Duality
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 |
1 | Looking For America | 小林武史 | 小林武史 | 小林武史 |
2 | ひまわり | 小林武史 | 小林武史 | 小林武史 |
3 | His Crime | 小林武史 | 小林武史 | 小林武史 |
4 | 何秒か前に | 小林武史 | 小林武史 | 小林武史 |
5 | 変わらぬ想い-Sail Away With You- | 小林武史 | 小林武史 | 小林武史 |
6 | Curve | 小林武史 | 小林武史 | 小林武史 |
7 | SUBWAY | 小林武史 | 小林武史 | 小林武史 |
8 | Strange Times | 小林武史 | 小林武史 | 小林武史 |
9 | 水のパレード | 小林武史 | 小林武史 | 小林武史 |
10 | Silent Voice | 小林武史 | 小林武史 | 小林武史 |
Strings Arrangement by 小林武史&Yuji Nomi(5)
リリースデータ
1988年11月21日 1993年3月21日(再発) 1995年6月21日(再発) |
100位圏外 | Produced by 小林武史 | MIDI |
小林武史デビューアルバム。既に80年代前半より作曲、編曲、キーボードプレイヤーとして活動していたが、87〜88年に展開していたサザンオールスターズの桑田佳祐のソロ活動でリリースされていた1stアルバム『Keisuke Kuwata』のアレンジャーとして参加して大きく知名度と評価を上げる中でシンガーソングライターとしてのデビューとなった。プロモーションもほとんどされず売上記録は残っていないが、93年、95年に次回作と同時に2度再発されている。
サポートメンバーは各曲ごとに表記されているが、本人のクレジットは一括で"Produced,Composed,Arranged,Keyboard played by Takeshi Kobayashi"と表記されているのみで作詞のクレジットが抜け落ちているが、JASRACには作詞も本人で登録されている。巻末には「モノローグ<独白>」と題された本人コメントも掲載されている。
あまり知られていないが小林武史は実は『Keisuke Kuwata』直後に歌手デビューしていた。インスト作品ではなく普通の歌モノ作品でマジで歌ってたの!?というのが後追いでは衝撃的だが今作と次回作はシンガーソングライターのアルバムとなっていてバンドサウンドを基本に曲によっては打ち込みも駆使。当然ながら00年代以降の得意技であるピアノストリングスではなく、作風は『Keisuke Kuwata』に近いものとなっていて大雑把にはポップス路線。…ではあるんだけど著しく地味。本人のボーカルもかなり暗く、一定の押さえたトーンで淡々と歌われているので、統一感はあるんだけど、これといった盛り上がりが無いままに過ぎ去っていく。雰囲気モノというか自己陶酔感はすさまじく強くてこのナルシズム溢れる作風にはこれぞコバタケ(?)の片鱗は見えるかもしれない。
ミスチルのプロデューサーとして定着して以降、小林武史は編曲プロデュースをメインにしている印象も強いが、91年には作曲・編曲の小泉今日子「あなたに会えてよかった」をミリオンにしたり、初期のミスチル桜井の作詞作曲にはかなり介入して共作したりもしている。続けて95年デビューのMY
LITLLE LOVERでほぼ作詞作曲編曲を一手に手掛けて大ヒットを連発して作曲面でもまもなくヒット期を迎えている。そういった時期が近い割には今作はあまりにもヒット性が無さ過ぎであり、プロモーションしなかったら売れなかったというより、あまりソロで売れる気は無かったのかなと思う(その割にミスチル現象に至るまでの93、95年に再発していてあわよくばもう少し売ろうというレコード会社の欲も見えなくも無い)。プロデューサーとしての自身の名刺代わりというか、業界内で評判を呼んでプロデュースの依頼を呼び込むためのプロモーション盤的なそういう意図があったのかなと思う(時代がもう10年以上前だが最初から裏方志向だった瀬尾一三が初期にソロ作品を出した理由もそのためだと語っていて、プロモーション用に作っていたデモが耳に止まってレコード出そうとなったらしい)、なんかそういう分かる人向けのような難解さはある。
95年盤 DUALITY(88年盤)
印象度★★★☆☆
2021.2.19更新