Kohmi30th【初回限定盤BOX SET】

ラップ歌詞:Tokiii(1)
コーラスアレンジ:広瀬香美(8,9)

ストリングスアレンジ:クラッシャー木村(4)
コーラスアレンジ:広瀬香美(9)
ゴスペルコーラスアレンジ:平野T.J.ヨーイチ(9)

コーラスアレンジ:広瀬香美(3,10)

リリースデータ

広瀬香美9thベストアルバム。デビュー30周年記念ベストアルバム。6月に30周年記念特設サイトを開設し、ファン投票を実施。上位10曲と新曲1曲を収録。順位は正式に公表されていない。また2022年になって配信されていた「Venus Line」「君にセレナーデ」が揃って初CD化アルバム初収録となった。新曲「プレミアムワールド」は1週間前に先行配信されたが、顔マスクというインパクト絶大な専用ジャケットが用意されたほか、TV出演で披露するなどプロモーション曲としても使用された。デビュー作は1992年7月22日のアルバム『Bingo!』で真夏であったが冬のイメージが強いため、基本的にデビュー日付近で記念作をリリースした事は無く、。これまでは前年の11,12月頃に20周年、25周年記念作を前倒しでリリースするというパターンが続いていたが、今作は30周年記念日付近で発売を正式告知し、冬の到来に合わせてか11月にリリースされた。

ビクター側はリメイク&新曲を収録した25周年アルバム『25th プレイリスト』を13th、弾き語りカバーと新曲を収録した『歌ってみた 歌われてみた』を14thとして扱っていたが、今作の対談では12thアルバム『And.Love.Again.』が現時点で最後のオリジナルアルバムとして取り扱っていて、広瀬香美サイドとしては『25th プレイリスト』『歌ってみた 歌われてみた』はオリジナルアルバムとしてカウントしていなかった事が正式に判明した。

初回限定盤BOX SETは上位30曲までに拡大し、20曲追加収録したCD 2,3を加えたSHM-CD3枚組+広瀬香美と田村充義による対談と歴代写真を掲載した100Pヒストリーブック付属、豪華大判ブックケース仕様三方背ケース収納。
ビクターオンラインストア限定BOX SETは初回盤の内容に広瀬香美本人がセレクトした13曲を収録した初のLP2枚組を加えた内容でLPサイズ豪華三方背ケース仕様、広瀬香美本人直筆のサインが入った特製デザインサインカード付属。完全受注生産で7月22日〜9月23日までの予約限定だったが、あまりに予約が無かったためか大幅に延長され発売直前の11月18日まで予約可能だった。アナログ盤の内容はこちら。12曲がCDと重複しており、今作でアナログ盤のみの選曲となったのは「甘いお話 Part3」のみ。
通常盤はSHM-CD1枚のみ。
配信では初回盤の内容でDL/ST共に出ている。

O社では初回盤と通常盤が別作品扱いされる事態となり、別々にランクインしたが、合算されていた場合は初登場75位に相当する。合わせても1000枚に遠く及ばない厳しい売上となった。

表記は無いが「愛はバラード」は『THE BEST Love Winters-ballads-』で新録音されたバージョンでの収録。「Dear...again」と原曲「Dear」が一緒に収録されるのは初。

ファン投票で決まったという事になっているが、「プレミアムワールド」は今作用の新曲なので、2曲目以下が人気トップ10という事になる。直近の配信2作がギリギリ収録になっていたり、「Search-Light」「日付変更線」といった本人にとってはそれぞれ当時もターニングポイントになったような事を語っていたバラードのシングルが選曲されたり、アルバム曲「ブランケット プリーズ」が選曲されたりと随分と広瀬香美本人の意向に寄り添ったかのようなラインナップになっている印象。近年のコアなファンが投票したにしても、90年代のアルバム曲やましてや「ストロボ」や「真冬の帰り道」を差し置いて上位にランクインするか？というのがどうにも解せない。通常盤はDISC-1のみとなるが、最低限の代表ヒットに直近配信3曲とあまり知られてないバラードが織り交ぜられた構成。まあ普通にこれまで散々出たベスト盤の方がいいので、直近配信3曲をCDで聞くための1作といったところか。

新曲に関してはここ10年配信かベスト盤を新曲発表の場としていて、基本的には冬イメージを堅持して期待通りの新曲を出していたが、近年のYouTubeやSNSバズりをきっかけに冬にこだわるのは止めたようで、「Venus Line」「君にセレナーデ」「プレミアムワールド」はどれも冬に寄せていない。冬はもう過去のヒット曲で十分武器になっているし、面白い人、音楽的にも凄い人というのも知れ渡ってきたので冬に頼らずとも自由に勝負できるようになったところはあるのかもしれない。そもそも本人がウィンタースポーツやらないし、温暖な海外在住だったりもするわけで冬を意識しない方が自然だったりもするのだろう。新曲に関しては充実さを増していてオンリーワンの存在感、衰え知らずなので、そろそろちゃんとしたオリジナルアルバムを作れるような状況にはなってほしい。

12000円払っても、あっさりサブスクで聞けてしまうトップ30まで拡大したDISC-2,3では「ストロボ」「真冬の帰り道」「幸せをつかみたい」「ドラマティックに恋して」といったヒット曲もようやく出てくる。一方でほとんど売れなかった現時点で最後のオリジナルアルバム『And.Love.Again.』からやたら選曲されたり、近年のベスト盤の新曲が選曲されたりと、全く売れていない時期のアルバムからという細かい選曲が目立つ。ヒットしていた90年代のアルバム曲は最大ヒット『SUCCESS STORY』から原曲「Dear」と「Tomorrow」が選曲されているものの「Tomorrow」は近年のライブで歌っていてライブ盤にも収録されていたので、とにかく今のライブの選曲傾向がだいぶ反映されているのかなと思う。ファン投票というより、明らかに広瀬香美本人が今聞かせたい、ライブで選曲したいという自選ベストと言われた方がしっくりくるんだけどこれ本当に投票結果？

今作は価格面で考えても12000円は暴利過ぎてとてもじゃないが誰かに勧められる内容ではない。レンタルでDISC-1のみ通常盤となるとまた微妙過ぎるし、サブスクで全曲配信されているのでサブスクで聞けばいいんじゃないかな…CDでベスト盤を聞きたいなら過去のベスト盤をどうぞ…といったところか。

広瀬香美と田村充義による対談と歴代写真を掲載した100Pヒストリーブックは初回盤最大の価値でオリジナルアルバム1作ごとに思い出を語っているので興味深い内容。ただそんなに長い対談でもなく、100ページの大半は歴代素材写真集で構成されており、別にそんなに写真を見たいわけではないんだけどなぁ…誰得？というのが正直なところ。直近のベスト盤より売上枚数を上げる事は十分に可能なだけの注目は集まっている状況だったと思うんだけど、完全に売り方間違えたな今回…。

初回限定盤BOX SET　　通常盤　

印象度★★★☆☆

2022.12.25クリスマスまでには間に合うように更新

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