The KIX・S 90's〜The BEST〜

No タイトル 作詞 作曲 編曲 備考
1 LOVIN' YOU 浜口司 安宅美春 葉山たけし 4thシングル 最高19位 売上21.2万枚
2 BE MY LOVE 浜口司 安宅美春 葉山たけし 1stシングルC/W
3 もう一度抱きしめて 浜口司 安宅美春 明石昌夫 2ndアルバム『LES=BEAT』収録曲
4 抱いて…抱きしめて 浜口司 安宅美春 葉山たけし 5thシングル 最高15位 売上8.0万枚
5 NAKED WOMAN 浜口司 安宅美春 高橋圭一&KIX・S 7thシングル 最高19位 売上5.7万枚
6 LOVE IN MY LIFE 浜口司 安宅美春 高橋圭一&KIX・S 9thシングル 最高30位 売上3.2万枚
7 Dynamite 浜口司 安宅美春 高橋圭一&KIX・S with MST 10thシングル 最高40位 売上2.5万枚
8 MY LIFE 浜口司 安宅美春 葉山たけし 6thシングル 最高25位 売上4.1万枚
9 MOVING ON 浜口司 安宅美春 KIX・S 11thシングル 最高23位 売上4.6万枚
10 DEAREST 浜口司 安宅美春 高橋圭一&KIX・S 6thアルバム『BODY』収録曲
11 わがままにCrazy Love 浜口司 安宅美春 葉山たけし 5thアルバム『MOTHER』収録曲
12 もう一度TENDERNESS 浜口司 安宅美春 葉山たけし 3rdシングル 最高22位 売上6.6万枚
13 愛し過ぎてこわい 浜口司 安宅美春 葉山たけし 2ndシングル 最高16位 売上10.4万枚
14 MaMa's Song 浜口司 安宅美春 葉山たけし 5thアルバム『MOTHER』収録曲
15 Everybody! Shake It Buddy! 浜口司 安宅美春 高橋圭一&KIX・S 7thアルバム『GORGEOUS』収録曲
16 自由に歩いて愛して 安井かずみ 井上堯之 高橋圭一&KIX・S 8thシングル 最高25位 売上4.8万枚 PYGのカバー
17 また逢える… 浜口司 安宅美春 葉山たけし 3rdアルバム『ONE NIGHT HEAVEN』収録曲
1stシングル(カット) 最高4位 売上61.2万枚

リリースデータ

1998年9月23日 初登場34位 売上1.9万枚 テイチク

メンバー

Vocal 浜口司
Guitar 安宅美春

The KIX・S1stベストアルバム。91年8月KIX・Sとしてアポロンより1stアルバム『KIX・S』でデビュー。97年にBMGに移籍してThe KIX・Sへと改名してシングル3枚、アルバム1枚をリリースしたが新作リリースは97年で停止し、98年に今作、99年に続編がリリースされて解散発表も無く自然消滅した。今作と続編ベストはアポロンでもBMGでもなく何故かテイチクへ移籍しての発売となっていて、The KIX・S名義となっているが97年BMG移籍してThe KIX・S改名後の作品は一切収録されずアポロン在籍KIX・S時代の全シングル11作と7thアルバムまでから6曲が収録された。1991年の1stアルバムから選曲されず、最古の2ndアルバムは92年発売だったため収録範囲は1992〜1996年となる。C/Wの「BE MY LOVE」、移籍前の最後のシングルで取り残されていた「MOVING ON」がアルバム初収録

初回盤は紙製のBOXケース仕様、フォトブック付属。移籍改名と同時に一気に低迷しており、8thアルバム『sunrise』の順位・売上は上回ったものの、これ以外で上回ったのは1stのみで自身ワースト3位の売上となった(次回作がさらに下回ったため最終的にはワースト4位)。

KIX・Sは渡辺プロダクション(通称ナベプロ)とビーイングの共同プロデュース体制、一時期は女版B'zとも形容されていた。これは安宅美春が前年の1990年にB'zプロデュースでシングル「孤独のRunaway」、アルバム『孤独のRUNAWAY』で日本初の女性ソロギタリストとしてデビューしていたため。B'zが関わったのは「孤独のRunaway」1曲のみだったが、「孤独のRunaway」は91年5月に歌詞をつけてB'zがミニアルバム『MARS』リード曲としてセルフカバーしていて、00年の『B'z The "Mixture"』でリメイク(Mixture style)もしている。浜口司も91年1月のビーイングのコンピ盤『ROYAL STRAIGHT SOUL』に参加していた。

KIX・Sは曲は一切知らず、ビーイング系のイメージもあまり無かったので名前以外ほとんど知らなかったが、そもそも名前を知ったのはネットを始めた00年頃のレビューサイト、つまりやや年上世代が運営していたレビューサイトではいくつか取り扱っているところがあって、女版B'zみたいな形容はそういったサイトで把握したんだったと思う(現在ではみんな絶滅してしまったが…)。なのでほとんど知らない状態でたまたま見かけたベスト盤2作だけまずは聞いてみた。

ビーイングプロデュースながら初期から作詞作曲はメンバー自作で行っていて曲の提供は受けていない。編曲に葉山たけし、明石昌夫とビーイングのアレンジャーを起用。ビーイングが自社での制作体制を整えていく中で、95年には事務所主導の制作体制となりビーイングから完全に離脱した。女版B'zという形容は明石昌夫が関わっていた90年代前半のB'zの事であり、ハードなギター+随所でキメまくる派手なシンセ+派手なオケヒという明石昌夫が当時のビーイングで行っていたアレンジがそのまま生かされた曲のイメージから主に言われていたようだ。実際には1st、2ndアルバムまでは明石・葉山の2人体制だったが、MANISHがデビューして明石昌夫が全面的に担当するようになると、KIX・Sは葉山たけしと住み分けするようになった。しかし当時の葉山たけしの作風は完全に明石昌夫の作風を引き継いでいたので非常に似ているといった感じ。このため女版B'zというよりもテスト版MANISHのようでもあり、ボーカルのパワフルさはMANISH同様に大黒摩季に系統がかなり近い。そんなわけで良くも悪くもアーリー90'sビーイングっぽい楽曲が並んでいるなという印象。

ただシングルとして唯一大ヒットした「また逢える…」はバラード系で他の曲とはややイメージが違う。女版B'z的な形容も今作だと前半4曲が特にそれっぽくこれがKIX・Sの王道というイメージになっていたのかなと思う。そしてこのハードなギター+随所でキメまくる派手なシンセ+派手なオケヒの曲はやはり時代性が強い。こればっかり続くとさすがに今改めて聞くのもキツいなと思ったが、葉山たけしの作風も徐々に明石アレンジの模倣的な音作りから離れ、派手なオケヒ連発も派手なキメもやらなくなり、全体に活動が進むほどに派手なシンセの多用が控えられて今でも聞きやすいアレンジの曲が増える印象。さらにビーイングを離れて編曲もセルフになってからはやや幅も広がり、よりナチュラルな音作りになっていくのでさらに聞きやすい。今作は時系列ではないので、バッラバラになっていて変化は辿れないものの、流れはスムーズでうまい具合にベストアルバムとしてまとめてあるんじゃないかとは思う。

B00005GCVI 

印象度★★★☆☆

2021.1.10更新

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