Type-B Blu-ray
欅坂46 ARENA TOUR
Director's Cut Collection
No | タイトル | 会場 | 備考 |
1 | タイトルバック | ||
2 | Overture | 2017/8/30 幕張メッセ 全国ツアー2017「真っ白なものは汚したくなる」 | Instrumental 1stアルバム『真っ白なものは汚したくなる』収録曲 |
3 | エキセントリック | 2017/8/30 幕張メッセ 全国ツアー2017「真っ白なものは汚したくなる」 | 4thシングル通常盤のみC/W |
4 | 100年待てば | 2017/8/30 幕張メッセ 全国ツアー2017「真っ白なものは汚したくなる」 | 1stアルバム『真っ白なものは汚したくなる』Type-Aのみ収録曲 長濱ソロ |
5 | 夏の花は向日葵だけじゃない | 2017/8/29 幕張メッセ 全国ツアー2017「真っ白なものは汚したくなる」 | 1stアルバム『真っ白なものは汚したくなる』Type-Bのみ収録曲 今泉ソロ |
6 | 世界には愛しかない | 2017/8/30 幕張メッセ 全国ツアー2017「真っ白なものは汚したくなる」 | 2ndシングル |
7 | 危なっかしい計画 | 2017/8/30 幕張メッセ 全国ツアー2017「真っ白なものは汚したくなる」 | 1stアルバム『真っ白なものは汚したくなる』Type-A,Bのみ収録曲 |
8 | 太陽は見上げる人を選ばない | 2017/8/30 幕張メッセ 全国ツアー2017「真っ白なものは汚したくなる」 | 1stアルバム『真っ白なものは汚したくなる』Type-Aのみ収録曲 欅&けやき坂組(けやき坂46も参加) |
9 | Opening | 2018/9/5 幕張メッセ 夏の全国アリーナツアー 2018 | オープニング演出 |
10 | Student Dance | 2018/9/5 幕張メッセ 夏の全国アリーナツアー 2018 | 7thシングルC/W |
11 | ガラスを割れ! | 2018/9/5 幕張メッセ 夏の全国アリーナツアー 2018 | 6thシングル |
12 | 夜明けの孤独 | 2018/8/12 福岡マリンメッセ 夏の全国アリーナツアー 2018 | 6thシングル通常盤のみC/W 平手ソロ(ピアノ弾き語り) |
13 | W-KEYAKIZAKAの詩 | 2018/9/5 幕張メッセ 夏の全国アリーナツアー 2018 | 4thシングルC/W 欅坂46のみ(けやき坂46不参加) |
14 | Opening | 2019/8/28 大阪城ホール 夏の全国アリーナツアー 2019 | オープニング演出 |
15 | アンビバレント | 2019/8/28 大阪城ホール 夏の全国アリーナツアー 2019 | 7thシングル |
16 | DANCE TRACK | 2019/9/6 福岡国際センター 夏の全国アリーナツアー 2019 | ダンスコーナー |
17 | 避雷針 | 2019/8/27 大阪城ホール 夏の全国アリーナツアー 2019 | 5thシングルType-CのみC/W |
Type-Bには「欅坂46 ARENA TOUR Director's Cut Collection」Blu-ray付属。2017〜2019年に3回行われた夏の全国アリーナツアーから抜粋したライブ映像を収録。当初2017年8月30日幕張メッセ公演の「Discord Short Act」→「不協和音」の収録が発表されていたが、内容が過激(血塗れの演出だった)として収録中止と発表され削除された。代わりの追加収録は行われなかった。なおこの血塗れ不協和音映像の一部は当時の冠番組等で普通に地上波TVで流していた。
けやき坂46は2017年のみ参加していたが今作では1曲だけ参加曲が収録されていて欅&けやき坂組での「太陽は見上げる人を選ばない」のみ参加している。2018年ツアーでは既にけやき坂46はけやき坂46で単独ツアーを開始していたため不参加で、欅&けやき坂組での「W-KEYAKIZAKAの詩」も欅坂46単独での歌唱となっている。
2019年ツアーは直前に平手が右ひじ負傷を理由に不参加と発表していたが、8月27日公演「避雷針」で突如1曲限定で復帰したため「避雷針」のみ参加している(それ以外の曲には不参加)。
