W.H.Y?

リリースデータ

久里夢ミニアルバム。CCCD。帯には"1st Album"と銘打たれているものの、全8曲のうち2曲(TV Mix)はカラオケトラックで実質6曲のミニアルバム編成となっている。2003年5月21日にシングル『Breath』でデビュー。10ヶ月経過して今作がリリースされたが全曲新曲でシングル『Breath』収録3曲は未収録。『Breath』リリース時はまだCCCD(コピーコントロールCD)開始間もない時期だったため採用されていなかったが、今作はCCCD全盛期に発売されたため餌食となり、CCCDでの発売。シングルは200位圏外、今作は300位圏外に終わり、今作を持ってこの名義での活動は終了フェードアウト。所属事務所はそのままにGIZAに移籍して上木彩矢として1年後に再度デビューした。

上木彩矢は1985年生まれなので(留年や中退が無ければ)2003年のシングルデビュー時は高校3年生、今作は高校卒業直後だった事になる。ジャケットは2000年代序盤のクラブ系シンガー、R&B系歌姫のような風貌で上木彩矢と同一人物には見えない。事務所がボックスコーポレーション(ビーヘッズ)なのと関係があるのかは不明だが、初期FIELD OF VIEWメンバーだった安部潤が作家として参加していたりもする。作風は上木彩矢とは一線を画し、ロック系ではなく、どちらかというと当時のGIZAのメイン路線であるチキタカ系(チッチキタカタカしたリズム)のクールなR&B寄りのポップス路線。むしろ上木彩矢よりもGIZAっぽい作風だがこれでフォーライフなのか…。また何故か1曲目の表題曲「W.H.Y ? 〜一人にしないで〜」だけ生音バンドサウンドによるジャズ・フュージョン寄りの楽曲でやたらオシャレ。こっちをもっと突き詰めた方が良かったんじゃないかと思ったけど、トレンドはチッチキタカタカしたクールなサウンドだったので他はそっちメインになるのは当然の判断か。

当然ロックではないので上木彩矢とは全く異なる方向性だが元より歌唱力は抜群のシンガーだったので、これはこれで普通に合っている。ただこの時代にこの見た目でこの方向性の女性シンガーなんてもう後発すぎる頃合いに差し掛かっていてありふれているといえばありふれているし、速攻で見切って改名して事務所にツテがあった(古くはFIELD OF VIEW、直近では高岡亜衣がデビュー)GIZAで仕切り直しデビューになったのは判断はとても早かったが正解ではあったのだろう。ただ5月にシングルデビュー、10ヶ月も空けて今作にはシングル未収録の中途半端なミニアルバムでは売れようもなかったような…。

印象度★★★☆☆

2024.6.14更新

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