Keisuke Kuwata
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | 哀しみのプリズナー | 桑田佳祐 | 桑田佳祐 | 小林武史 with 桑田佳祐、藤井丈司 | |
2 | 今でも君を愛してる | 桑田佳祐 | 桑田佳祐 | 小林武史 with 桑田佳祐、藤井丈司 | |
3 | 路傍の家にて | 桑田佳祐 | 桑田佳祐 | 小林武史 with 桑田佳祐、藤井丈司 | |
4 | Dear Boys | 桑田佳祐 | 桑田佳祐 | 小林武史 with 桑田佳祐、藤井丈司 | |
5 | ハートに無礼美人(Get out of my Chevvy) | 桑田佳祐 | 桑田佳祐 | 小林武史 with 桑田佳祐、藤井丈司 | |
6 | いつか何処かで(I feel the echo) | 桑田佳祐 | 桑田佳祐 | 小林武史 with 桑田佳祐、藤井丈司 | 2ndシングル 最高2位 売上26.4万枚 |
7 | Big Blonde Boy | 桑田佳祐 | 桑田佳祐 | 小林武史 with 桑田佳祐、藤井丈司 | |
8 | Blue〜こんな夜には踊れない | 桑田佳祐 | 桑田佳祐 | 小林武史 with 桑田佳祐、藤井丈司 | |
9 | 遠い街角(The wandarin' street) | 桑田佳祐 | 桑田佳祐 | 小林武史 with 桑田佳祐、藤井丈司 | |
10 | 悲しい気持ち(Just a man in love) | 桑田佳祐 | 桑田佳祐 | 小林武史 with 桑田佳祐、藤井丈司 | 1stシングル 最高2位 売上34.9万枚 |
11 | 愛撫と殺意の交差点 | 桑田佳祐 | 桑田佳祐 | 小林武史 with 桑田佳祐、藤井丈司 | |
12 | 誰かの風の跡 | 桑田佳祐 | 桑田佳祐 | 小林武史 with 桑田佳祐、藤井丈司 |
リリースデータ
1988年7月9日 1992年6月27日(再発) 2001年6月25日(リマスター再発) |
初登場1位 | 売上65.1万枚 | Produced by 桑田佳祐、小林武史、藤井丈司 | ビクター |
メインクレジット
Vocal,Chorus | 桑田佳祐 |
Keyboards,Synthesizer | 小林武史 |
Drums&Synthesizer Programming,Sequencing | 藤井丈司 |
桑田佳祐1stアルバム。KUWATA BANDの活動を経て、87年10月に「悲しい気持ち(Just a man in love)」でソロデビュー。88年3月には2ndシングル「いつか何処かで(I feel the echo)」がリリースされた。88年6月25日はサザンオールスターズデビュー10周年ということもあり、85年以降活動を停止していたサザンはシングル「みんなのうた」で大々的に復活を遂げる。今作の制作にはかなり時間をかけていたようで、結果的に「みんなのうた」でサザン復活直後の発売となってしまった。この直後にはサザンオールスターズとしての「大復活祭」とされた全国ツアーが展開したため、今作を発売しただけで1期ソロ活動は終了。今作を引っ提げてのソロツアーは行われていない。主に小林武史、藤井丈司との3人メインで制作されており、「誰かの風の跡」以外にはサポートミュージシャンも参加しているがこの3人がプロデュースとして演奏クレジットも別枠になっている。またブックレット写真に小林と藤井が普通に写っている。2週連続で1位を獲得。当時もCDで発売されているが、92年に再発、01年にはリマスターで再発されている。01年リマスター盤の初回盤はスリーブケース付。
KUWATA BANDで生身のバンドで勝負した後に今度はスタジオで作り込みまくるというある意味真逆の方向性となっている。サザン10周年での復活は既定路線だったと思われ、そこに間に合わなくなっても今作は作っておきたかった重要な1作だったのだと思う。藤井は休止前のサザンにも関与し、主にコンピューターサウンドの導入に貢献した人物で、ソロということもあってさらに全面的に参加した形だが、小林武史は今作が初参加。アレンジが「小林武史 with 桑田佳祐、藤井丈司」となっていることからも、演奏クレジットはキーボードとシンセ(あと「Dear Boys」では原由子と一緒にコーラス参加)のみだが、小林の影響が非常に大きかったと思われる。ヒット曲的なキャッチーさでいえば「悲しい気持ち(Just a man in love)」がずば抜けており、それ以上にキャッチーな曲はあまり無いのだが、今作が凄いのはその作りこまれたポップサウンドである。00年代以降ピアノとストリングスだけのアレンジャーとなってしまう小林だが、ポップス職人と言うべき天才アレンジャー小林武史の手腕が存分に発揮されている。さすがに88年の作品なのでリマスターされようとも使われている音色や音のバランスには時代を感じるのは確かだが、それでも練りこまれた音だけで聞き込める1作である。作りこまれているのにパッと聞きはポップでキャッチーなサウンド、桑田のソロデビュー作であると同時に小林武史の出世作といってもいいだろう。小林はこの後のサザンでも数年間大活躍をすることになるが、『Southern All Stars』〜『世に万葉の花が咲くなり』辺りまでのサザンには確実にフィードバックされた1作だったと思う。
印象度★★★★☆