無から出た錆
No | タイトル | 作詞 | 作詞 | 編曲 | 備考 |
1 | 長い話 | 熊木杏里 | 熊木杏里 | 吉俣良 | |
2 | 夏蝉 | 熊木杏里 | 熊木杏里 | 吉俣良 | |
3 | あなたに逢いたい | 熊木杏里 | 熊木杏里 | 吉俣良 | 4thシングルC/W(カット) |
4 | 景色 | 熊木杏里 | 熊木杏里 | 吉俣良 | |
5 | おうちを忘れたカナリア | 熊木杏里 | 熊木杏里 | 吉俣良 | |
6 | 新春白書 | 熊木杏里 | 熊木杏里 | 吉俣良 | |
7 | 雨 | 熊木杏里 | 熊木杏里 | 吉俣良 | |
8 | 説教と楓 | 熊木杏里 | 熊木杏里 | 吉俣良 | |
9 | ムーンスター | 熊木杏里 | 熊木杏里 | 吉俣良 | |
10 | イマジンが聞こえた | 熊木杏里 | 熊木杏里 | 吉俣良 | |
11 | 祖母と二人で | 熊木杏里 | 熊木杏里 | 吉俣良 | |
12 | 風のひこうき | 熊木杏里 | 熊木杏里 | 吉俣良 | |
13 | 私をたどる物語 | 武田鉄矢 | 熊木杏里 | 吉俣良 | ボーナストラック 1コーラスのみのTVバージョン 4thシングル(カット) 最高48位 売上0.4万枚 |
※シングル200位以内データ
リリースデータ
2005年2月23日 | 初登場173位 | 売上0.3万枚(300位集計) | Produced by 熊木杏里 Sound Produced by 吉俣良 |
KING RECORDS |
熊木杏里2ndアルバム。2年ぶりのリリースとなった。前作を持って早くもVAPとの契約が終了。事務所の移籍はその時点で既に決まったらしいが、レコード会社移籍に時間がかかることとなった。シングルなしの全12曲+ドラマ「3年B組金八先生(第7シーズン)」挿入歌の「私をたどる物語」が1コーラスのTVバージョンでボーナストラック扱いで収録されている。これは4月にフルコーラスでシングルカットされ、結果的に今作のTVバージョンはシングルの予告編のような形となった。リリース時のインタビューはこちら。なお前作リリース直後の03年春〜秋までのNHK朝ドラ挿入歌として「ヒトツ/フタツ」が起用されていたが、ずっと音源化されないままで今作にも未収録。この曲は「私をたどる物語」のC/Wとしてようやく2年越しの初CD化を果たしている。
事務所もレコード会社も変わったものの、サウンドプロデューサーは変わっておらず作風の大きな変化はない。むしろ前作よりも抑えたバンドサウンドが多くなった印象。前作には無かった比較的アップテンポの曲も今回はあるのだが、前作のようにサビでロックっぽくなるような派手なアレンジをほとんどしていない。より落ち着いていてじっくり歌と歌詞を聞かせるような雰囲気になっている。1曲目の「長い話」から17〜22歳(当時)の半生を赤裸々につづった内容で驚くが、メロディー自体は淡々とシンプル。最終的にはラストの「なぜ生きてるの なぜ生きてゆくの なにもないから なにかになりたい」という言葉が強く残る。それ以外にも自分と向き合ったような曲が多いが、前作ほど達観した感じは無く、もう少し穏やかで希望も見えているような感じがしつつも停滞しているというかやはり暗い。全体的にかなり落ち着いて地味な佇まいながら、じっくり聞くと引きこまれる世界観がある。あまり歌詞に共感できない人にはメロディー的にシングル曲っぽいキャッチーさがあまり無いので退屈なアルバムかもしれないが、歌詞や歌声に惹かれるものがあれば一気に名盤に化けるようなそんな1枚だ。
印象度★★★★☆