Best of KAT-TUN

No タイトル 作詞 作曲 編曲 備考
1 SHE SAID... 田口亮,Axel G Katsumi Ohnishi FLYING GRIND  
2 NEVER AGAIN SPIN JOEY CARBONE,
STEVEN LEE
FLYING GRIND  
3 I LIKE IT Sean Thomas Sean Thomas FLYING GRIND  
4 MIRACLE hamai コモリタミノル 長岡成貢  
5 BLUE TUESDAY 久保田洋司 谷本新 石塚知生  
6 RHODESIA 相田毅 CHOKKAKU CHOKKAKU  
7 GOLD Stefan Aberg,
Stefan Engblom
Stefan Aberg,
Stefan Engblom
FLYING GRIND  
8 WILDS OF MY HEART SPIN zero-rock 北川暁  
9 SPECIAL HAPPINESS K2 Gajin 知野芳彦 亀梨和也・田口淳之介
10 ONE ON ONE JOKER,中丸雄一 mo'doo-,
井筒 "Growth" 伸太郎
井筒 "Growth" 伸太郎,
江口貴勅
田中聖・中丸雄一
11 BUTTERFLY 赤西仁,上田竜也 velvetronica velvetronica 赤西仁・上田竜也
12 RUSH OF LIGHT ma-saya Watermelon 6 CHOKKAKU  
13 ハルカナ約束 SPIN 森元康介 ha-j  
14 PRECIOUS ONE 新美香,白井裕紀 三上吉直 ha-j  
通常盤のみ
15 Real Face #1 スガシカオ 松本孝弘 松本孝弘,徳永暁人 1stシングル(同時発売) 別アレンジ

Rap詞:JOKER(1,2,7,8,13,15)
日本語詞:SPIN(3,7)

リリースデータ

2006年3月22日 初登場1位 売上75.0万枚 Producer:Julie K. J-One Records

メンバー

亀梨和也
赤西仁
田中聖
田口淳之介
上田竜也
中丸雄一

KAT-TUNデビューアルバム。シングル『Real Face』、DVD『Real Face Film』との3作同時発売。嵐の専属レーベルだったJ Storm内に新たにKAT-TUN専属のJ-One Recordsが設立された(品番はJ Stromと同じJACAを使用)。01年に結成、KAT-TUNというグループ名はメンバー6人の名字のイニシャルを並べたもの"-"(ハイフン)はファンを意味する。02年に初の単独ライブを行い、以降も毎年ライブは行っており、既にライブDVDは2本発売されていたが、このタイミングが正式なデビューとして扱われた。前年の05年には亀梨と赤西がドラマ『ごくせん』に出演し、さらにNEWS(当時)の山下智久と亀梨和也が修二と彰としてリリースした「青春アミーゴ」がミリオンを越える大ヒットを記録するなど一般知名度も高まってきた中での満を持してのデビューとなった。当初は先輩カバーの多かったライブのセットリストも既にオリジナル曲中心となるなど、既に持ち歌が大量にあったためデビュー作にしてベスト盤のようなタイトルが付属している。ただしこの時点でフルアルバムに足るオリジナル曲が揃っていたものの、既存曲7曲、新曲7曲+「Real Face #1」という構成になっており、CDとしては全曲初CD化となる。タイトルがベスト盤なので当初ベスト盤として扱われていたが、この後の2枚のアルバムのナンバリングがU、Vとなっていたため、今作は1作目に該当する事になり、オリジナルアルバムとしての通算カウントに含まれている模様。

新曲は4〜6、9〜12の7曲とされている。既にリリース済みのライブDVD『KAT-TUN Live 海賊帆』には「NEVER AGAIN」、「I LIKE IT」、「GOLD」、「ハルカナ約束」のライブ映像が収録されていた。「SHE SAID...」「WILDS OF MY HEART」、「PRECIOUS ONE」の3曲はそれ以降の05年に行ったライブのために用意された楽曲だがそちらのライブは商品化されていない。

シングル『Real Face』、DVD『Real Face Film』と3作セットにした完全限定BOXでも発売された。このBOXでは3作ともデジパック仕様となっている。また今作はBOXでは「Real Face #1」が未収録の14曲仕様となっている。単独発売の今作に初回盤は無いが、単独発売盤が通常盤扱いで「Real Face #1」が追加収録されている。シングルではCHOKKAKU編曲だったが、「Real Face #1」は作曲者の松本孝弘と当時B'zのサポートや共同アレンジを担当していた徳永暁人が編曲まで担当した別アレンジバージョン。

現在の中古市場ではBOX盤の今作が単品で大量に出回っているが(BOXの方が売れていたらしく通常盤よりも多く出回っている)、BOX版はデジパック、通常盤はプラケース仕様なので容易に判別可能。BOX版の売上は3種それぞれの単独の売上に加算されて集計されたと思われ、シングル『Real Face』はさらにメンバー別ジャケット6種+C/Wが1曲多い通常盤という複数商法もあって自身唯一のミリオンヒットを記録、今作もミリオンには届かなかったがアルバムでは最大のヒット作(シングル含めても「Real Face」に続く2番ヒット)となった。

