BON-BON BLANCO シングルレビュー

02年、パーカッション編成のアイドルグループという異色のユニットが誕生した。ナンショーキッズという若い女の子アイドル集団のメンバー4人(MAKO、TOMOYO、IZUMI、RURI)と外部から招いたメインボーカリストANNA(後にクォーターであると公表して本名のSANTOS ANNA表記に変更)の5人。4人がパーカッションという編成はインパクトがあった。さらにプロデュースを手がけたのはビーイングのZAIN PRODUCTS。当時全盛だったGIZAのスタッフ…というよりかはGIZAでは全く出番がなくなってしまった第1期WANDSメンバーの大島こうすけを中心に楽曲制作されていた。最終的には人気をつかめずにレコード会社無所属状態に陥ったまま、先にIZUMIが脱退。4人でも続けていくとしていたが、そのまま09年にひっそり活動停止となってしまった。最終的にオリジナルアルバムは1枚のみ。2枚目に焦ってベストにしたせいで、活動を網羅したベスト盤も出ず、アルバム未収録シングル多すぎ。そんなシングル11曲を振り返る。

なお基本的にCDではパーカッションは叩いていないようなので(少なくとも初期は別人がクレジットされている)残りの4人はコーラスくらいしか出番が無い。ゆえにもしかしたらこのグループはライブを見ない事には本質はつかめない気もする。

1st 愛 WANT YOU!!
02年7月17日
どちからかというとダンスサウンド寄りのかっこいい雰囲気。パーカッション編成のために、パカパカと終始鳴ってはいるものの若干機械的な音に聴こえる。ANNAのボーカルも当時14歳(リリース時15歳)ということを考えると非常に上手い。この頃はさすがにまだチェックしてなかったので後追いで聞いたらイメージと違ってて少し驚いた。
★★★☆☆
1stアルバム『BEAT GOES ON』
ベスト『B3 Master Pieces 2002-2004』

愛 WANT YOU


2nd だって、女の子なんだもん!
02年9月11日
今作は大島ではなく小澤正澄が手がけている。この曲で初めてチャートイン(02年までは100位までしか集計されてなかった)。基本的には前作の延長だがもう少しラテン寄りのダンサブルな雰囲気を加えつつある。ラストには何故か「君の瞳に恋してる」のメロディーをANNA以外の4人が日本語詞で歌うという力技も。全体的に前作よりももう少し楽しんでみました!という感じで、随所にメンバーのガヤを入れたり前述のコーラスを入れたりしている。そのため普通に前作よりも印象的。
★★★★☆
1stアルバム『BEAT GOES ON』
ベスト『B3 Master Pieces 2002-2004』

だって、女の子なんだもん


3rd 愛のナースカーニバル
02年12月4日
大島こうすけが作曲してnight clubbersが編曲した珍しい作品。どちらかというとビーイングでリミックス系の作品を多く手がけていたためパーカッショナブルな方向からは最も遠くなった。しかしラテン系のノリは強くなっており、タイトル通りにナースキャップつけて踊ってみたり、初期からどこかぶっ飛んでいたPANINARO 30の歌詞もどんどん破壊力を増しており、インパクトは絶大だった。ちょうどこの曲で初めて知ったが1度PV見ただけで強烈に印象に残り注目するようになった。サビもいいが、2段階サビになっている後半の展開が凄く好き。個人的にはこの曲がNo.1である。
★★★★☆
1stアルバム『BEAT GOES ON』
ベスト『B3 Master Pieces 2002-2004』

愛のナース・カーニバル


4th 涙のハリケーン
03年2月19日
リリースごとに売上が伸びていたので1stアルバムを前に一気に宣伝。たしかこれでMステにも出ていたと思うアゲアゲのナンバー。作曲は当時GIZAで全面的に作編曲しまくっていた徳永暁人。テンションの高い曲ではあるが、テンションが高いだけでメロディーの方はこれまでのような煌めきが若干足りない感じがして個人的には物足りなかった。しかしこの曲では19位まで上り詰めた。満を持して1stアルバムが発売され、買いに走った俺を待っていたのはあの衝撃的にダサいジャケ写だった…。そのせいばかりではないが、1stアルバムはコケてしまいブレイクの波も遠く…。
★★★☆☆
1stアルバム『BEAT GOES ON』
ベスト『B3 Master Pieces 2002-2004』

涙のハリケーン


5th バカンスの恋
03年6月4日
1stアルバムがコケて迷走が始まってしまう。ANNAが喉に変調をきたしたとも言われており、リリースまで鈍ってしまう。大島こうすけにしては珍しいやや大人な雰囲気の楽曲。ラストのANNAの高音ボーカルは圧巻ではあるが全体的に意図的に抑えたような落ち着いた雰囲気の曲で少し中途半端な感じも。PVではANNAを始め水着姿でセクシーなダンスを披露。当時でも十分に年齢の割にはセクシーだったが、正直3年は早かった気がしてならない。そもそもグループの形態からしてそういうラテンノリからのセクシーな路線を全開にできるのが強みでもあったのに、10代前半でデビューさせたのが失敗だったような…。
★★★☆☆
ベスト『B3 Master Pieces 2002-2004』

