮/ハイレゾで配信。

C/Wからの収録は準リード的な共通C/W+期別曲に集中しており、4期生曲との数合わせで最新の10thシングルからの1〜3期生の期別曲を未収録にして既出C/W3曲+新曲の4曲ずつに揃えている。一方でユニット・ソロ曲は全て未収録とするなどかなり極端な方針で選曲されているのが特徴。

これまでは乃木坂46が築いてきたパッケージサイズを基本フォーマットとするかのようにほぼ踏襲していたが前年の櫻坂46が独自仕様となり、今作も独自仕様となった。A,B共に巨大な迷惑BOX仕様となり、Type-AはLPより一回り以上小さいものの(LPサイズパッケージだと30�pちょい)かなりデカい。Type-Bはさらに一回り小さいが、ポストカードブックが分厚いのが響いてType-Aよりも厚みがある。いずれも取扱いに困る上、中古屋も置き場所に困り、個人で売り払おうにも発送方法に困りそうな迷惑サイズである(応募券抜きセット格安オークション出品から入手したがやはり送り主も前代未聞の事態にかなり困ったようでデカいプチプチでグルグルに巻いてでかい紙袋を折り畳んでの宅急便発送にするなど苦労の形跡が…)。収録内容が新曲減らした手抜き傾向なのでパッケージをド派手にして豪勢な感じを出そうとしたものと思われるが豪華にデカくすればいいってもんじゃないって…。発売翌週の月曜日には紅白落選が判明し、これを受けて正直予感していたとか現状の停滞感を訴えながらファンに謝罪するお気持ち表明ブログが各メンバーから連続更新される壮絶なお通夜ムードとなり、そんな中で今作の初登場1位が判明するなどカオスな事態に陥った。

機械的に変更部分が入れ替わっているのではなく、前作同様に3種で曲順が異なり、ライブを意識した…などとメンバーが無理やり説明していたが前作の時もライブのセトリのような…とか言っていたのでマジで今回説明が苦しいし、メンバーも思うところがあるんだろうなとは思ってしまう。紅白落選時のお気持ち表明ブログ群でも現状の活動方針への不満がかなり溜まっている様子だったし…。

共通新曲「君は0から1になれ」のみ全種2曲目で固定。それ以外は3種ともバラバラの曲順だが序盤と終盤にシングル表題曲を固め、中盤は期別曲、終盤のシングルラッシュの直前にC/W1曲を挟んで新曲の期別曲を置くなどある程度共通した傾向はある。また全曲を網羅した配信限定Complete Editionは通常盤の曲順をベースにしつつ3種で異なる楽曲はA→B→通で並べる形になっている。

よって3種別々に聞くと期別曲は各形態に分散されているのでそこまで期別曲が多い印象ではない。むしろ1〜3期生全員曲が延々続く印象の方が強くなる。一方でComplete Editionになると5曲目以降4〜1期生の既存C/Wが3度繰り返され、1〜3期生全員C/Wを6曲挟んだ後に1〜4期生新曲、という流れになり期別曲ばかりな印象になる上、1〜3期生全員曲も連続する…とどっちにしてもユニット曲が全く無いのでメンバー構成のバリエーションの無さが気になってしまう。ユニット曲を排してまで期別曲をごり押しするようになってしまったのは一体どうしてしまったのだろうか。2021年には「ユニット祭り」と題したライブを春と冬に2回も開催し、前のめりに当時未発売の新ユニット曲まで披露しているなど割とひらがな時代からのアルバム曲含めて割とユニット曲も充実していたし、2022年のシングルにもまだユニット曲はあり、8thのC/Wもユニット中心だったのだが…。2023年になった途端シングル2作、今作と3作全てが1〜3期生全員曲と期別曲だけに統一されてしまった。なのにライブでは期別コーナーは1曲ずつの日替わり(4期生は4期生曲と序盤終盤の全員曲参加以外に出番が無くなるのでもう1曲+先輩曲カバーでもう1曲とか)のまま。

色々とチグハグな面が浮き彫りになってしまうアルバムとなったが、やはりきっかけになったのは4期生を謎に大量加入させた事で、結果何もかも悪循環に陥ってしまった。マジでこんなに加入させてどうするつもりだったんだろうか。現状のグダグダは反発の多い選抜制導入をやむなしとするためにわざとやっているのではないかと思えてくるほどだが、1期生は今年佐々木美玲以外が一気に25歳以上となっていてまだ続けたいメンバーととっとと若返りを図りたい運営との間で決して口には出せないがかなり露骨に4期生を大量加入させる事で年長者に早く辞めて席を空けるように促していたようにも見えてくる。ファンの間でも1期生へのロートル感が高まっている感があるし、逆にここまで露骨に押し出しにかかられているのに影山や宮田のような体調問題ではない自主的卒業が年末に潮紗理菜だけっていうところからしても1期生はまだまだ辞めるつもりはなかったわけで4期生大量採用は先を読み誤っていたとしか思えないけどなぁ…。

曲自体も色々模索はしているんだろうけど、「君は0から1になれ」はこれまでの集大成というよりも越えられないマンネリ感の方が強いし、今作の中では古い「君しか勝たん」「ってか」の頃は改めて聞くと今よりも遥かに勢いがあったんだなと改めて感じてしまった。期別曲もそれぞれの色が出ていて面白くはあるんだけど、それだけでここまで連発するものではない。特に連発になった2023年の期別曲はライブでの披露頻度も必然的に少なくなり、あまり定着せずに流されて行ってしまいそうだ。2024年に期別ライブ企画でもあるならこの無駄打ちに思える連投にも意味は出てくるが…。

いつも賞賛記事ばかり書いているリアルサウンドにも苦言じみたレビューが載ってしまうくらいなので思った以上に呆れられてしまっているような…。

Type-A　　Type-B　　通常盤

印象度★★★☆☆

2023.12.10更新

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