Type-Aの序盤の1st ANNIVERSARY LIVEは4月で、今作はその4ヶ月後のアリーナツアーから始まる。この1ヶ月前の7月に単独発売されている野外ライブ「欅共和国2017」もあったが、平手の様子は明らかに異変が生じている。この4ヵ月で色々あり、握手会での発煙筒事件、喉の調子が悪くなったとして声が出ないとラジオ出演は志田の通訳で出演するようになり、その後ラジオ中に仲の良いけやき坂46柿崎芽実に電話をかけて告白されると返事をして声が出るようになった!という謎演出で復帰した謎の喉不調騒動、冠番組でもほとんど空気かそもそもいなくなる…と様々な異常事態を経てのツアーだったので、この頃はまだ本調子に戻しきれていない、病み上がりみたいな見方も少なからずはあった。見た目にはまだそこまで変化はないが明らかに4月のライブより笑顔は少なくなっていて、普通に見ていてもちょっと今日は元気ないかな…と感じるくらいにはトーンが落ちている。
この2017年には他にも先の4月の1st ANNIVERSARY LIVEで休業した今泉が復帰して緊張の面持ちで披露した「夏の花は向日葵だけじゃない」が収録されているが、結果的に今作では今泉の参加はほぼこれだけ(2018年ツアーでは卒業を発表してツアーには不参加)、Type-Aも含めて唯一のけやき坂46と合同で披露した「太陽は見上げる人を選ばない」が収録されているのもポイント。改めて見ると何でここに日向坂46の1期生が紛れ込んで一緒に歌っているのか?と違和感が出てくるくらい間もなくすっかり別グループになり交流もほぼなくなるが(夏の野外ライブ『欅共和国』は2018年も出演)、本当に正解だったよなぁ…。
2018年ツアーではもう戻れない状態にまで平手の状態は悪化、ボサ髪に前髪で目元を隠した青白い能面フェイスという明らかに病的な後期平手のメインビジュアルが完成。「ガラスを割れ!」での後半1人暴走して踊り狂いながら光も当たってない(演出外?)センターステージに1人走りこんでいって踊り狂う姿は圧巻ではあるが、完全にアンコントロールに陥るほど壊れたような姿の痛々しさが凄い。一転して「W-KEYAKIZAKAの詩」ではステージ上にしか見えないようにスタッフが計らってねぎらいのメッセージと思い出のスライド写真映像を流したためメンバーが大号泣。観客には映像が見えてないので観客は何故にメンバーがこれほど大号泣しているのか、いくらツアーFINALだからといって異様な泣きっぷりに何があったのかと勘繰るレベルだが、なぜか平手だけスッキリ笑顔を見せるという1人だけ逆行するスタイル。1人だけ全く感極まる様子も無く、むしろ号泣するメンバーを見て笑顔になっているのでこのサプライズ演出の仕掛人が平手だったのか?と疑うほど。平手が全く笑えない状態ではない事は分かるとはいえ、やはりメンバーとの温度差が激しすぎる。そもそも後期になるほど孤立する平手、集団に入れない平手という演出が激化しているのもあって、これもある意味でその集団に入らずに逆行する平手を象徴するような場面だった。
2019年は平手不参加のツアーだったので少数選曲(オープニングとダンスはそれぞれ次の曲へ繋ぎ演出なので実質2曲だけ)。鈴本センターの「アンビバレント」は平手にはないダンスの迫力があり、活動末期には代理センターも増えていたが鈴本もまた平手に続いて人格レベルで変調をきたしていた印象がある。冠番組で初期はリアクション要員のメンバーだったのに途中から話を振られても素っ気ない態度でまともに対応すらしなくなったり…。グループ終了の前に疲れ果てて姿を消したまま卒業してしまったのは残念だった。「避雷針」はこの曲だけ平手がサプライズ復帰したものだったためか登場時の観客の声援が凄いが、2018年より酷い状態で最早口パク歌唱すらしてないように見える。
というわけで2017のツアーの時点でもだいぶカッコいい方向性に向きつつあったが、2018→2019とどんどん演出のダーク化、過剰化が目立つ。今作の2019年ツアーはType-Aの3rd ANNIVESARY LIVEより後でさらにこの後が東京ドーム公演にして結果的に平手最後のライブとなったが、このどんどん破滅へ向かっていく終末感は他には無いかも…。ただやはりこれはエンターテイメントとして消化してはいけないまずいやつな気がする。分かっててこれをやり続けたスタッフも、壊れていく平手を面白がって作品世界に落とし込んでいった理解者のフリして放置した策士家も、過剰な演出と指導でその作られた作品世界に没入させすぎて戻れなくさせておいて理解者のフリして放置した振付師も、それらをエンターテイメントとして祭り上げておいて放置したロック誌も全てが終末を加速させていたと思う。破滅へ向かう記録映像は見ていて辛い。