バカンスの恋


6th BON VOYAGE!
04年1月14日
アニメ「ONE PIECE」タイアップで唯一のトップ10入りを果たしたヒット曲。サビから始まる爽快な1曲で、これまでになくパーカッションが終始パッカパカしているのも特徴。メンバーの見せ場としてコーラスではなく間奏では長めのパーカッションを聞かせる(ただしクレジット上はスタジオミュージシャンが叩いているのが明記されてしまっている)。グループの特徴を前面に出してきたのはいいが正直これだけパッカパカしていると耳障りかも…。爽快なメロディーは気持ちはいいが突き抜けてしまい個人的にはあまり好きではない。まあ分かりやすいから売れたんだろうけど。このチャンスを逃すまいと2ndアルバムはベスト盤になってしまうものの、新規ファンをつかめず、旧来のファンの反感を買って逃がすという最悪の事態になってしまった。
★★★☆☆
ベスト『B3 Master Pieces 2002-2004』

BON VOYAGE!(BON-BON BLANCO・写真ジャケット)(初回限定盤)BON VOYAGE!(ワンピース絵柄・ジャケット)(初回限定盤)


7th 手のひらを太陽に
04年7月4日
「めざましテレビ」テーマ曲。この年はまずめざましキャスター陣がこの曲をテーマ曲にして1ヶ月担当し、以降は1ヶ月交代で様々なアーティストが歌うという企画だった。その1発目を飾ったのがボンブラ。堂々シングル単独A面で発表したが、以降のアーティストで単独A面にしたのはクレモンティーヌくらいであった(後はLeadが両A面、それ以外はC/Wかアルバム収録程度)。小学生への訪問ライブなどを行い、前作からの流れで小学生への知名度は広がったかもしれないが、旧来のファンはさらに離れていく結果となり、セールス的には低下に歯止めがかからなくなっていった。曲の方はストレートに明るくカバーしている感じで、朝にはピッタリだったと思う。大島こうすけのアレンジも無難。訪問ライブの時とかどうしてたんだろう?と思うのだが、間奏ではパーカッションの見せ場を作ればいいのに、何故かギターソロ始めちゃうのは謎だ。この曲はためておいて幻になってしまった2ndアルバムにでも収録すれば良かったと今でも思う。
★★★☆☆
アルバム未収録

手のひらを太陽に


8th La La 口笛吹いて行こう
04年9月1日
真夏全開のさわやかな1曲!のような気がするが、実は夏の終わり(の帰り道のイメージ)を歌った曲。曲調をもう少し夏の終わりの切なさを感じさせられる出来にしていれば良かったのに…。悪くない曲だったが印象は薄かった。今回改めて聞いてみたらさわやかでけっこういい曲じゃないかとも思ったんだけど。なおこの曲の歌詞カードの下には9月22日にアルバムが出ると書かれていたのでリリース時点で準備できていたと思われる。しかしリリース直後にこの記述は嘘で、延期になった旨が発表されてしまいそのまま無かった事になってしまった。年末にはクリスマスミニアルバムが出たのみだが、曲の内容からして9月に出そうとしたものとは違うと思われるのでこの時点でお蔵入りになった曲はかなりあったのでは?
★★★☆☆
アルバム未収録

La La 口笛吹いて行こう


9th 愛がいっぱい
05年2月23日
昼ドラ「スウとのんのん」主題歌。個人的には大島こうすけの悪いところが出てしまったなという印象の曲でとにかく軽い。メロディーも軽いし、アレンジも軽すぎ。ドラマでかかっていたバージョンはもう少しパカパカも薄くて少しはマシだった気がするんだけど…。ただこれは個人的な好みであり、「BON VOYAGE!」と同じように分かりやすい曲調でもあるので、あれが売れたなら別にこれでヒットしても格段不思議ではなかったとも思う。いずれにせよこの曲が98位とヤバイ段階に達してしまたせいか、コロムビアとの契約は終了になってしまう。
★★☆☆☆
アルバム未収録

愛がいっぱい


10th ユラユラ揺れる
06年8月30日
移籍第1弾。メンバーも20歳前後にまで成長し、全面的にセクシーな方向にシフトして再起を図った。曲の方は男性ラッパーによるラップが大胆に導入され、ANNAもサビ以外ではラップに挑戦しているリズミカルな1曲。サビでは一転してメロディーでしっかり聞かせる。制作陣は変わっていないのに随分と雰囲気が変わったというか軽さが軽減されたように聴こえる。必要以上にパカパカにこだわらなくなったせいだろうか。個人的にはけっこうリピートしたお気に入りの1曲で、待望の2ndアルバムに期待したのだが…。
★★★★☆
アルバム未収録

ユラユラ揺れる(初回限定盤)ユラユラ揺れる


11th ∞Changing∞
07年2月21日
作曲が小澤正澄で編曲が大島こうすけというラストシングル。前作同様にかっこよさが前面に出ており、この辺は作曲の小澤の影響も強いかも。どうせなら編曲までやってくれてよかったのに…。前作ほどではないが新たなボンブラへの期待が高まる、というかメンバーも成長してここからが本領発揮だという勢いはあった。しかし一向にヒットしないせいか、このままリリースは停止してしまい、結果的に5人でのラストシングル→そもそもボンブラとしてラストでした…ということに…。残念。
★★★☆☆
アルバム未収録

∞Changing∞(初回限定盤)∞Changing∞

 

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