風色のしおり
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | ここにある今日 | 熊木杏里 | 熊木杏里 | 鶴谷崇 | 2022/4/27 12ヶ月連続配信第2弾 |
2 | いのち輝く | 中島信也 | 熊木杏里 | 鶴谷崇 | |
3 | My Love | 熊木杏里 | 熊木杏里 | 鶴谷崇 | |
4 | あなたと共に | 熊木杏里 | 鈴木龍男 | 鶴谷崇 | |
5 | 夢ならば | 熊木杏里 | 熊木杏里 | 鶴谷崇 | 2022/8/24 12ヶ月連続配信第6弾 |
6 | 心を知るよりも感じる方が性に合ってる | 熊木杏里 | 熊木杏里 | 鶴谷崇 | 2022/9/21 12ヶ月連続配信第1弾 |
7 | 明日からも | 熊木杏里 | 熊木杏里 | 鶴谷崇 | |
8 | 根 | 熊木杏里 | 熊木杏里 | 鶴谷崇 | |
9 | はなむけの歌 | 熊木杏里 | 熊木杏里 | 鶴谷崇 | 2022/5/25 12ヶ月連続配信第3弾 |
10 | もうすぐ春なのに | 熊木杏里 | 熊木杏里 | 鶴谷崇 | 2022/3/25 12ヶ月連続配信第1弾 |
リリースデータ
2022年11月16日(配信) 2022年11月23日(CD) |
初登場59位 | 売上0.08万枚 | Produced by 熊木杏里 | ヤマハ |
熊木杏里13thアルバム。前作から2年ぶり。2021年は新曲発売は無かったが、2022年3月から12ヶ月連続配信を開始。3〜10月までに配信されていた8曲のうち5曲を収録。6月の第4弾「風が変わったように」、7月の第5弾「僕の風景」、10月の第8弾「秋の理由」は未収録。既出配信曲はほぼピアノ+歌の弾き語りデモのような音源だったが、今作ではもう少し楽器を足してアレンジされている。
初回盤は5曲のセルフカバー弾き語り曲集CD『季節のない歌』、2022年5月22日に東京国際フォーラム
ホールCで開催されたライブ『熊木杏里20th
Anniversary Live “今日からの歌”』とそのメイキング映像を収録した120分のBlu-ray付属の2CD+Blu-ray仕様10000円。
通常盤は本編CD1枚のみ3000円。
配信版は1週間早い16日に先行配信された(DL/ST、ハイレゾもあり)
「あなたと共に」は父親との共作と明言されているが、「鈴木龍男」が父の名前なのかは明かされていない。何故か熊木姓ではないため、熊木がそもそも本名ではなく芸名だったのか(自身の結婚後は旧姓になった可能性が高いが)、父が作家ネームなのかは不明だが、"父の作ったコードに私がメロディーと歌詞を付けました"というインタビューでのコメントから父の関与は作曲だけでその作曲が共作という事になる。コード進行だけで父が単独で作曲にクレジットされるのは考えにくく、父+熊木杏里=鈴木龍男という父娘の合作ネームの可能性もある。
以前も大量のデモを連続配信した事があったがそれよりはもう少し季節やテーマを考えての月に1曲といった装いとはいえ連続配信がほぼデモ音源配信だったのでそのままだとちょっときついかなと思っていたら一応アルバム収録に際してサポート演奏を足してアレンジされてはいた。といってもちょっと加えた程度で、今回アレンジャーとして初起用の鶴谷崇はおとなしいアコースティック系のアレンジ中心。担当楽器がピアノなので鶴谷崇がピアノを弾いていて熊木杏里本人は「もうすぐ春なのに」で連名でピアノを弾いている以外は演奏には参加していない。ストリングスは「いのち輝く」「夢ならば」で導入しているものの、「いのち輝く」はドラムではなくパーカッション、「夢ならば」はピアノとストリングスのみとなっているなど全体に音数は少なめで、フルバンド編成は「明日からも」「はなむけの歌」の2曲に留まり、ミニアルバムを除くと前々作以上にシンプルなアコースティック編成になっているような印象。今作を引っ提げてのライブをやる場合はバンド編成である必要もなさそうだ。
前作は自粛開け直後の制作という事もあって仲間と音楽を鳴らせる喜びが前面に出たようなちょっとロック色の強い曲まで出てくる作風だったが、今作は逆の音数少なめアコースティック系。弾き語りデモの連発だった配信時よりはアレンジされているとはいえ、落ち着いた地味な仕上がりで、曲自体もいつもの感じが延々続くのでさすがに今回はそれ以上のものを感じるのはなかなか難しかった。歌詞は今を生きる人々の感情に寄り添ったり、今の目線で見る人々の姿や自身の思いといった感じで、暗くは無く、前向き寄りだがそんなに明るいわけでもない。かつてのように強く刺さるような表現も特にないが、自然体な感じではあり、聞き手がどのような精神状態であってもあまり聞こえ方が変わってくる感じではなくいつでも染み入るようなそんな作風かなと思う。普通と言えばそれまでだが…。
前々作も音数が少なく地味だったのでパッとしない印象だったが、その前はそこそこ好印象だったし、前作も好印象だったのでここのところ交互な印象ではある。でも今も聞き続けているファンの評価は前々作、今作の方がたぶん高いんだろうなとも思う。
印象度★★★☆☆
2022.12.17更新