BEGINNING
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | グッドバイ・サマーブリーズ | 竜真知子 | 林哲司 | Al Capps | |
2 | 戻っておいで・私の時間 | 安井かずみ | 加藤和彦 | 瀬尾一三 | 1stシングル(同発) 最高84位 売上2.2万枚 |
3 | 夏の恋人 | 山下達郎 | 山下達郎 | Al Capps | |
4 | 輝くスターリー・ナイト | 高橋ユキヒロ | 細野晴臣 | Al Capps | |
5 | 目覚め(Waking Up Alone) | 松山猛 | 杉真理 | Al Capps | |
6 | ジャスト・フレンド | 有馬三恵子 | 告井延隆 | 告井延隆 | 1stシングルB面(同発) |
7 | 突然の贈りもの | 大貫妙子 | 大貫妙子 | 告井延隆 | |
8 | おかしな二人 | 松山猛 | 加藤和彦 | 鈴木茂 | |
9 | ムーンライト・ホールド・ミー・タイト | 有馬三恵子 | 杉真理 | 告井延隆 | |
10 | サンタモニカ・ハイウェイ | 竹内まりや | 告井延隆 | 告井延隆 | |
11 | すてきなヒットソング(My Hit Songs) | 竹内まりや | 竹内まりや | 告井延隆 | 2ndシングル『ドリーム・オブ・ユー』B面(カット) |
Bonus Tracks(40周年リマスター盤追加収録) | |||||
12 | 夏の恋人(LIVE Ver.) | 1981年8月25日 中野サンプラザ MARIYA POPPING TOUR音源 | |||
13 | グッドバイ・サマーブリーズ(LIVE Ver.) | 1981年8月25日 中野サンプラザ MARIYA POPPING TOUR音源 | |||
14 | すてきなヒットソング(LIVE Ver.) | 1981年8月25日 中野サンプラザ MARIYA POPPING TOUR音源 | |||
15 | 戻っておいで・私の時間(オーケストラVer.) | 1stベスト『VIVA MARIYA!!』収録Ver. |
リリースデータ
1978年11月25日(LP) 1978年11月25日(CT) 1985年2月21日(CD) 1987年3月15日(CD) 1989年11月21日(CD) 1997年6月4日(CD) 1999年5月21日(限定紙ジャケCD) 2018年11月21日(40周年記念リマスター盤) |
最高17位 最高40位 100位圏外 100位圏外 100位圏外 100位圏外 100位圏外 初登場32位 |
売上8.2万枚 売上2.1万枚 - - - - - 売上0.5万枚 |
Produced by 牧村憲一 | RCA RCA RCA RCA BMGビクター BMG JAPAN BMG JAPAN Ariola Japan |
竹内まりや1st(デビュー)アルバム。デビューシングル「戻っておいで・私の時間」と同時発売でB面の「ジャスト・フレンド」も収録された。2ndシングル『ドリーム・オブ・ユー』B面として今作で唯一自作曲の「すてきなヒットソング」がカットされた。A面(1,3〜5)はLA録音中心、B面(6〜11)は国内で録音されている。後に固定アレンジャーにして夫となる山下達郎は今作時点ではレコード会社の先輩という関係性だった(ただし竹内まりやはデビュー前から山下達郎のファンだったと語られている)。今作で山下達郎は「夏の恋人」を提供しているがアレンジや演奏には関わっていない。
CD化以降のチャートイン記録は残っていない。またレーベルの変更等で小刻みにRCA時代のアルバムが一斉再発されてきたが、97年盤を最後に長らくこれが現行盤となった(公式サイト掲載の品番も97年盤のもの)。99年には山下達郎同様に紙ジャケット仕様の限定盤で再発もされている。97年再発盤には左側にオリジナルアルバムと公認ベスト『VIVA MARIYA!!』、右側には公式サイト非掲載の非公認ベスト5作が表記されている。
長年リマスター発売はされておらず、97年盤が現行盤のまま20年以上が経過していたが、2018年のデビュー40周年の際に初めてリマスターされた。11月に今作がまず発売され以降1ヶ月ごとに順次リマスター盤を発売。2018年リマスター盤では1981年8月25日/中野サンプラザ “MARIYA POPPING TOUR” 音源として「夏の恋人(LIVE Ver.)」「グッドバイ・サマーブリーズ(LIVE Ver.)」「すてきなヒットソング(LIVE Ver.)」、公認ベスト『VIVA MARIYA!!』収録の服部克久によるリアレンジバージョンの「戻っておいで・私の時間(オーケストラ Ver.)」の4曲がボーナストラックとして追加収録された。
