RH Remix

リリースデータ

広末涼子リミックスミニアルバム。00年唯一のシングル『果実』以来の音楽作品で2001年は今作のみだった。6曲のリミックスを収録。CD-EXTRAとして「果実」、「真冬の星座たちに守られて」のPVを収録。このPVは翌年の全曲集アルバム『Perfect Collection』DISC-3のCD-EXTRAにも再度収録された。

帯に書かれたキャッチは"問答無用の限度ナシRemix CD完成!!これでやられろ。"、"広末涼子への愛情を込めて好き勝手ヤリ放題"。また「果実」、「真冬の星座たちに守られて」のPVに対しては"誰もが見たかった"として収録を煽っている。この時点では『WINTER GIFT'98 Happy Songs&Music Clips』で「ジーンズ」までがVHS化されていただけなので、こうなると「明日へ」PVだけ忘れられている事になるが…。

既に歌手活動をする気が無いか新作を作る予算も無い中で契約だけは残っているので何か出さなきゃいけなかったのか、クラブシーン需要を見越したのか謎の珍品。この丸1年後には深田恭子も歌手活動が止まる中で同じようにリミックスアルバムを出しそちらは完全最終作となったが、なんかそういう新曲もう出す気無いけど契約消化にリミックスみたいな決まりでもあったのか。あまりに謎過ぎて今作だけは当時スルーし、その後中古で見かけても手に取る事は無かったのだが(そもそもあまり見かけなかったのが徐々に全く見かけなくなった）、Amazon Music加入につき色々見ていたところ広末涼子は全作配信されていたので(『Happy Songs』や『広末涼子ファーストライブ』などCDになっている部分は全部配信）、この機会に(ちょうどデビュー25周年で過去曲回顧も作り直すことだし）、全作コンプを目指すことにした。

といっても公式に問答無用の限度ナシRemixだとか好き勝手ヤリ放題とか言っているだけあってトラックメイカー系リミックスアルバム(くるりの岸田繁がこんなところに混ざって参加しているが当然ロックバンドのボーカル&ギターとしての参加ではない)。全員が広末涼子のボーカル素材だけ残して原曲の面影が残されていないほど好き勝手に新たな全く無関係のトラックを構築。リミックス文化に理解が無いと一体何をやっているのか何がしたいのか目的は何なのかさっぱり見えてこない。2001年唯一の広末涼子の音楽作品なのでボーカル消しすぎないようにという気遣いやお達しがあったのかは不明だが『Happy Songs』に収録されていた「ジーンズ」のリミックスのように一部サビ以外はほとんど歌が消されて切り刻まれたジーンジーンジーンジーンだけが延々繰り返されるみたいな「ジーンズ(THIS IS BIG BEATZ RADIO MIX)」よりは歌が残されている…といったところ。しかしこれにより全然関係ないインスト音楽の中で何故か広末の歌が加工されて流れているという全くかみ合ってない感じになってしまっていてマッシュアップっぽいイメージもあった。

当時うっかり買ってしまった数千人の生き残りリスナーの大半が唖然とし、一部のリミックスマニアだけが面白がった(もしくはこれではぬるいと感じるのか）と思われるが、良くも悪くもこういうのが出せる余裕があった時代なんだなと改めて思った。新垣結衣や綾瀬はるかの時代にはもうこんな企画は出てこなかったし、インパクトイラストジャケットのためだけに初回盤Bを制作するという馬鹿な予算のかけ方(誉め言葉)を実現させた剛力彩芽でさえリミックスアルバムには至れなかった。この時代だから残せた作品なのかもしれない。

印象度★★☆☆☆

2022.3.30更新

※今作はAmazon Musicのみで視聴したためCDを手に取っていません。帯の文面はオークション出品者の画像にて確認しました。

戻る