REFLECTION {Drip}(初回盤)
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 備考 |
1 | 未完 | 桜井和寿 | 桜井和寿 | |
2 | FIGHT CLUB | 桜井和寿 | 桜井和寿 | |
3 | 斜陽 | 桜井和寿 | 桜井和寿 | |
4 | Melody | 桜井和寿 | 桜井和寿 | 35thシングルC/W |
5 | 蜘蛛の糸 | 桜井和寿 | 桜井和寿 | |
6 | Starting Over | 桜井和寿 | 桜井和寿 | |
7 | 忘れ得ぬ人 | 桜井和寿 | 桜井和寿 | |
8 | Reflection | 桜井和寿 | 桜井演奏のピアノインスト | |
9 | fantasy | 桜井和寿 | 桜井和寿 | |
10 | REM | 桜井和寿 | 桜井和寿 | 5th配信限定シングル 初CD化 |
11 | WALTZ | 桜井和寿 | 桜井和寿 | |
12 | 進化論 | 桜井和寿 | 桜井和寿 | |
13 | 幻聴 | 桜井和寿 | 桜井和寿 | |
14 | 足音〜Be Strong | 桜井和寿 | 桜井和寿 | 35thシングル 最高2位 売上17.5万枚 |
Arranged by 森俊之(7)
Brass Arranged by 小林武史&山本拓夫(4)
Orchestration Arranged by 小林武史&四家卯大(3,4)
Orchestration Arranged by 桜井和寿&四家卯大(1,6,14)
Orchestration Arranged by 森俊之(7)
Produced by Mr.Children
Produced by Mr.Children&小林武史(3,4,5,10,13)
初回盤DVD
RECORDING OF REFLECTION {Drip}&{Naked}
メンバー
Vocal&Guitar | 桜井和寿 |
Guitar | 田原健一 |
Bass | 中川敬輔 |
Drums | 鈴木英哉 |
Keyboards | 小林武史(2,3,4,5,9,10,13) |
Mr.Children18thアルバム{Drip}。{Naked}にも今作の初回盤が付属する。23曲収録されている{Naked}より9曲減らした14曲で構成され、曲順も異なる。単独発売されている{Drip}には未収録の9曲を配信サイトmoraで1曲250円で購入(DL)できるコードが封入されている。期限は2016年6月30日まで(発売から1年後の6月末まで)。このコードは{Naked}付属盤では必要がないため入っていない。初回盤はレコーディングドキュメンタリーを収録したDVD付。
Nakedではラストだった「未完」が1曲目になっているなど、曲順も変わっていて印象もやや異なるが、よく見ると2〜5曲目の配置と順番、後半の「REM」〜「幻聴」の順番は同じ。基本的にはDripはコアファン以外のリスナーに向けたもの、もっと言えばレンタルで済ますリスナー向けになっていると思う。Nakedから外されたのはクセのある曲やあっさりした曲などC/Wや地味なポジションのアルバム曲みたいな感じの曲が多く、Dripはそれらを外して濃縮させた事で大多数が期待するようなMr.Childrenの楽曲が並んだアルバムとして綺麗にまとまった1作になっている。この辺り、うまいことリスナーを切り分けしたなと思う。
そして今作、実はそんなに新しくは聞こえない。特にセルフプロデュースによる新しいミスチルを打ち出した「足音〜Be Strong」なんかこれといって斬新というほどではなかったどころかわりと王道イメージの楽曲だったし、せいぜい10年くらい前までのバランスに戻った、という程度。今作がそれでも新鮮に聞こえるということは近年いかにピアノメイン、ストリングスを使いまくった上にそれらを最前面に出しすぎていたかっていう事であり、改めてちょっと異常だったな、と。今作はただひたすらにミスチルここにあり!を感じるそんなアルバムだと思う。Dripだけを聞くと大体そんな感じ。
初回盤DVDについて
ミスチルのレコーディング現場の様子はこれまで『シフクノオト』初回盤DVDや映画『Sprit
the Difference』で見る事が出来たが、いずれも小林武史が総監督として完全に現場を仕切っていた。今作にも小林武史のプロデュースや参加曲はあるがセルフプロデュースを前面に出したためか、サポートキーボードのSunny氏がレコーディングに参加している映像は出てくるが、小林武史は出てこない。これだけでもかなり今までと様子が違うことが分かるが、正直期待していたようなドキュメンタリーでは無かった。
メンバーインタビューが全く入らず、ただレコーディング風景を延々映し続ける構成は映画『Sprit the Difference』の構成に近い。映画『REFLECTION』ではメンバーの意気込みも少し入っていたので、それが無いのがまず少し残念…。それでもとりあえず小林武史がいないレコーディング模様という新しい1点だけは示せていると思う。しかし、その上でもっとメンバー4人が主体となって話し合いや試行錯誤を繰り返しながら楽曲が出来上がっていく様子が映し出されているものだと期待していたのだが、その点がまるで異なっていた。
このドキュメンタリーで映し出されるのはほとんど桜井が試行錯誤しながらボーカルレコーディングに臨んでいる姿ばかり。メンバー3人のレコーディング風景も入ってはいるし、田原と中川が話し合ったり、桜井と鈴木がドラム演奏について話し合う場面、田原がギターの音を目立たせたいと主張してレコーディングに向かうという前作までの幽霊っぷりからするとなかなか感動できる何気ない場面(!)なんかもあるにはあるんだけど、それよりもメンバー不在で桜井単独の場面がひたすら長い。4人が揃って楽曲の方向性を話し合ったり、確認しあったりするような場面なんかはほぼ入っていないので正直ちょっとガッカリしてしまった。これまでの発言や作品の雰囲気からも、小林武史がいなくなったことでこれまで以上にメンバーそれぞれが主体となってそれぞれの意見をぶつけ合ってレコーディングが進んだものだと思っていたのに、メンバー不在で桜井が単独であーでもないこーでもないと試行錯誤している場面ばかり映し出されたのでは、肝心な時に的確なジャッジを下してくれるプロデューサーの存在、すなわち小林武史不在がかなり負担になってしまっているようにすら見えてしまう。ただこれはそもそも"ボーカルレコーディングで悩む桜井"という、桜井の単独場面ばかり多く収録しているという構成に問題があるからだろう。レコーディングのドキュメンタリーとしてはもう少しメンバー3人にもスポットを当てていくうまい構成に出来なかったものなのか…。確かに以前に比べればメンバーにもスポットは当たってはいるんだけど、以前がバックバンド扱いすぎただけでこの程度では足りない。これがレコーディング現場の真実だというならそれまでだが…。そんな煮え切らないドキュメンタリーを1時間近く見せられた後、ラストには映画『REFLECTION』から「未完」のライブ映像をフル収録。これは文句なしにカッコ良かった。
なお発売後にNHKで放送された『SONGS』のスペシャル番組はもっと今作制作へ向けて自然かつ流れに沿ったドキュメンタリーに仕上がっていて、桜井だけでなく3人へのインタビューはもちろん、会議で4人それぞれが意見を出す様子など、随所でメンバー3人をしっかりピックアップ。セルフプロデュースでやっていくという意志に基づいて桜井以外の3人をおざなりにしない作りになっていていいドキュメンタリーだった。今作のDVDでもそういうのを見たかったんだよ…。
印象度★★★★☆