 

驚異の大型新人として話題になっていたKAT-TUNだったが、KinKi Kidsやタッキー&翼の時のように事前にドラマで見たことも曲を聞いたことも無かったので何だか知らないところで激しく盛り上がっているような印象で、待望のデビューという世間の流れには当時完全に置いていかれていた。もう少し下の中高生世代だとクラス中がKAT-TUNブームだったなんていう声も聞くが、ジャニーズ自体が全体にメンバーの年齢より下のティーン世代を主要ターゲットにしているため、同い年や年下もメンバーに含まれるようになってきたNEWSやKAT-TUN辺りからは世代から外れた感じはなんとなくあった。またジャニーズらしくないワイルドさが売りになっていたが、メンバーのかなり尖った雰囲気やカッコつけた感じがどうにも素行不良っぽくてどうも苦手…となんとなく敬遠したままであった。

メンバーが出演したドラマもほとんど見る事が無く、『ごくせん』も『野ブタ』もスルーしていたので、KAT-TUNデビュー前に唯一ドラマで知っていたのが『がんばっていきまっしょい』に出ていた田口だけ。亀梨のドラマは『サプリ』『たったひとつの恋』と2連続で初回離脱してしまって以降なんだか合わないなと思ってしばらく見る事が無く、2013年になって中丸主演の『変身インタビュアーの憂鬱』、亀梨主演の『東京バンドワゴン』まではメンバーの出演ドラマは見ていなかった。この『東京バンドワゴン』での爽やかな好青年っぷりに個人的に亀梨君株が急上昇。2016年の『怪盗山猫』、2018年の『FINAL CUT』と好印象のドラマが相次ぎ、常に出演作をチェックしているわけではなかったが、これに加えて土曜日に車で出かける際に地元埼玉のFM NACK 5を聞いている午前10時20分頃に「KAT-TUN 亀梨和也のHANG OUT」というラジオ番組をやっていてそこでのトークも気取らず自然体で好印象で、個人的に亀梨君の好感度が2013年頃からじわじわ上昇していた。ベスト盤のみチェックはしていたが、そろそろアルバム全部聞いてみようかと思った次第。

 

ジャニーズアイドルのイメージとは一線を画す不良っぽいギラギラしたカッコよさを全面に押し出した「Real Face」で一気にKAT-TUNのイメージは決定的に固まった感があったが、今作もその線に沿っていてハードめな楽曲やクールな楽曲が多い。明るくて前向きなジャニーズ王道なアイドル楽曲はあまりないが、ディレクター2人のうち1人が鎌田俊哉なので、この縁で90年代SMAPの作家陣の起用、そして当時よく嵐に提供していた作家陣も起用されているのでそういった他でも良く見かけるジャニーズ的におなじみの作家の楽曲では往来のジャニーズのイメージに近い爽やかポップな楽曲も出てくる。ただ必要以上にアイドルポップに行かないのと、亀梨・赤西のカッコいいイケメン(?)歌唱、若き日の1番尖っていた頃のサクラップよりも尖りまくりに炸裂するJOKER田中のラップやヒューマンビートボックスの使い手中丸が各々で暴れ回っているので非常にグループとしての個性が強い。デビュー作にして既に歌わされている感が全くないというのは既にKAT-TUNとしてのステージを数年経験してきての積み重ねが効いているのだろうか。諸先輩方のデビュー作であったような初々しさがほとんど感じられないのはなかなか凄い。

Best ofという意味で果たして今作がベスト盤なのかは若干微妙なところはある。そもそもデビュー前の持ち歌から厳選されたという既存7曲は確かにベストなんだろうけど、新曲7曲は前述のようなSMAPや嵐などの先輩グループの作家陣によるものが多く、全て持ち歌にしてKAT-TUNらしさを貫くのではなく、CDデビュー作として、アルバムとして、アイドルとしてより幅広くバランスを取るような目的で新曲を加えたっぽいのでベストアルバム…ではないような…。

間違えてデジパック盤を入手してしまい、公式サイト見たらあれなんか1曲足りねーぞ?と気づいて入手し直すという手間がかかってしまった通常盤(プラケース版)の方にだけ収録されている「Real Face #1」。松本孝弘,徳永暁人による編曲としか表記されていないので演奏者は不明だが恐らく両者がギター、ベース、プログラミング等していると思われ、ロックバンド風のアレンジ、そしてギターサウンドが何だかとってもTAK MATSUMOTO。オリジナルもギラギラしていてカッコいいが、TAK MATSUMOTO的なロックサウンドという意味ではこっちのバージョンの方が耳馴染みが良かった。

KAT-TUN 完全限定BOX Real Face/Best of KAT-TUN/Real Face Film     Best of KAT-TUN (通常盤)通常盤  

印象度★★★☆☆

2019.7.26更新

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