Kode Talkers

No タイトル 作詞 作曲 編曲
1 情熱のグルーブ 久保田光太郎 久保田光太郎 久保田光太郎
2 例のモノ 久保田光太郎 久保田光太郎 久保田光太郎
3 When I 久保田光太郎,長瀬智也 久保田光太郎 久保田光太郎
4 ハンディキャンディマン 久保田光太郎 久保田光太郎 久保田光太郎
5 Wonder 久保田光太郎 久保田光太郎 久保田光太郎
6 どっかに置いといて 久保田光太郎 久保田光太郎 久保田光太郎
7 脱力の法則 久保田光太郎 久保田光太郎 久保田光太郎
8 帯電Youthful 久保田光太郎 久保田光太郎 久保田光太郎
9 Free Wheelers 久保田光太郎 久保田光太郎 久保田光太郎

リリースデータ

2023年6月6日 提携店舗・自主通販限定 CHALLENGER RECORDS

メンバー

Vocal,Guitar 長瀬智也
Guitar,Chorus 久保田光太郎
 
Bass,Chorus FIRE
Keyboards,Chorus 浦清英
Drums,Chorus 中畑大樹

Kode Talkers1stアルバム。2017年のシングル『クモ』を最後にTOKIOの音楽活動は山口達也の事件と脱退により停止、TOKIOの活動はタレント農家と個人の俳優活動のみとなり、2021年3月ついに長瀬はジャニーズを退社して脱退。脱退時の長瀬は今後について明言せずに、芸能界から引退する、裏方として新しい仕事の形を作り上げていくいずれ形になった時にそういう事だったのかと分かるはず…等の曖昧な表現に終始していた。その後インスタを開設して投稿したり、シークレットでライブを行ったという情報が出回ったりはしていたが、2023年3月26日についにKode Talkersとして自主レーベルCHALLENGER RECORDSから作品をリリースすると正式に告知、公式Twitterと予約販売サイトを開設(自主販売系ミュージシャン御用達のBASEシステム)。4月9日までで受付を終了したため、販売サイトは真っ白となり、4月10日以降は入手不可と思われたが、5月になってツアーを正式告知、5月26日になって一般発売日6月6日にCHALLENGER原宿旗艦店、CHALLENGER RECORDSオンラインストア、CHALLENGER正規取扱い店にて店頭販売もすると正式に告知された。予約者には6日に到着するように発送するとしていたが、6月3日に佐川急便にて日時指定なし(もしくは引き渡し時に指定したつもりで指定されていなかった?)での一斉配送を行ったようで、最速では6月4日には到着した(日時指定だったからという理由で届いたのに1度回収されたというTwitterでの報告もあり)。

久保田光太郎はTOKIOがユニバーサルに移籍した2001年に新たに参加した作家陣の1人で作詞作曲編曲の提供を行っていた。同時期に新たに参加したKAM、HIKARIらはTOKIO末期の全曲自作体制に至ってもアレンジャーとしてサポート参加して最後まで関りがあったが、久保田光太郎に関しては2005年のアルバム『ACTU』とシングル『明日を目指して!』初回盤A,通常盤C/W「Save As...」提供を最後に離れてしまっていた。その後は他所でサウンドプロデューサーや曲提供を行っていたが、長瀬曰く音楽を叩きこんでくれた恩人的な存在であったようで、実際にTOKIOとして2014年唯一夏フェス2本に出演した際には有名シングル曲に混ざって『ACTU』における久保田光太郎提供曲「WATER LIGHT」「Sunset,Sunrise」を2曲とも選曲するなどしていた。離れて以降も恩人として慕い続けていて今回再合流してのバンド結成に至ったようだ。長瀬、久保田が中心となっているのか、残りの3人は空白を開けてクレジットされている。いずれも他所でも忙しそうなので適宜入れ替わる可能性があるという事なのだろうか。