40周年リマスター盤には新たに全体解説、楽曲解説が掲載されており、解説の中で竹内まりや本人のコメントも紹介されている。解説及び歌詞は本編11曲のみでボーナストラックは作詞作曲編曲、歌詞、演奏クレジットの一切が非掲載となっている。また当初「戻っておいで・私の時間(オーケストラ Ver.)」も1981年8月25日/中野サンプラザ “MARIYA POPPING TOUR” 音源として掲載されていたが誤植である事が正式に発表され、希望者には2018年末まで無償交換措置が取られた(目次のライブ音源を示す文面が消去されたものとの交換)。40周年盤は初登場32位を記録し、今作のCDでのランクインは初となった。
今作がデビュー作…とはちょっと信じがたい完成度の高いアルバム。というかクレジットが凄ぇ…。何だこの超大型新人。A面をいきなりLAレコーディングして現地ミュージシャンによるアレンジ、演奏で固めた挙句に(瀬尾一三による1stシングルのみ国内演奏陣)、B面はセンチメンタル・シティ・ロマンスの告井延隆がほぼ全面的にアレンジを担当。さらに提供陣も当時から既に知名度の高かった面々が並ぶ。そして早くも自作でも1曲。とんでもない気合の入れようだ。
竹内まりやの初期はアイドル的な活動であった、と言われる事が多い上に、提供曲を歌っていたと聞いていたのでなんとなく本格自作&達郎全面アレンジへ移行してからとは全く違うアイドルソングを歌っていたのかと思っていたが、曲を聞く限り今作にアイドル色は皆無。歌声に柔らかさが無くてかなり硬い感じなので最初に聞くと現在のイメージと違うなとは思うんだけど、それでも当時23歳とは思えないような落ち着いた声質は当時から変わっていない。これに合わせて楽曲も一流ミュージシャンによる極めて落ち着いた良質なバンドサウンドが奏でられ、前半はLA録音の成果かAOR風味強め、後半は日本らしい歌謡ポップスの風味が感じられる。一貫して現在のイメージとさほどかけ離れていないゆったり落ち着いた曲調が中心で最初から竹内まりやの歌声にはこういった曲調が合うという意識は制作陣の共通認識として固まっていたようだ。唯一の自作曲「すてきなヒットソング」にしてもインパクトはさほど強くはないがほとんど後のイメージとブレるところがない。
リマスターや再発自体も長年無かったためか、なかなか振り返られる事が無いこの時期の作品だが、後追いで聞いても十分に竹内まりやらしさを感じられる良作だ。
40周年盤について
ボーナストラックに関しては貴重な独身時代のツアーの音源という事だが、これが思った以上にライブっぽくない。曲終わりとか始まりに多少の拍手は聞こえるが、演奏自体にライブらしい残響音が無いのでさらっと聞いていたら単なる別テイクかというような勢い。初レコーディング作である今作より当然歌いなれていてボーカルに深みは増していてより味わい深い。まだ26歳とかだったはずなのに落ち着きと貫禄が凄い。これのどこがアイドル時代なんだ…。
「戻っておいで・私の時間(オーケストラVer.)」に関しては何の説明も書いていないが、『VIVA MARIYA!!』収録の服部克久アレンジ音源と同じと思われる。『VIVA MARIYA!!』収録時もしれっとアレンジャーが変わっているだけで特にバージョン表記も無く収録されていたので、オーケストラVer.と題されたのも初だったりするが…。これ説明無しは不親切すぎないか。
目次と裏表紙のエンジニア表記のところにボーナストラックのミックスエンジニアが記載されている以外は解説でボーナストラックへの言及が無く、演奏ミュージシャンの記載も無いというのは若干不自然。楽曲解説の日付は2018年9月になっているがこの段階でボーナストラックの収録予定が無く、今作へのボーナストラック収録が発表されたのはかなりギリギリだったので本当にプレス直前に急遽ボーナストラック収録が決まったとか…?
リマスターに関しては先に発売されている『VARIETY』『REQUEST』の30周年盤と同様に菊地功。オリジナルよりは多少音が大きくなっているが、同じ曲でも08年のベスト盤『Expressions』よりは明らかに音が小さく抑えられている。よって『Expressions』の迫力を想定して今作を聞くとえ?リマスター?と思ったり、ちょっと小さく感じるかもしれない。ただこのくらいの方が上質な感じに聞こえるし、ちょっと足りなければボリューム上げればいいので良いリマスターなのではないかと。
「グッドバイ・サマーブリーズ」での比較
97年現行盤 99年紙ジャケット限定盤 2018年リマスター盤
印象度★★★☆☆
2017.10.31更新、2019.1.1リマスター盤追加更新