Star Made(初回盤)

No タイトル 作詞 作曲 編曲 備考
1 Star Song 小渕健太郎 小渕健太郎 KOBUKURO  
2 風をみつめて 小渕健太郎 小渕健太郎 KOBUKURO 30thシングル 最高4位 売上2.9万枚
3 卒業 小渕健太郎・
黒田俊介
小渕健太郎・
黒田俊介
KOBUKURO 31stシングル 最高3位 売上2.5万枚
4 ONE TIMES ONE 小渕健太郎 小渕健太郎 KOBUKURO 29thシングル 最高2位 売上5.5万枚
5 両忘 小渕健太郎 小渕健太郎 KOBUKURO 33rdシングル 最高4位 売上1.5万枚
6 灯ル祈リ 小渕健太郎 小渕健太郎・
黒田俊介
KOBUKURO 32ndシングル 最高3位 売上2.7万枚
7 露光 小渕健太郎 小渕健太郎 KOBUKURO  
8 晴々 小渕健太郎 小渕健太郎 KOBUKURO 6th配信シングル、3rdベスト『ALL TIME BEST 1998-2018』収録曲
9 夕虹 小渕健太郎 小渕健太郎 KOBUKURO  
10 小渕健太郎 小渕健太郎 KOBUKURO 28thシングル 最高2位 売上6.3万枚
11 君になれ 小渕健太郎 小渕健太郎 KOBUKURO 29thシングルC/W
12 大阪SOUL 小渕健太郎 小渕健太郎 KOBUKURO 7th配信シングル、31stシングルC/W
13 白雪 小渕健太郎 小渕健太郎 KOBUKURO 30thシングルC/W
14 バトン 小渕健太郎 小渕健太郎 KOBUKURO 29thシングルC/W
15 Always(laughing with you.) 小渕健太郎 小渕健太郎 KOBUKURO  

Strings & Brass Arrangement:小渕健太郎,笹路正徳(1,12,15)
Strings Arrangement:小渕健太郎,笹路正徳(2,3,6,8,9,14)
Orchestration Arrangement:小渕健太郎,笹路正徳(4,10)
Strings Arrangement:小渕健太郎,漆原直美,松浦基悦(11)、小渕健太郎,漆原直美(13)

初回盤DVD
LIVE at 大阪文化芸術フェス
presents OSAKA GENKi PARK 2020.10.11
No タイトル 備考
1 オープニング  
2 大阪SOUL 7th配信シングル、31stシングルC/W
3 Million Films 10thシングル両A面曲
4 MC  
5 卒業 31stシングル
6 12thシングル
7 MC  
8 灯ル祈リ 32ndシングル 発売直前の新曲(14日発売)
9 MC  
10 2ndシングル
11 MC  
12 どんな空でも 6thアルバム『5296』収録曲

リリースデータ

2021年8月4日 初登場2位 売上3.6万枚 Produced by KOBUKURO ワーナー

メンバー

Vocal,Guitar 小渕健太郎
Vocal 黒田俊介

コブクロ10thアルバム。ベスト盤『ALL TIME BEST 1998-2018』から2年8ヶ月、オリジナルアルバムとしては5年2ヶ月ぶり。前作『TIMELESS WORLD』以降の6シングル、配信2作、C/W3曲を収録。過去2作のベスト盤の次のアルバムの時と同様にベスト盤に先に収録されていた「心」「バトン」「君になれ」「ONE TIMES ONE」「晴々」「風をみつめて」も全て再度収録された。メジャーデビュー20周年となり、タイトル『Star Made』は1stアルバム『Roadmade』を意識したタイトルとなっているが、前作ほど旧作にはなぞらえていない。恒例の楽曲解説コメントは例によって既出コメント曲は転載となっているため、「心」「バトン」「君になれ」「ONE TIMES ONE」「晴々」「風をみつめて」はベスト盤からの転載、「両忘」は初めてシングル盤にコメントを記載していたためシングル盤からの転載となる。ベストが区切りになったのと更なるCD売上全体の低迷も加わり、先行シングル「両忘」、今作共にシングルアルバムそれぞれの過去最低を更新し、今作はシングル「心」「ONE TIMES ONE」の売上にすら届かないほどの大暴落となった。またどういうわけか「両忘」から今作までプロモーション活動が行われず、TV出演はおろかいつもは出てくる各メディアのインタビュー記事も全く出てこないなど事実上の活動自粛のような状態となっており(黒田不倫報道の影響?)、これも売上激減にかなり影響したと思われる。

初回盤は『LIVE at 大阪文化芸術フェス presents OSAKA GENKi PARK 2020.10.11』を収録したDVD付、スリーブ仕様。
ファンサイト会員限定盤は『KOBUKURO FAN FESTA 2021 STREAMING LIVE 2021.5.22』を収録したDVD付+10th Memorial Album Cover Discography Magnet Box付属。

過去最長ブランクとなった挙句に、ベスト盤に先に収録した曲を次のオリジナルアルバムに収録する法則もそのまま発動。しかも前の2作ではシングル表題曲に限定して収録し、C/Wを再度収録することはしていなかったのに今作ではベスト収録済みのC/W「バトン」「君になれ」まで収録したため過去3回中最大となる6曲重複。その後もシングルが溜まっていたため、シングルまみれのセミベスト、5年間のヒストリーアルバム+新曲4曲みたいなアルバムになった。ピコピコデジタルサウンド(2人+プログラミング1人の3人しか参加してない)という超異色の先行シングル「両忘」で何事かと思わせておいて「露光」以外はオール大所帯のフルバンド&ストリング攻め時々オーケストラ時々ブラス。確認せずとも飽和しまくり&マンネリ感が否めず、似たような感じの曲が続く印象に…。終始ふわふわ柔らかい優しいサウンドが展開するので、この殺伐とした世の中では癒しのごとくリスナーを包み込んでくれるという効能は非常に大きいとは思うが…いやマジでわざわざCDとして出した先行シングル「両忘」の攻めの姿勢は何だったのか。ロック路線も皆無なので似たような王道ストリングスばかりでけっこうしんどいアルバムになってしまった。これはファン以外にはかなり重たいアルバムだと思う。

