JEWELRY first

No タイトル 作詞 作曲 編曲 備考
1 ココロが止まらない 三枝夕夏 大野愛果 小澤正澄 1stシングル 最高40位 売上0.8万枚
2 胸いっぱいのこの愛を 誰より君に 三枝夕夏 大野愛果 小澤正澄 2ndシングル 最高35位 売上0.7万枚
3 忘れないで 三枝夕夏 大野愛果 小澤正澄  
4 LUCKY LOVE! 佐々木美和 徳永暁人 小澤正澄  
5 眠る君の横顔に微笑みを 三枝夕夏 大野愛果 小澤正澄 4thシングルC/W 三枝夕夏 IN dbのカバー
6 Delight Sweet Life 三枝夕夏 村田浩一・加藤功美 小澤正澄 3rdシングル 最高49位 売上0.4万枚
7 デイジー 佐々木美和 後藤康二 後藤康二  
8 I believe 三枝夕夏 宝仙明伽音 小澤正澄 3rdシングルC/W
9 かじりかけのオレンジ 佐々木美和 蔵石建 小澤正澄  
10 PASSIONATE WAVE 三枝夕夏 徳永暁人 小澤正澄 2ndシングルC/W 三枝夕夏 IN dbのカバー
11 君と約束した優しいあの場所まで 三枝夕夏 小澤正澄 小澤正澄 3rdシングルC/W 三枝夕夏 IN dbのカバー
12 白のファンタジー 三枝夕夏 大野愛果 池田大介 4thシングル 最高69位 売上0.2万枚
13 違う世界で出逢えたら 佐々木美和 宝仙明伽音 池田大介 4thシングルC/W
14 ひらり 夢一夜 三枝夕夏 川島だりあ 池田大介 1stシングルC/W 三枝夕夏 IN dbのカバー

リリースデータ

2005年3月9日 初登場73位 売上0.4万枚 Produced by KANONJI GIZA studio

メンバー

JUNG AH(パク チョンア)
JI HYUN(イ チヒョン)
MIN AH(チョウ ミナ)
IN YOUNG(ソ イニョン)

JEWELRY日本1stアルバム。2001年に韓国でデビュー、ここまでに韓国で3作のアルバムを発売していた。2004年にGIZA studioから日本デビュー。韓国で発表していた楽曲や現地制作陣による楽曲は一切使用せず、今作までは完全にGIZA主導による日本オリジナル楽曲となっていた。ここまでの4シングルから10曲を収録。リミックスを除くと1stC/W「Stop the music, give me a chance」、2ndC/W「戸惑う 恋ゴコロ」の2曲のみが未収録ととなった。

4ヵ月後に同時発売されたシングル「Superstar」と2ndアルバム『SUPER STAR』もGIZAからの発売だったが一転して韓国での4thアルバムを日本用に編集したのみとなり、GIZA制作陣は関与しなかった。そのままGIZAとの契約は終了、わずか2年で日本撤退となった。その後も韓国で2013年頃までメンバー脱退加入を繰り返しながら活動していたようだが2015年に正式に解散が発表された模様。

日韓のW杯の際に発売された『PROJECT 2002"The Monsters"』が韓国で日本語詞楽曲発売第1号となる歴史的アルバムと称されていたように韓国では日本文化の制限があったが、2004年に韓国での日本語のCD発売が本格的に解禁された。ドラマ『冬のソナタ』で韓流ブームが起きた後で、割と韓国のドラマが話題になっていた時期だったが音楽はドラマに付随してのヒットはあったがまだそうでもなかった。GIZAとしても韓流ブームに乗っかろうとしたものと思われ、それで韓国で人気のアイドルグループを引っ張ってきたものと思われるがさすがに時代が早すぎたのは否めない。2005年に東方神起が出てきたくらいで、KARAや少女時代が一気に仕掛けられてブームになったのは2010年であり、その流れであれば便乗できたかもしれないが、2004年の日本では波自体が存在しなかった

という事で日本即撤退となってしまったわけだがK-POP売り出しのノウハウが無かったためかやり方が極端。今作までは三枝夕夏 IN dbの制作体制をほぼそのまま持ち込んだような体制となっており、未収録になったC/W2曲も三枝夕夏の作詞であった。さらにカバーまで行うなど、ほぼ三枝夕夏 IN dbを韓国アイドルが歌ってみた!状態。ここまで注力したのにこれっきりで、次のアルバムは現地の最新作の販売元になってあげただけという極端な身の引きっぷりでシングル「Superstar」と2ndアルバム『SUPER STAR』は共に100位圏外1000枚台の売上まで一気に沈み込んでしまい、そのまま契約終了となってしまった。まあとりあえずやってみたけど失敗だったというプロデューサー判断だったのだろうか。

大量に歌詞提供したので三枝夕夏 IN dbでも「ココロが止まらない」「胸いっぱいのこの愛を 誰より君に」「白のファンタジー」、そして最後のベストの最終曲として「忘れないで」がセルフカバーされている。三枝夕夏本人のコーラス参加は「PASSIONATE WAVE」1曲ポッキリ(大半の曲でのコーラスは宇徳敬子)、dbメンバーも一切演奏参加していないものの、三枝夕夏 IN dbバージョンとはアレンジャーが「ココロが止まらない」以外は同じ(セルフカバー版は徳永暁人)なのでほぼ三枝夕夏 IN db関連作、派生作品といっても過言ではない。という事で三枝夕夏 IN dbを全アルバム聞いたついでに今作も見かけたので聞いてみた。

作詞には佐々木美和が4曲参加しているものの、ほぼ三枝夕夏 IN db。カバーまで4曲もある上にほぼそのままカラオケしたのかというくらいに原曲から変化がない。当時のGIZA基準だと三枝夕夏 IN db=トップ級作家が揃っている最高級クオリティであり、三枝夕夏 IN dbそのままである今作もそれに準ずる作品となっていて良い曲は揃っている。ただJEWELRYがどのような4人組だったのかも、前後の韓国での実績も最早関係なく、不慣れな日本語で"三枝夕夏 IN db"をやっているだけのような珍作。成功しているならまだしもごり押ししてもさほど売れていない方向性をそのまま持ち込んでも成功するはずがないし、成功してしまったらそれはそれで三枝夕夏の歌が悪かったみたいな事になってしまうので、結果として三枝夕夏 IN dbにはノーダメージだったとは思うんだけど…。

今作がどうにもこうにも謎なのはやはり歌詞詰め込み型である三枝夕夏の歌詞を何故日本語不慣れな外国人に歌わせたのかという1点に最終的に集約される。譜割メチャメチャな曲を知らない言語で歌うというのは想像以上に難しいはず。しかも1単語ならまだしもタイトルすら覚えるのさえ難しい長いものばかりだし…。

韓国ではそこそこの年数活動出来ていたようだし、KARA、少女時代以降の世界線だったらこんな作品はまず作られていないはず。当時のGIZAで(KANONJI氏1人の中で)三枝夕夏 IN dbが(マイ)ブームだったから作られた歴史の妙が生んだ珍作。コーラスにもほとんど参加してないので歌詞を提供しているだけなのにどこまでも三枝夕夏 IN dbの印象が上回っていく、三枝夕夏 IN dbを聞いたリスナーなら1度は聞いておきたい不思議体験な1作でもある。

B0007N38L8 

印象度★★★☆☆

2023.1.16更新

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