SEE YOU THERE
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | No Night,No Starlight | 前田甘露 | 久保田利伸 | 柿崎洋一郎 | |
2 | “10月の恋人たち(Lovers in October)” | 竹内まりや | 竹内まりや | 多保孝一 | |
3 | ここにいる | 柳沢亮太 (SUPER BEAVER) |
柳沢亮太 (SUPER BEAVER) |
柳沢亮太/河野圭 | |
4 | Head Shot | MiNE | Albin Nordqvist | Albin Nordqvist | |
5 | 'Cause I love you | 佐藤舞花 | 久保田利伸 | 柿崎洋一郎 | |
6 | メニュー | 明石家さんま/Tiger | 井出泰彰 | 井出泰彰 | |
7 | 君の空気に触れた瞬間(とき) | 吉田拓郎 | 吉田拓郎 | 鳥山雄司 | |
8 | Crazy in love | 堂本剛 | 堂本剛 | 堂本剛/Gakushi | |
9 | 心得 | Uru | Uru | 清水俊也 | Uruのカバー |
10 | Cherry Bomb | Komei Kobayashi | Rasmus Viberg/ Stefan Ekstedt/ Samuel Waermo |
Stefan Ekstedt/ Samuel Waermo |
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11 | Stay Safe | AI | AI/UTA | AI/UTA |
リリースデータ
2024年8月13日 | 初登場1位 | 売上6.2万枚 | Producer:見上浩司(Victor Entertainment) | ビクター |
木村拓哉3rdアルバム。前作から2年7ヶ月ぶり。今回も先行シングルは無く、いきなりのアルバム発売で全曲新曲となる。5月28日にいち早く「Stay Safe」のショートMV、7月31日に「Head Shot」のMVがYouTubeで先行公開された。引き続きYouTubeのMVとSpotify限定でST配信に出している以外は配信には出していない。発売当日8月14日に「ここにいる」のMVも公開された。
初回盤Aは豪華ブックレット仕様。
初回盤Bは「Stay
Safe」「Head Shot」のMVとメイキング映像を収録したDVD付。発売日公開の「ここにいる」のMVは未収録。
通常盤はCDのみ。3作連続3種の仕様も同じとなる。
Crew盤(ファンクラブ限定盤)はオリジナルメッセージカード封入。さらに限定応募施策
「TAKUYA KIMURA Live Tour 2024 SEE YOU THERE」コンサートチケット付き
C&C Secretが付属する。これはこの後開催予定のコンサートに各地50名ずつ250人招待に抽選応募出来る権利であり、予約段階の6月21日〜7月12日までの期間限定となる。チケット付CDではないため価格は通常盤と同価格。また7月13日以降も応募権利なしで購入可能となっていた(通常盤との差異はメッセージカードとジャケ写しかなくなるが…)。FC限定盤が用意されたのは初。
リード曲「Head Shot」は非キャッチーである代わりにヘンテコなインパクトフレーズ(表記上は"bang,bang,bang…"だが実際にはバンバババンバンバン♪とリズミカルに繰り返す)、ロボトミー声加工など様式美に沿ったようないかにも今風なKにかぶれた電子ダンスナンバーでキムタクさんついに貴方まで手を出すのか…と正直残念に思ってしまった。年齢半分以下の若くてカッコいい男子がこぞってみんなやっているような路線に木村拓哉が手を出さなくてもいいんじゃないかと思うし、思いっきりリード曲に仕立ててアピールするのは誰得なんだろうか…。
ただ実際には1曲目ではなく4曲目という配置だし、いかにも染まったのはこの曲だけ。他は前2作同様の○○提供!路線で、竹内まりや、吉田拓郎といった大ベテランの提供は特に両者の色が強く出ていてクレジット出ていなくても分かるレベルでそれっぽい。彼らの提供は当然生音編成だが、今作は生音編成(2,3,6,7,9)かAll Instruments(1,4,5,8,10,11)で両極端に振り切った半々の構成となっているのが特徴。All Instruments曲ではコーラスと「Crazy in love」で唯一堂本剛がエレキギターを演奏している以外はマジで他にオケ制作者がいないので、生音ならフルバンド編成、打ち込みならAll Instruments、バンドサウンド風の打ち込みみたいな作り方はせず、今作にはドラムだけ打ち込みとかベースだけ打ち込みとかの中間が無い。
全体には前2作に比べるとクール&バラード寄り。というかロック路線が鳴りを潜めてしまい、クールにキメるか、シンプルに歌い上げるかで、カッコよくロックを歌う木村拓哉がほとんどいなくなってしまった。「“10月の恋人たち(Lovers in October)”」は曲自体がまんま竹内まりやなゆったりナンバーなのを多保孝一のアレンジにより結果的には今作の中では最もロックバンドっぽく仕立てている。しかし曲があまりにもまりや過ぎるので、あえて違和感のあるロックアレンジをぶつけてみたといったミスマッチ感を味わうべき曲といえる(そういう意味では「君の空気に触れた瞬間(とき)」の方はアレンジも含めてもザ・吉田拓郎の範疇)。続く「ここにいる」もSUPER BEAVER柳沢亮太提供なのでバンドサウンドだが、流麗なストリングスも目立っていてロックよりも爽やかポップス然としている。いい曲ではあるんだけどいわゆる"キムタク"感のある俺様なロックでは無い。なお堂本剛はオファーされた際にロック曲を想定したが、本人から"ミディアムテンポのファンキーな楽曲を歌ってみたいな"と言われて参考曲まで提示されたので要望通りに曲を作った事を明かしている。
中盤以降「'Cause I love you」、さんまに歌詞を頼んだ「メニュー」、Uru提供曲「心得」、AI提供曲でもう1つのMV曲にした「Stay Safe」とバラードが断続的に出てくるので随分と落ち着いてしまった印象もある。親交のあるさんま作詞は話題性的にも入れたかったにしてもUruとAIはどっちかだけで良かったような…(一応生バンドのUru、1人オケのAIとサウンド面では真逆)。「Head Shot」みたいな路線に手を出すならロックをやってほしかったところではあるんだけど、攻めの姿勢を見せつつ50代の木村拓哉として落ち着いていく…というところと前2作でそこそこロックっぽい曲はやってきたので今回はロックをやるという感じではなかったのかなぁ…。
意図的にそうしたのかは分からないが、吉田拓郎と堂本剛の2人が並んで配置されているクレジットは感慨深い。堂本剛は吉田拓郎と共演していた『LOVE LOVE あいしてる』で曲作りを始めたので吉田拓郎は音楽の師の1人(坂崎幸之助も一緒に教えている)であり、師弟の曲がSMAP兄さんと慕った木村拓哉への提供曲として並ぶとはなぁ…。
印象度★★★☆☆
2024.9.21更新