いち早くストリングス使い過ぎな異変を察知して何年も前に警鐘を鳴らして距離を置くと宣言したスピッツ草野マサムネや先のアルバムインタビューでの「瞳をとじて」みたいなストリングスの使い方は避けているという平井堅の発言のようにストリングスに対してあまりに使い過ぎた事に気づいて最早J-POPのミュージシャンがみんな変革を意識している中で今なお大量起用を続けるというのは小渕が重度のストリングス中毒になってしまっているのが大きいと思われる。プロデューサーの影響なら切るなり、進言するなりすればいいだけだが、コブクロの場合は小渕が率先してストリングスアレンジをやっているので小渕本人が変革を意識しないとどうにもならない。前作で適材適所な使い方にようやく落ち着いたかと思ったら前より使いっぱなしになってしまっただけに今作の使い方はショックだし相当深刻だ。曲のコメントが長くなりがち説明しすぎな傾向も続いているし、特盛癖はもうどうにもならないのだろうか。ブラス使う時もブラスはあくまでストリングスに足すものとして盛ってしまうなど、とにかく足して足して足しまくる事しか考えておらず、ブラスを生かすからストリングスは無しでなどといった単純な引きの考えさえも今作では全くできていない。コブクロ2人を歌った「Always(laughing with you.)」は普段なら7分越えの超大作にしていそうな作風でもっと長々と続きそうなところでスパッとフェードアウトさせていって4分40秒程度でまとめているなどいい兆しもあるにはあるけど、流麗なストリングスやブラスで豪華に盛るより、原点の路上を思わせるシンプルなアコースティックギター中心の方がこの曲は感動的だったと思う。

とはいえ大半が"以前"に書かれた曲であり、「両忘」で真理を突きつけていくというストロングスタイルが反映されるのはこれからと思われる。「両忘」も今作もまさかのプロモーション無しだったことからも黒田不倫報道はそれなりに活動に影響を及ぼしたっぽいけど、そこから生まれる新たな可能性に期待したい…が、果たして中毒を抜け出せるのだろうか。今作では共作しかしていないが今こそ黒田の単独曲で新しい"Door"を開ける時だとも思うし、眠れる黒田曲の到来に加えて、ストリングス以外の可能性は無限に広がっていてコブクロがやれる事はたくさんあるとは思うんだけど…。結局また次のアルバムが出るまでに多大な時間を要して特盛シングルが溜まって…というループに陥る可能性の方が高いか。次のアルバム前にシンプルな引きのシングルをいかに出せるかどうかで決まってくるかも。

個々の曲ではほとんど印象に残っていない前作時よりも好きな曲は久々に生まれつつあり、「両忘」は異色すぎるサウンドとストロングすぎるスタイルでインパクトだがそれ以外でも「灯ル祈リ」は久々に力強く刺さる1曲になった(ノーストリングスで「あの太陽が〜」路線でやってくれればなお良かった)。ド派手な「ONE TIMES ONE」や周年記念ソング的な「晴々」なんかはベストに先に収録されてしまっていたので今作の中では微妙ではあるが「Always(laughing with you.)」も含めて個々に聞く分には十分に良かった。

初回盤DVD
2020年10月10日、11日に開催されたフェスで両日出演したが2日目の11日の出演部分を全曲収録、MCも収録されており恐らく出演部分フル収録と思われる。1時間ほどのステージでフルバンド編成だがストリングスやブラス隊の参加はなし。ただし音源でストリングスやブラスが鳴っている曲は同期で流している模様。MCで語っているように2020年唯一の野外にして唯一の有観客ライブ。観客は声出し禁止&マスク&一定間隔という事で普段の野外フェスの光景に比べるとスッカスカ、ひたすら拍手のみという盛り上がり切れない状態となっている。この状況で合唱で盛り上がる「大阪SOUL」や「どんな空でも」は辛いところもあるのが正直なところ。「轍」なんてマスクの中で(心の中で)歌ってくれと呼びかけて実際に観客に振ってしまう始末でしかしいくらテンションが上がっても声出し禁止なのでこれはその場にいたらかなりきついなと思う(この時はまだ今だけという意識もあったかもしれないが最早2年3年このままは確定していてもっとかもしれないし)。

ライブ自体は久々という事もあって多少の緊張はありつつも安定の仕上がり。やや黒田の声の伸びが曲によってはちょいしんどくなってきた感が感じられるものの「灯ル祈リ」での力強い歌唱などさすが。観客を煽る盛り上げ&真面目トークMCは全部小渕で黒田は面白MCのみ参加してお笑いコンビのようなやり取りを見せる、ステージを動き回りはするものの終始ゆっくり歩いての移動など2人の役割分担も相変わらず。

万博のこの場で「大阪SOUL」を全員で合唱するとか、「どんな空でも」を本当に曇りなき空の下で曇りなき心のままに歌える日がいつになるのか最早全く分からず取り戻せるのかも不透明となってしまった今作発売時、MCで語られているようないつかへの希望を保ち続けるのも困難となりつつある。「灯ル祈リ」が当時よりも強く刺さる

B095K7TRSC初回盤DVD付  B095K5WRF3通常盤 

印象度★★★☆☆

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