MATCHY★BEST

No タイトル 作詞 作曲 編曲 備考
1 ケジメなさい 売野雅勇 馬飼野康二 馬飼野康二 14thシングル 最高1位 売上32.7万枚
2 情熱☆熱風 せれなーで 伊達歩 筒美京平 大谷和夫 5thシングル 最高1位 売上55.6万枚
3 夕焼けの歌 大津あきら 馬飼野康二 馬飼野康二 29thシングル 最高7位 売上7.6万枚
4 ブルージーンズ メモリー 松本隆 筒美京平 馬飼野康二 3rdシングル 最高1位 売上59.6万枚
5 アンダルシアに憧れて 真島昌利 真島昌利 白井良明 32ndシングル 最高9位 売上9.3万枚 真島昌利のカバー
6 ミッドナイト・シャッフル 沢ちひろ ジョー・リノイエ ジョー・リノイエ
編曲補:鈴川真樹
42ndシングル 最高4位 売上70.2万枚
7 スニーカーぶる〜す 松本隆 筒美京平 馬飼野康二 1stシングル 最高1位 売上104.7万枚
8 愚か者 伊達歩 井上堯之 戸塚修 23rdシングル 最高2位 売上18.2万枚
9 ハイティーン・ブギ 松本隆 山下達郎 山下達郎 7thシングル 最高1位 売上60.7万枚
10 ギンギラギンにさりげなく 伊達歩 筒美京平 馬飼野康二 4thシングル 最高1位 売上81.6万枚
11 哀しきハイスクール 松本隆 筒美京平 戸塚修 1stアルバム『Thank 愛 You』収録曲
12 五月雨Good-bye 安藤芳彦 佐久間正英 佐久間正英 4thアルバム『RISING』収録曲
13 青春 高橋研 高橋研 チト河内 21stシングル 最高7位 売上8.4万枚
14 イヴの告白 竹内まりや MARK DAVIS MARK DAVIS 9thアルバム『DREAM』収録曲
15 夏のエアメール 戸沢暢美 Donoban J N,
Walker Leon
Joe Harnell 12thアルバム『夏のエアメール』収録曲
16 うそのない言葉 BORO BORO BORO 14thアルバム『うそのない言葉〜THE TRUTH〜』収録曲
17 少年のこころ 歌川和彦 歌川和彦 重美徹 37thシングル 最高40位 売上1.1万枚

リリースデータ

2006年2月8日 初登場15位 売上2.1万枚 Sony Records

近藤真彦5thベストアルバム。前2作のベスト(96年『THE ROCK BEST』、90年『By Your Request』)は共に新録音だったのでオリジナル音源のベスト盤としては85年『THE MATCHY best song for you』、87年『近藤真彦 THE BEST』以来3作目となる。25周年企画第1弾としてここまでのシングル43作をBOX化した『マッチ箱〜25th Anniversary Complete Singles Edition〜』を元旦に発売、第2弾はトリビュートアルバム『MATCHY TRIBUTE』を1月25日に発売。今作はそれに続くデビュー25周年企画の第3弾でもあり、1〜10曲目までは曲順までトリビュート盤『MATCHY TRIBUTE』と同一となっている。11〜17曲目は本人セレクションとなっていて11〜17曲目のみブックレットには本人の一言コメントも掲載された。トップ10入りも逃す事態となったが、これでも現時点で最後のオリジナルアルバムとなっている97年の『GET BACK』の2倍の売上を記録。1年後には続編『MATCHY★BESTU』も発売されている。

今作時点でもすっかりヒットからも歌手活動からも遠ざかっていたのに後輩の番組に出てきては偉そうな態度を取った超大物然とした振る舞いで、リアルタイムの記憶が無い現役ジャニーズのファンからは嫌われていく状態にあった。今作をきっかけに一応長期ブランクは避けるようになり、シングル発売はちょくちょく行うようになり、特に5年おきの周年を迎えた際には年末特番に出てきて往年のヒットメドレーを歌い後輩総出でヨイショするという公開接待状態、年末年始のジャニーズカウントダウンでロングメドレーを披露して1人御満悦久々に出た紅白でいきなりトリ…とあまりの特別扱いに裸の王様状態と化して、ついに2020年の不倫騒動の末に自粛を余儀なくされ、レース業への復帰のメドも立たない事から2021年ジャニーズを自ら出ていく事となった。