FIREは松田FIRE卓己で多くのミュージシャンのレコーディングやライブに参加しており、2009年(収録は2008年)『MTV Unplugged 長瀬智也』にサポート参加していた(FIREの公式サイトのLIVE SUPPORT欄に長瀬智也がソロで表記されているが、ソロでのライブはMTVくらいしかないため)。
浦清英は多くのミュージシャンのライブ、プロデュースを行っており、特に有名なのは1994〜2005年(小林武史がライブでのサポートになる寸前まで)のMr.Childrenのライブサポート(『1/42』の写真集にキーボードのスキンヘッドのおじさんがでっかく写っている写真が1枚あるがそれが浦清英)、MOON CHILDのプロデュースが有名か。
中畑大樹Syrup 16g(2008年解散、2014年再結成)のメンバー。
久保田・FIRE・浦は3人は1970年生まれの同い年(TOKIO城島茂と同い年)、中畑は1974年生まれ(TOKIO国分太一と同い年)、長瀬は1978年生まれでTOKIO同様に長瀬が最年少となる。

長瀬智也の歌声は変わっておらず、TOKIO以来久々にこの声が聞けたところには大きな感動がある。ただ長瀬は作詞作曲編曲に留まらずエンジニアの領域の知識まで身に着けていた事で知られており、新バンド結成の報を聞けば当然自作の曲が出てくると期待するところだったが、今作はまさかの久保田光太郎が一手に作詞作曲編曲を手掛けていた。状況は違うが男闘呼組メンバーが揃ったのにほとんど寺岡呼人だったRockon Social Clubと同じような制作スタイルだが、前述のように長瀬の自作能力は単に曲が書けるというレベルではなく、既に久保田光太郎と同格かそれ以上の能力を持っていたはずだけに率直にこれは残念…。久保田光太郎はTOKIOロックバンド化に貢献した重要作家の1人であるが前述のように2005年の『ACTU』が最後なのでかなり久々。3rdアルバム頃の秦基博とかmisonoなど他所で見かける機会もその後あったが、活発に提供していて聞いたことがあったのはどれも2010年前後の頃なので何気に10年以上新規では見ていなかったような気がする。

「メッセージ」「DR」「HEY! Mr.SAMPLING MAN」「HUM A TUNE」「『コンクリート』『ジャパニーズ』『サンデー』」などTOKIOに提供したシングルやアルバム序盤のリード曲で基本的にアップテンポでストレートなロックバンド志向の作家というイメージではあったけど、かなりの年月が経過しているのでTOKIOに提供していた当時のようなアップテンポなストレートなロックナンバーは皆無。それよりも長瀬以外はアラフィフのベテランミュージシャン達の手練の演奏を生かしたミドル〜ミディアム系のロックナンバーが中心。マニアックではないけどそんなにキャッチーでも無く、渋すぎるわけではないけど、基本的に熟練ミュージシャンが熟練の演奏を楽しそうに奏でているというようなそんな1作だろうか。ラスト2曲は6分越え、7分越えで別にバラードというわけではないが演奏を長々と繰り広げるので長くなったという感じ。演奏にはとにかく聞き応えはある。

TOKIOへの提供以外でも秦基博のシングルの中でも最もストレートにロックしている「透明だった世界」も久保田光太郎のアレンジで、久保田光太郎というと勢いのあるロックナンバーの印象が強かったので今作はだいぶ落ち着いたなぁとは思った。ただ年月を重ねた先にこういう未来はあるのかなとも思った。年齢的にもTOKIO最年長の城島茂と久保田光太郎は誕生日1ヶ月程度しか変わらない同い年(1970年生まれ)なので、このバンドはTOKIOよりは平均年齢が高くなるものの、極端に高いわけではない。最後に提供した『ACTU』の「WATER LIGHT」と「Sunset.Sunrise」ではそれまでより少し毛色が変わってきている感じもあったけど、もし久保田光太郎がTOKIOの作家の1人として提供を続けていて、TOKIOも自作と提供を織り交ぜながら継続していた場合にはこんな感じの曲をTOKIOがやる未来はあったとは思う。かけ離れているわけではないが、当然別のバンドではあり、このバンドにおける長瀬はあくまでボーカルギターとして参加していてかつて師と仰いだ久保田光太郎の曲を歌っているという事だろう。

いずれにせよ確かにロックバンドであり、長瀬がまたロックバンドのボーカルをやっているのを聞く事ができる。自作とかなんとかよりもその事実を今は噛み締めるべきなのだろう。

自主通販限定

印象度★★★★☆

2023.7.9更新

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