THE BADDEST〜Hit Parade〜

リリースデータ

久保田利伸4thベストアルバム。89年『the BADDEST』、93年『the BADDEST�U』、02年『THE BADDEST�V』に続くベストアルバムで、02年の番外編『THE BADDEST 〜Only for lovers in the mood』も含めたBADDESTシリーズとしては通算5作目。『the BADDEST』『the BADDEST�U』『THE BADDEST�V』までは連続したシリーズだったが、今作はデビュー25周年記念で選りすぐりのヒットソングを2CDにまとめたスーパーヒットパレードなベストアルバムという初のオールタイムベスト的な位置づけとなっている。Ted Jensenによるリマスター。2ヵ月前にリリースされていた最新シングル「声にできない」はアルバム初収録となったが、アルバムバージョン(Voice & Tears ver.)となっている。また「TAWAWAヒットパレード」を新規でインタールードにしたバージョンも4バージョン収録されている。初回盤は代表的な12曲のPVをノンストップリミックスした「Non Stop Video Remix」、「声にできない」PVを収録したDVD付。

30万ヒットとなった『THE BADDEST�V』を最後に10万越えも無くなり数万枚の売上で推移していたが、25周年で実質初のオールタイムベストアルバムとして大々的にプロモーションが行われた事もあって、『THE BADDEST�V』以来となる10〜30万越えとなった。

あちこち順番が前後しながらも一応過去から現在へと向かっていくという独特な曲順となっている。シリーズ3作との被りも多く、収録範囲だけで見ればシリーズ3作の続編にはラスト5曲しか該当しない。ただ25年間のうち特にヒットした曲はほぼ網羅されているので1作で一気に振り返るには最適なベストアルバムとして構成されているんじゃないかと思う。続編として『THE BADDEST�W』を出すのであれば「LOVE RAIN〜恋の雨〜」が月9主題歌効果で久々にヒットしたタイミングが最適ではあったが、25周年が翌年に控えていたので企画盤を出すに留めておいてオールタイムベストにしたのは結果的に成功だったのかもしれない。

問答無用の大ヒット曲「LA・LA・LA LOVE SONG」を除くと、『電波少年』のドロンズのヒッチハイクの応援ソングとしてヒットした「AHHHHH!」、飯島直子と草�g剛が主演した映画『メッセンジャー』主題歌としてエンディング映像では主要出演者全員で歌唱していた「Messengers' Rhyme〜Rakushow,it's your Show!〜」（CDでは飯島直子のみが役名で参加している）、「LA・LA・LA LOVE SONG」以来のキムタク月9ドラマ主題歌となった「LOVE RAIN〜恋の雨〜」くらいしかリアルタイムで認識していなかったので、大半は知らない曲だった。この程度しか知らずに聞くにはやや曲数が多すぎたところはあるし、これなら『THE BADDEST�V』だけ聞いておけば良かったんじゃないかという気もしなくもないが、25年をざっと振り返るにはいい機会だった。そんなに好みの方向性ではないが、本場っぽい洗練されたカッコよさは十分に感じられるベストアルバムだ。

日本のブラックミュージックやR&Bのパイオニアとして扱われる事が多い久保田利伸だが、日本の歌謡的な要素がほとんどないブラックなノリを感じる音楽性は初期から一貫している印象。常に大ヒットというほどではないにしてもタイアップソングも多くて、ひたすらリズム重視トラック重視というわけでもなくメロディーの良さもちゃんとある。最初の頃から打ち込みは駆使しているものの、初期はミュージシャンの起用も多くて一応生のベースやドラムを入れた曲が多いけど、後年になるにつれて打ち込みが洗練されていき、後半にはほぼアレンジャー1人+サックスやストリングスなどを加える程度になっていくというレコーディング体制の変化と音色や音の響きが80年代後半〜90年代前半頃までとそれ以降で変わってきているという変化は感じられた。

初回盤DVD付　　通常盤 　

印象度★★★★☆

2020.2.4更新

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