個人的にもリアルタイムでのヒットは「ミッドナイト・シャッフル」しか知らない。この曲の印象は鮮烈で周囲でもメチャメチャカッコいい曲として流行りまくっていた。ドラマ『銀狼怪奇ファイル』と共に記憶している当時の少年少女も多いと思うが、これを知っている世代が近藤真彦のヒットをリアルタイムで知ってカッコいいと好印象を抱いた最後の世代だったんじゃないかと思う。

近藤真彦の功績の凄さは正直ほとんどかき消された状態にあるように思う。最初の5年くらいがとんでもなく、80〜82年までは100万〜50万枚台、83〜84年も30万前後の大ヒットを連発し、この時点であっという間に大ヒット曲が15曲以上ある状態となっていた。85年以降は市場全体の低迷もあるが急失速してあっという間に1位も取れなくなり、売上も10万割れになってしまい、ついには初登場81位と壊滅的な状況になったその次が「ミッドナイト・シャッフル」の大ヒットであった。また光GENJIですら達成できなかったジャニーズ唯一のミリオンヒットを97年のKinKi Kids「硝子の少年」が達成するまで長年保持し続けた「スニーカーぶる〜す」より、どういうわけか懐古特番では「ギンギラギンにさりげなく」ばかりかかりまくる始末でそれ以外のヒット曲もほとんど振り返られる事が無い。本人メドレーで歌いまくる事も少なくは無いが前述のように大御所接待演出が強すぎて往年のヒット曲としてはまともに聞いてもらえない状態である。

今作は久々のベスト盤となったがオールタイムにはかなりほど遠く、シングルをBOXで出したばかりだった事と、トリビュート盤と同一選曲という縛りがあるため、全盛期のヒット曲も最低限しか選曲されていない。しかも後半はマニアックな自選になってしまうので、大ヒット曲を網羅できるベストアルバムではない。それでもこれより前は古いものしかなく、他に最適なベスト盤が存在せず、往年のヒット曲と「ミッドナイト・シャッフル」を同時に楽しめるベスト盤は今作だけ。オリジナル音源だと前が87年なので今作と続編がリマスターされた最新ベストアルバムという状態なので、今作をひとまず聞いてみた。

時系列でもないのでややデコボコしている上に3曲目にいきなり10万枚も売れていない「夕焼けの歌」が出てきたり、デコ大(キレース・レード賞)の「愚か者」って大してヒットしてなかったんじゃん…とか色々新発見はあるが、クオリティに大きな差は無く総じて昭和のアイドル歌謡全開。全盛期といえば確かに全盛期だが、リアルタイムで接していないとどうしても前時代の昭和ヒット群というレトロ感が強く、こういうのが売れたのかぁ…という感じ。「ミッドナイト・シャッフル」は唯一リアルタイムなので今聞いてもカッコいいとは思うんだけど、これすらリアルタイムではない人が近藤真彦を聞いたらどうなるんだろうかというとやはりちょっと厳しい気がする。当時は確かにカッコよかったし、ヤンチャなところも含めて人気だったとは思うんだけど…。

後半はアルバム曲中心になり、ブックレットには短い本人コメントも掲載。さすがに本人コメントまで偉そうなんてことは無く普通にコメントされているが、楽曲自体も総じて普通でシングルA面に比べると派手な装飾も無い。ただシングル用の派手な装飾は昭和歌謡臭と前時代臭を著しく強めているため、派手な装飾の無い後半の方があまり時代を感じずに聞けるというのは面白かった。また初期のオリジナルアルバムはCD化もされずに放置されているか、少し後のアルバムでもCD化されていてもまだレコードメインの時代だったのでCDではほとんど出回っていない…などほぼ当時のLPとかカセットでしか聞けない状態なので古いアルバム曲のCD化は貴重だ。

B000CSUN5W 

印象度★★★☆☆

2021.6.2更新

戻る