デッドプール
2016年公開。映画『X-MEN』シリーズのスピンオフとして世界観を共有しているが、直近のシリーズにおける共通キャラクターは存在しない。主役のライアン・レイノルズは09年の『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』において同じウェイド/デッドプール役を演じていたが、今作との繋がりは無い。今作の方が原作準拠での登場という扱いになっている。X-MENメンバーとしてコロッサス、ネガソニック・ティーンエイジ・ウォーヘッドの2人が登場し、学園も外見のみ登場する。コロッサスは『X-MEN』シリーズにも出ていたキャラクターだが演じている役者は異なり、常時金属形態でいるなど異なる設定になっている。
トラブルシューターをしながら生活していた元軍人のウェイドは娼婦のヴァネッサと出会い愛し合うが末期がんが発覚。謎のエージェントに治す方法があるといわれ、フランシスという男の施設に向かったウェイドはミュータントを生み出す実験材料にされてしまう。激しい拷問の末にミュータント遺伝子が覚醒し、傷を治癒する能力を獲得した事で不死となったウェイドだが、激しい拷問の代償もあって顔含めて前進が焼けただれたような醜い姿となってしまう。元の姿に戻るためにウェイドはデッドプールと名乗りフランシスを追う…。
『X-MEN』シリーズとしては番外編というか本編に出てないのにいきなりスピンオフというほぼ独立した世界観。シリーズのスピンオフにして既にストーリーの歴史上も無かった事になっている『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』でラストでウルヴァリンと対決したラスボスを同じ役者、同じ役名で全く別設定でやるというのもなかなか前代未聞だが、お喋りなキャラクターというところだけは引き継いでいる。この軽妙なノリとメタ台詞の連発でかなり軽快な作風になっているが、その一方で殺害シーンが多い上にグロ描写や下ネタも多い。締めは真面目だが、おバカなノリとグロ描写のごちゃまぜ感はなんともいえない独特の味わい。X-MENシリーズとは空気が異なるので中途半端な設定のクロスが逆に微妙に感じた。
印象度★★★☆☆