生きているがゆえ(初回盤A,B)
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | あなただった | 熊木杏里 | 熊木杏里 | 河野圭 | |
2 | 旅 | 熊木杏里 | 熊木杏里 | 河野圭 | |
3 | 生きている故の話 | 熊木杏里 | 熊木杏里 | 河野圭 | |
4 | Short film | 熊木杏里 | 熊木杏里 | 河野圭 | |
5 | 私が見えますか? | 熊木杏里 | 熊木杏里 | 熊木杏里 | 11thデモ配信曲 |
6 | 逆行 | 熊木杏里 | 熊木杏里 | 河野圭 | |
7 | 太陽の種 | 熊木杏里 | 熊木杏里 | 清水俊也 | |
8 | スカートマジック | 熊木杏里 | 熊木杏里 | 河野圭 | |
9 | 冬空エスコート | 熊木杏里 | 熊木杏里 | 河野圭 | |
10 | 小さな創世記 | 熊木杏里 | 熊木杏里 | 河野圭 | |
11 | 愛を | 熊木杏里 | 熊木杏里 | 河野圭、石成正人 |
No | タイトル | 備考 |
1 | 月読の詩 | 7thデモ配信曲 |
2 | 教室 | 14thデモ配信曲 |
3 | 魚 | 17thデモ配信曲 |
4 | 四季 | 22ndデモ配信曲 |
5 | 幻 | 3rdデモ配信曲 |
6 | 林檎の芯 | 12thデモ配信曲 |
7 | 波 | 19thデモ配信曲 |
8 | 春馬 | 16thデモ配信曲 |
9 | 幸せを育てよう | 24thデモ配信曲 |
10 | この道 | 6thデモ配信曲 |
No | タイトル | 備考 |
1 | 喝采(Live from Works) | 2ndデモ配信曲 |
2 | ずっとね(Live from Works) | 13thデモ配信曲 |
3 | 匙(Live from Works) | 10thデモ配信曲 |
4 | 都会(Live from Works) | 4thデモ配信曲 |
5 | メッセージ(Live from Works) | 9thデモ配信曲 |
リリースデータ
2014年12月17日 | 初登場73位 | 売上0.15万枚 | Produced by 河野圭(1,2,3,4,5,6,8,9,10)、清水俊也(7) | Billboard Records |
熊木杏里8thアルバム。ミニアルバムが続いたので2年10ヵ月のフルアルバム。リリース自体は『贈り物』に続いて2014年2作目。今回は旧作のリメイクも無く、デモ音源をアレンジしてのCD化はあるものの、シングル無しで実質全曲新曲となっている。初回盤は2014年11月7日、東京キネマ倶楽部にて1日に2公演行われた「Live from Works」の模様を収録したDVD付初回盤AとDVD未収録の5曲をライブCDとして収録したライブCD付初回盤Bの3種2パターン複数商法。前作に続いてインディーズレーベルからのリリースだが、レーベルは変わっている。
本人が熊木はやはり暗い路線だというような主旨の発言を前作リリース後から行っている、2ndアルバム『無から出た錆』のような『無から出た錆U』的なアルバムを作りたいなどと前作時点でコメントしており、ここ最近とはガラッと雰囲気が変わっている。全体的に生のバンドやストリングスを駆使しているものの、アレンジで盛り上がる部分はほぼ皆無、あくまで歌メインの静かで地味な雰囲気のアルバム。意外とそんなに後ろ向きな曲ばかりではなく前向きで明るい曲もあるんだけど、核になってくるのはアルバムタイトルからも「生きている故の話」「私が見えますか?」辺りになってくるし、ブックレットからジャケットまですべてモノクロ写真で統一されていることもあり、イメージ的にも1stや2ndなどの初期を彷彿とさせるようなところがある。正直なところ、熊木杏里らしいといえばそうなんだろうけど…う〜ん…という感じ。なんかデビューから『光の通り道』までは内向きだったところからどんどん世界が開けていって希望の歌をまっすぐに歌うようなところまでゆっくりだけど確実に前進して到達していくという1つの道筋のような感じがあったんだけど(『はなよりほかに』で停滞したことはあったものの)、今作では初めて後ろに下がってしまったかのよう。もちろんそのまま過去のような作品になっているわけではないし、積み重ねた今の視点ではあるんだけど…。唯一新鮮だったのがちょっと電子音風味な「冬空エスコート」くらいで、後はいかにも熊木杏里らしいよねといういわゆる「フォーク的」で「眠くなる」ような「暗い」イメージ(すべて本人の形容)に沿っているものの、過去の曲を越える新たな名曲やフレーズが出てきたようには感じられず、率直に言って『光の通り道』が最高傑作だと思っているのでかなり物足りないアルバムだった。ただ初期が1番好きだったリスナーにとっては久々に戻ってきた感があるかもしれない。
初回盤AのDVD、初回盤BのCD
公式モバイルサイト限定(終盤までスマートフォン非対応、現在もアンドロイド対応のみ)でデモ音源配信という企画を2013年12月まで行っており、合計25曲が配信されていた。前所属会社のワーナーのサイトで配信していたようで2013年12月で唐突に終了が発表されたのでおそらくこのタイミングでワーナーとの契約が終了したものと思われる。このデモ音源は前2作のミニアルバムに完成形が数曲収録され、今作の「私が見えますか?」もそのうちの1曲だったが、大半がデモ音源のままでCD化はされていなかった。それらデモ音源のみでライブを行ったのが「Live
from Works」ということらしく、インタビューによればこの特典DVD制作のためにライブを行ったとされている。25曲のうちまだ数曲取り残された楽曲があるようだけど、初回盤A,Bで15曲を一気に聞くことができる…んだけど前回の初回盤付属のライブDVDに続き、今回もピアノとアコースティックギターというシンプル編成。デモがここまでデモのままであまり積極的に本編CDとして採用されなかった事からなんとなくそんな気はしていたが…ていうか本人が「デモ配信してきた曲ゆえに結構グダグダしてる曲も多くて」などと発言していることもあって、いつもの熊木杏里なミディアムバラードナンバーの連発でどうにも印象に残らなかった。興味深かったのは初回盤Aにわずかに収録されたMCの中で、5年周期くらいで落ちる時期があり、そういう時にこれまでも作風に変化が生じていたそうで、今がまたその時期に当たるというような話をしていたところくらいか。それは今作の作風にも繋がっているんだろうなとは思った。
印象度★★★☆☆